【11/02更新】Geoguessrで初学者は何を見るべきか

これまで筆者はジオゲッサーのいろいろなTipsをまとめた記事を書いてきましたが、国が多すぎて正直分からん!覚えられん!という声が聞こえてきそうなので、ほんとのほんとのビギナー向けに何を見るべきか、ということを簡単に説明する記事です。

配信者で世界マップに挑戦してくれる方も増えてきていて、ジオゲファンとしては嬉しい限りなのですが、彼らが悪戦苦闘しているのを見ていると、始めたての頃の苦労を思い出すようで、もっと入門のための記事も書かないとな、と改めて痛感しました。



1.出題範囲

いきなりエグい暗記ですが、これは覚えるしかないです。
これは要するに、公式のストリートビューがない国はそもそも出ない、ということです。これを覚えるだけで選択肢がかなり狭まるからです。

地図とにらめっこしながら、実際にプレイしながら、この国は出る、この国は出ない、と少しずつ頭に入れていきましょう。

赤は出る国、黄色は出はするが気にしなくていい国

ヨーロッパ

ほぼすべての国が出るので、以下の出ない国を覚えた方が楽です
例外もあるので書いていますが、最初のうちは気にしなくていいです。

ベラルーシ(ミンスクの一部のみ例外)
リヒテンシュタイン → カバレッジが追加されたため削除
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
コソヴォ
モルドヴァ
キプロス
ヴァチカン

それ以外の国はすべて出ます。サンマリノもアルバニアも出ます。
トルコやロシアも出題範囲内です。ここではヨーロッパとして考えます。
基本的にすべての国が出ると思ってもいいくらいです。

西アジア

出る国は限られています。これは次のリストを覚えましょう。
例外に関してはやはり覚えなくてもいいでしょう。

イスラエル
パレスチナ
ヨルダン
アラブ首長国連邦
カタール
オマーン
レバノン

イラク(バグダードの博物館のみ)

イランやカフカス諸国は出ません。サウジアラビアも出ません。

アフリカ

面積に比して出る国は極めて少ないです。
アフリカの出ない地域を選んでしまう人が多いのですが、出題範囲が実はすごく狭いので、これは特に覚えるべき地域です。

チュニジア
セネガル
ガーナ
ナイジェリア
ケニア
ウガンダ
ルワンダ
南アフリカ
ボツワナ
レソト
エスワティニ
マダガスカル
レユニオン
マリ(一部の歴史的建造物のみ)
タンザニア(キリマンジャロとゴンベ国立公園のみ)
エジプト(一部の観光地のみ)
サントメ・プリンシペ(あまり出ない模様)

最初のうちは考えなくていいですが、スペインの飛び地や西アフリカ沖合のカナリア諸島(スペイン領)も出題範囲内です。

中央・南アジア

多くの国が出題範囲ですが、中央アジアではかなり絞られます。

キルギス
カザフスタン
モンゴル
インド
パキスタン
バングラデシュ
スリランカ
ブータン

ネパール(エベレスト周辺のみ)
チャゴス諸島(基本出ない)

ナントカスタン系列はキルギスタンとパキスタンしか出ないです。
モンゴルは中央アジアか微妙ですがいったん入れておきます。
中国については後述。東アジアとして考えます。

東アジア

これは少々特殊です。主に中国周りを気にしておけばいいです。

日本
韓国
台湾
香港
澳門

中国本土(一部の観光地のみ)

中国本土が観光地のみというのがキーになります。
揚州あたりの博物館と成都のパンダセンターが頻出です。

東南アジア

おそらくもっとも鬼門となるであろう地域です。
まずは出題範囲を覚えることから始めましょう。

フィリピン
タイ
カンボジア
ラオス
マレーシア
インドネシア
シンガポール

実は出ない国の方が少ないのでそれで覚えてもいいでしょう。

ミャンマー
ベトナム
ブルネイ
東ティモール
パプアニューギニア

グアムなど太平洋の諸島は次のオセアニアで扱います。

オセアニア・太平洋地域

離島が多いので覚えるのが難しいです。
細かいところは最初は覚えなくてもいいでしょう。

オーストラリア
ニュージーランド
クリスマス島
アメリカ領サモア
グアム
北マリアナ諸島

ミッドウェー島
ココス諸島
バヌアツ
ピトケアン諸島

特に明記していませんが細字の地域はほとんど出ないので気にしなくても最初のうちは問題ありません。ケチをつけられないように一応書くだけ書いています。

また、アメリカの州であるハワイは普通に出題範囲内です。

北アメリカ

すべての国が出題範囲です。
アラスカも出ますがカナダのヌナヴト準州だけほぼ出ません。フランス領のサンピエール・ミクロンも厳密には出題範囲内です。が、そんなことは初めのうちは気にする必要はありません。

中米・カリブ海地域

一部の国・地域のみ出題されます。
聞き覚えのない島国ばかりで最初は難しいですね。

メキシコ
グアテマラ
パナマ
ドミニカ共和国
プエルトリコ
バミューダ
アメリカ領ヴァージン諸島
キュラソー

コスタリカ(サンホセの一部と離島のみ)
マルティニーク(基本出ない)

カリブ海地域は覚えにくいですが、中米本土はメキシコ、グアテマラ、パナマの三か国のみです。これは覚えておきましょう。

南アメリカ

こちらも鬼門です。ほぼ全国が出題範囲なので、これは出ない国を覚える方が手っ取り早いです。中米と南米を分けたのはこのためです。

ベネズエラ
ガイアナ
スリナム
フランス領ギアナ
パラグアイ

逆に出る国・地域は次の通り。

コロンビア
エクアドル
ペルー
ボリビア
チリ
アルゼンチン
ウルグアイ
ブラジル

フォークランド諸島(基本出ない)
サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島(基本出ない)
南極(!?)

南米北部はコロンビアを除いて出ません。逆にそれ以外はパラグアイを除いて全国にカバレッジがあります。
初心者はなぜかベネズエラを選びがちなので、覚えておきましょう。


2.メタ

出題範囲(=公式ストリートビューの有無)もその一種ですが、ストリートビューに関するメタはかなり大切で、これを知ると知らないとでは見える世界が全く違うと言っても過言ではありません。

これはあくまでもメタなので地理の知識とは関係ありません。
ここでは細かな各論は省くので、どういったメタがよく使われているか、という全体像を概説します。

カメラ

ストリートビューの撮影に使われたカメラ(=画質)に関するメタです。
画質の良し悪し、カメラの特性などが使われています。

たとえば、このように画質が粗く印象派絵画のように輪郭がぼやけたカメラを使っているのは基本的にはほぼインドです。

Gen1と呼ばれる最古級のカメラ

このようにいかにも古いカメラを使っている画質の粗さであれば、アメリカやカナダ、オーストラリアなどが選択肢に入ります。
Gen1からGen4まで概ね4種類のカメラの世代があり、特にGen2とGen4が国の特定に役立ちます。

他にも、南部アフリカで画質が悪ければ南アフリカ共和国、チェコまたはスロバキアでGen4であればチェコの可能性の方が高いなど、カメラの種類を使ったメタはいろいろな場面で生かすことができるでしょう。

画質に関する点以外でも、一部の国で使われているカメラには空に裂け目が入る不具合がある、色調のバグがある、など様々なメタがあります。
しかし、最初のうちはここまでは覚えなくてもいいと思います。

カーメタ

間違いなく最重要なメタです。
ごく簡単に説明すると、足元を見た時に撮影車の一部が映り込んでいるもののことで、その車の種類で国や地域が特定できるというものです。

これは非常にわかりやすい例で、アメリカ領ヴァージン諸島の南側に確定できる赤いグーグルカーです。
逆にプエルトリコなど、撮影車を隠すためのブラーからわずかにはみ出したアンテナが特定材料になる国もあり、これは非常にわかりづらいです。

調べればグーグルカーの一覧は出てきますし、少なくともそういうメタがあるということを知っておけば一部の国を極めてスムーズに特定することができるようになれるでしょう。
その重要さゆえ、初心者が意識すべきことのひとつです。特にアフリカだと思ったら常に確認するようにしましょう。

以下にグーグルカーで特定できる基本的な国の一覧を載せておきます。

グリーンランド
フェロー諸島
ジブラルタル
UAE(一部)
カタール
セネガル
ガーナ
ナイジェリア(一部)
ケニア
ウガンダ
ルワンダ
レユニオン
マダガスカル(一部)
インド
バングラデシュ(一部)
キルギス
モンゴル
ラオス(一部)
クリスマス島
グアム
北マリアナ諸島
アメリカ領サモア
グアテマラ
パナマ
ドミニカ共和国
プエルトリコ
アメリカ領ヴァージン諸島
バミューダ(一部)
キュラソー

完璧に覚えることができれば、実にこれだけの国が足元をみるだけで特定できるようになるのです。これはかなり大きいです。

これ以外にも、日本とスイス、パナマとカタールなどではほかの国に比べてカメラの高さが低い、というメタもあります。
また、ナイジェリアとチュニジア、ケニアなどでは警察車両が軍用車両がほぼ常にすぐ後ろをついてきている、というメタもあります。


3.まず何を見るべきか

メタに関する思考を身に着けてもらったところで、ここからは具体的に街や道路のど真ん中に落とされて何を見るか、何を探しに行くか、という手順を説明していきます。

この記事はあくまで初心者向けを想定していますので、電柱とか横断歩道の標識とかそういう細かい暗記事項には立ち入りません。
初学者向けのごく基本的なものだと思ってください。

メタ

とりあえず、最初のうちはカーメタを意識して確認しましょう。
カメラはインドを除いてちょっとわかりづらい面もあるので、すぐには取り組まなくてもいいと思います。

ぱっと見で大まかな地域を判断できないうちは、意識的に足元に車がいないか確認するようにしておくほうが、取りこぼしが少ないです。
ある程度上達するとグーグルカーの色もヒントにできるようになるので、この癖をつけておいて損はないはずです。

半球

基本的な事柄として、北半球であれば太陽は南中し、南半球であれば太陽は北中します。曇りの日や東西にあるときは役に立ちませんが、明らかに北か南かに寄っている場合は赤道より北か南かを判別することができます。

ただし、北回帰線と南回帰線の間の低緯度帯では、北半球であっても北側に太陽が昇る、あるいはその逆が自然現象として起こり得ます。
どちらにしても極端に逆側に行くことはないので太陽の高度が高いときだけ気にすればいいのですが、常に頭に入れておくべき事柄です。

通行帯

次に見るべきは右側通行か左側通行かです。
ヨーロッパと東南アジアでは国を絞り込むために重要ですが、見覚えがなくおおまかな地域すら絞れない時に半球と並んで通行帯が大事です。

まず対面通行の道路があれば、通行帯は簡単に判別できます。
対向車がいれば確実ですが、いない場合一方通行あるいは対向車線が別に設けられている可能性は考慮しなければなりません。

撮影車の進行方向は分からないことが多く、追い越しの際に対向車線にはみ出している可能性もあるので車が少ない場合はさらに注意が必要です。
未舗装道路ではそもそも通行帯を守っていない車さえ多いです。

路面標示のほか、標識が道路のどちら側に立っているかも通行帯を特定するうえでは有用な情報です。次に示す矢印はいずれも対面通行を示しているため、見逃さないようにしましょう。

NZ
南アフリカ

初心者が陥りがちな罠として、停車中の車の向きで対面通行を考えてしまうというものがあります。
もちろん整然と駐車されていれば手がかりにできるのですが、基本的に人間は自分が都合のいい方に寄せて車を停める生き物です。顔を突き合わせて停まっている車もザラにいますし、左側通行の国でも右寄せで停まっている車が当然のようにいます。
なので、停車中の車の向きでは通行帯は分からない、と思っておく必要があります。そうしないと左寄せで停めているフィリピン人やメキシコ人にブチギレることになってしまいます。

ヨーロッパ人は縦列駐車が上手い

ここまで長く書いてきたように、右側通行と左側通行は有益な情報であるとともに、実は一筋縄ではいかない要素でもあります。
これを取り違えるだけで大惨事になりかねないため、どっちつかずの場所が出た場合は決めつけずに幅広く見ていくという姿勢も大切です。

肝心な国ごとの通行帯の覚え方ですが、まず左側通行の国を丸暗記するのが基本となります。数としてはこっちのほうが少ないからです。

赤が左側通行

大まかなポイントを整理すると以下のようになります。

・ヨーロッパ本土はすべて右側通行
・アメリカ大陸で出題範囲内の国はすべて右側通行
・オセアニア・南部アフリカは左側通行
・アジアは国ごとに覚えるべし

まずはこのような全体の法則性を覚えましょう。
もし歴史にある程度詳しいのであれば、左側通行の国はほぼすべて大英帝国とその系統を受け継ぐ国、と覚えるのがもっとも手っ取り早いです。

以下に覚えるべき左側通行の国を列挙します。
いずれはこれを覚えるのが理想となりますが、まずはヨーロッパとアジアから覚えましょう。

イギリス
アイルランド
マルタ

ケニア
ウガンダ
南アフリカ
レソト
エスワティニ
ボツワナ

インド
スリランカ
バングラデシュ
ブータン
タイ
マレーシア
インドネシア
シンガポール
香港・澳門
日本

オーストラリア
ニュージーランド

アメリカ領ヴァージン諸島
バミューダ

いくつかの国は車道がほぼ出ないなどの理由から省きました。
東南アジアで右側通行なのはフィリピン、ラオス、カンボジアの三か国のみなので、ここだけ右側通行の国を覚えた方が早いです。韓国と中国本土も実は右側通行なので、知らなかった人は覚えましょう。

ここから先は覚えなくてもいいのですがアメリカ大陸=右側通行は偽で、スリナムとガイアナが左側通行をしています。このゲームで出ないだけです。
また米領サモアは右側通行ですがサモア独立国は左側通行です。米領ヴァージンは英領ヴァージンに合わせて左側通行なのだそうです。
ヨーロッパではキプロスも左側通行です。

路面標示

さて道路はあるけど車が走ってない!曇ってて太陽もない!
そんなあなたが次に見るべきは路面標示です。

路面標示も細かく見れば車道外側線の点線の細かさでノルウェーとスウェーデンが見分けられるとかあるのですが、初心者がいきなりそんなことを覚えたところでエストニアに刺し殺されるだけなので、ここでは色によって地域を絞り込む方法に限って説明します。

見るべきは中央分離帯の色です。車道外側線も色によっては使えます。
通行帯と同様にある程度の地域を絞り込むことができるでしょう。

ポイントは以下の通りです。

・ヨーロッパは原則白、黄色い中央分離帯はノルウェーかフィンランド
・中東とアフリカは白い中央分離帯に黄色い車道外側線の組み合わせ
・南北アメリカは黄色い中央分離帯、白は南米南部
・アジアは国ごとに異なるため常に考慮すべし

ルーマニア
イスラエル
ブラジル
タイ
マレーシア

基本的にはアジアとオセアニアを考慮に入れつつ、ヨーロッパかアメリカかアフリカかを絞り込むことになります。
ただし例外が多くアジアがネックとなるため、基本的に地域を確定まではできないのが難点です。その代わり、細かく覚えれば国を特定する材料にもなるので常に意識するといいでしょう。

ドメイン

基本中の基本です。国旗に次いで初心者でも分かりやすい国の特定材料なので分からなければ真っ先に探すべきもののひとつです。

ドメインのいいところは、仮に覚えていなかったとしてもたとえば.mxはメキシコなど、直感的に分かるものが少なくない点にあります。
逆に言えば、.chのスイスなど覚えてないとどうしようもないドメインもいくつかあります。最終的にはすべての出題国のドメインを覚えるのがゴールにはなりますが、まずは一覧を見て紛らわしい国から優先的に覚えるようにしましょう。.inと.idなど似た名前の国も要注意です。

ナンバープレート

ナンバープレートは言及している人も多く、実際に有用なのですが、初心者が材料として用いるには少し留保が必要です。
なぜなら、ナンバープレートは細かく覚えれば様々な場面で生かすことができる一方で、例外が多いため中途半端な覚え方だとかえってミスリードされる可能性も高いからです。

たとえば横に長いナンバープレートはヨーロッパ、短いナンバープレートはアメリカ大陸というTipsがありますが、これには数多くの穴があります。
まずスイスやイタリアでは横に短いナンバープレートも使われており、同様にブラジルやウルグアイでは横長のナンバープレートが使われています。

その中でも、横長で左に青い縦縞が入ったナンバープレートはヨーロッパに固有のものだということは覚えておきましょう。

ユーロプレートとか言われたりします

それ以外はあくまで傾向として理解するべきで、以下に初心者が意識すべきポイントをいくつかまとめます。

・ヨーロッパからアフリカにかけては横長が多い
・南北アメリカは横に短いものが多い
・前のプレートをつけていなければ北米かカリブ海
・アジアも比較的横長が多いものの、やはり国ごとに異なる

ナンバーが真価を発揮するのは国当てするようになってからです。
イタリアやイギリス、ポルトガルやフィリピンなどには非常に特徴的なナンバープレートがあり、そうしたものを一個一個覚えていくことで国の特定の幅を一気に広げることができます。

覚える量が多くなるうえ、両側が青いナンバーでもフロントが短ければイタリア、前後とも長ければフランスかアルバニアというように場合分けが発生することも多いので、見かけほど簡単ではありません。

ナンバーで注目すべき点としては、長さ、色、特徴的なデザインが挙げられます。白一色ではない明らかに特徴的なデザインに出会ったら記憶しておくのが基本的には吉です。すぐに見返して周辺のほかの車にも見られるかどうか確認してみてもいいでしょう。
色としては黄色、赤、黒、緑あたりが役に立ちます。黄色いナンバーはかなり多くの国で使われていますが、タクシーのみや商用車のみというケースが多いため、車種を見極めることがとても大切です。バイクのナンバーも自動車とは違うケースがあるので要チェックです。
ただし、最初からそこまで考えると混乱してしまうので、まずは乗用車のナンバーに絞って覚えればいいと思います。それだけだと商用車やタクシーが黄色い国に対応できないので、ゆくゆくはそこまで考えられるようになっていかなければならないと心得ましょう。

まとまっているサイトも多いので座学がそれなりに有効です。
しかし、実用的なTipsとして整理するには実践の中で身に着けていくのが一番です。気になった点があったら調べたり、ストリートビューをひたすら探索し比較検討したりする時間も大切です。

言語

言語は最重要のヒントのひとつです。アジアとヨーロッパではほぼ国を特定できますし、少なくとも地域を大きく外すことを防ぐことができます。

とはいえ、初学者が言語を判別するのはかなり厳しいです。
フランス語やスペイン語程度なら分かるという方もいるとは思いますが、大半の方にとっては難しいことでしょう。

まず第一に注目すべきは文字です。
アジアの言語はほぼ文字だけで特定できますし、東欧の言語も特徴的な文字が多いのでそれらを使ってある程度絞り込むことができます。
また、ラテン文字キリル文字の違いも重要です。

セルビアとモンテネグロでは双方が用いられる

いずれにしても、この文字とこの文字があればこの言語、というように一字決まりができないケースも多いので、座学が大切です。経験のみからすべての言語の文字のパターンを習得するのはかなり難しいと思います。逆に、座学をしっかりすれば一字決まりもおのずと見えてくるはずです。
一字決まりの例をいくつか挙げます。

ř:チェコ語
ė:リトアニア語
ā:ラトヴィア語
ы:ロシア語

次に注目すべきは単語です。
ヨーロッパの言語で特に大切な点ですが、英語のstreetにあたる単語はその辺でかなり頻繁に見かけるため、真っ先に覚えるべき単語のひとつです。
以下に例を挙げます。

英語:street / avenue
フランス語:rue
スペイン語:calle / avenida
ポルトガル語:rua
イタリア語:via / strada

覚えるのは大変ですが、街中でよく見かける単語は少しずつ覚えるようにしましょう。単語を覚えることはその言語の全体的な特徴を掴む練習にもなります。もちろん文字を覚える一助にもなるでしょう。

言語には生き物のような系統があり、ロマンス語、ゲルマン語、スラヴ語というような大きな分類があります。近い系統であればとうぜん雰囲気は似てきますし、それらを区別できる言語ごとの子細な特徴もあります。
この系統を覚えることで、たとえば周辺の言語の系統から大きく外れる特異な言語、バスク語やハンガリー語、エストニア語やフィンランド語といった言語が分かりやすくなり、数多くある言語に関するTipsを覚える際にも、ただ個別に頭に入れるよりはるかにわかりやすくなります。

言語は、できる人がいうほど簡単に判別できるものではありません。
確かに慣れてしまえば一瞬なんですが、初学者が苦労する気持ちはよくわかります。Wikipediaにも細かな情報が載っていますので、座学と実践を繰り返していくほかないのですが、やはり最も分かりやすい情報源なので、初心者でも積極的に挑戦していくことをおすすめします。

地名

地名は地域を特定するだけでなく、国の特定にも役立つ材料です。
大都市の名前は案内標識で見る機会が多いほか、広告などで州や地方など広域の地名が書かれているケースがあるため、地図を見るときに大きな地名とその位置も意識しておくといいでしょう。

首都はともかく、第二都市以下の名前なんていちいち覚えてられるか!と言いたくなりますが、たとえ覚えられなくても地名に対するセンサーを敏感に設定しておいて損はありません。
看板や広告、バスやタクシーなどにしれっと書いてある地名を拾うためにはまずそれが地名であるということが分からなければなりません。様々な地名が頭の片隅にでも存在していれば、読めない単語の羅列の中に隠された地名に気づくことができるかもしれません。最悪、地名であることさえわかれば地図上から探すことができるのですから、案外大切なことです。

筆者が敢えて地名を覚えることを推奨するのは、この地名センサーを育成することが初期の国当てにおいて最も大切だと考えているからです。
さらに、地名は基本的にその地域の言語を反映していますから、言語判定の練習にもなります。地図上に名前が大きく映っている大都市だけでいいのですから、ちょっと意識するようにしてみることをおすすめします。

ちなみに、州の名前などは一部を除いて地図上には表示されていません。
どうしても州の名前が知りたいときは、マップ上に書かれている州境を思いっきりズームするのが一番良い方法です。そこには州や県の名前が書かれているでしょう。けっこう寄らないと出てきません。

トルコの例

ボラード

ボラードとは、夜間の車の脱輪などを防ぐために道路沿いに置かれた反射板付きのポールのことを言い、国によってデザインが異なるうえ大きな道沿いでは頻繁に見かけるため、国を特定する材料として知られています。

日本にもあります

主にヨーロッパで使うTipsですが、ラテンアメリカにも活用できる国があります。オセアニアの国の見分けにも使えます。
同じデザインを複数の国が使っていたり、同じ国の中でも複数のデザインのボラードがあったりするので、覚えるのはけっこう大変です。

ボラードを見分けるポイントは、ボラードそれ自体の形、デザイン、反射板の色や形などに着目するといいでしょう。裏側も要チェックです!

また、ボラードと同じように道端にあるスノーポールも国によってデザインが違っていたりします。これは限られた国のみで使えるTipsですが、ボラードと合わせてピンポイントで覚えておくと効果的です。

アンドラのスノーポール

逆に、市街地で車が歩道に乗り上げないように置かれている車止めはこのボラードとは関係なく、国も特定できないので気を付けましょう。

標識

標識は使えるものと使えないものの双方があり、どれを覚えるかの取捨選択がとても大事です。一般的には横断歩道の警戒標識が有益で、縞の数やピクトグラムのデザインで国を判別することができます。

STOPサイン、速度制限の標識、行先案内の標識、一通標識、フォントなどが有益ですが、最も注目すべきは警戒標識です。ヨーロッパやアフリカでは三角形、アメリカやオセアニアではダイヤモンド型をしているので地域判定にも使えるほか、ヨーロッパでは一部の国のみが標準的に黄色い警戒標識を使っているので、にも注意しましょう。

そのほか気を付けるべき点としては、標識の外枠の有無、支柱の色や取り付け方、裏側の色などがあります。注意深く観察してみましょう。

電柱

電柱は精密な国当てのためにかなり大事ですが、似たようなデザインが多いため覚えるのはかなり大変です。焦らず徐々に覚えていきましょう。

穴が開いていたり大小の窪みがあったり、木製だったりコンクリート製だったり、四角かったり丸かったり、その特徴は千差万別です。それぞれのデザインを覚えるしかないですが、木製電柱とコンクリートの丸い電柱は使っている国があまりにも多いので基本的に役に立ちません。

だけでなく彩色が特徴的な国や、識別のためのステッカーによって特定できる国もあるため注意深く見ていく必要があります。電線がどういうふうにつけられているかも重要な場合があります。ただしこれを覚えるのは電柱そのものの形状をあらかた覚えてからでいいと思います。

シェブロン

シェブロンとは、カーブや丁字路に置かれたV字型の方向を示す標識の一種のことを言います。国によって配色が違うため、覚えると何もない田舎道でも国を絞り込める場合があります。

シェブロン(ハンガリー)

赤地に白のシェブロンと白地に赤のシェブロンは別物であるということに注意する必要があります。同様に白地に黒と黒地に白も別物で、黒地に黄色と黄色地に黒も別物です。
色の組み合わせパターンをちゃんと覚える必要があるので、難易度は高めです。国当てに慣れてきたら少しずつ挑戦してみましょう。


基本的な事項を網羅できたと思いますが、一度復習してみましょう。

まず覚えること
・カバレッジ
・カーメタ
・太陽の位置
・対面通行
・路面標示
・ドメイン

次に覚えること
・ナンバープレート
・言語
・地名
・ボラード
・停止標識
・警戒標識

頑張って覚えること
・その他の標識
・電柱
・シェブロン
・市外局番

それぞれの項目についてはこのマガジン内に記事を立てて詳細に書いているので、ぜひ見てみてください。

それ以外はもう、回数を重ねて地域ごとの景色の特徴を覚えていくのが一番の近道です。ぱっと見でだいたいの地域が分かるようになると国当ての精度も上がってくると思います。

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