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留置場におけるコロナ対策の現状について


■caution■

この記事は令和2年7月上旬に書いたものであります。この頃、とある署の留置場に勾留されておりました。(反省してるので責めないでください) 当然ながら僕は全国の留置場で勾留されていたわけではありませんのでざっくりと「大阪市内の留置場」としておきます。もちろん大阪市内でも各署によって対応は違ってくるはずなので(署により違いがあること自体がまさに問題なのですが)、この記事の内容は全国の留置場の現状を包括し端的に伝えるものではないということを理解したうえで読んでください。​

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■そもそも留置場とは?


一般的に留置場は隔離・閉鎖された施設だというイメージがあると思いますがそんなことありません。あなたは間違えてます。完全に間違えてるのですから黙って僕の言うことを聞いて下さい…無料で読んでるのですから。

Point⇨留置場は他者との接触も多く、人の出入りが激しい施設です。

①逮捕されたらこんな感じの部屋に閉じ込められます。だいたい六畳あるかないかの大きさで、2人〜4人の被疑者と一緒に生活することになる。僕が勾留されていた署はコロナ対策の為に3人まででしたが、どうやっても三密は避けれません。

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② 逮捕後48時間以内に検察庁に送られます。その際、写真のようなカッコいいバスに乗るのですが、このバスは他所の警察署の被疑者達も乗せてやってきます。
各署に留置されている被疑者をまとめて検察庁に護送するわけです。
ここで新しい者と接近することになり、また当然ながら三密は避けれません。

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③検察庁に着くと、検察官の取調べを待つためにまた①のような檻に入ることになります。だいたい八畳〜十畳くらいの大きさの部屋に5人〜10人ほど入ることになります。
ここでまた新しい者との接近があり、三密も避けれません。

④被疑者の勾留が必要だと検察官が判断したら、次は裁判所に送られますその際、また複数人の被疑者達と一緒に②のバスに乗ります。

⑤裁判所に着くと、また①のような部屋に入り複数人の被疑者達と2m以下の距離で席に座り順番を待つことになります。ここでも三密は避けれません。

※検察庁、裁判所の待合室にはトイレがあり一日に複数人が使用するのですが、除菌アルコールが常備されているわけでもない。

Point⇨以上のルーティンを経て、散々他者と接近した者達がまた留置場に帰ってくるわけです。これが毎日繰り返されているのですから留置内の罹患リスクはかなり高い状態だと言えると思います。

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◼️留置場におけるコロナ対策

■以下、当時の留置場におけるコロナ対策になります。
※令和2年5月下旬~7月上旬(緊急事態宣言解除後)

①まず逮捕され警察署内に入いるときに手は洗っていません。(僕のときだけ忘れたのかもしれませんが)手洗いもせずアルコール除菌もせぬまま取調べ室に入るわけですが、取調べ後にテーブルや椅子の除菌などはしていない(はず)。

警察の方はやっていると言うと思いますが、その後の取調べの際にもテーブルの上に他の被疑者の指紋が朱肉で残っているのを数回見たのでやっていないはずです。つか、絶対にやってません。

②留置場に入れられる前にこの一週間で熱があったり体調不良がなかったのか聞かれます。

ないと答える。

体温計で熱を測ります。

熱はない。

で、そのまま留置場に入ることになります。
これだけで他の被疑者達が居る部屋に入ることになる。
つまり、さっきまで街中をウロついていた者がほぼそのまま留置内に入ることになるということです。

②検察庁、裁判所にお出かけの際はマスク着用。
署に帰ってきたら除菌アルコールで手の消毒をします。が、ぶっちゃけますと忘れているときが多々ありました。手洗いはしません。

③日々のコロナ対策としては、毎朝熱を測るだけです。体温計が順番に回ってくるのですが、これも他者が使ったあとの消毒を忘れてることが多々あり、担当さんに「忘れてますよ」って教えてあげるくらいの感覚。

以上になります。

Point⇨検察庁、裁判所以外の人の出入りとして頻繁なのが、客引き行為、ケンカ等で逮捕された者の存在です。彼らは48時間で釈放になるのですが、週末になると必ず入ってきて2日で出ていくわけです。ウィルスを留置内に持ってくる可能性がかなり高い存在なのですが、隔離されることもなく同じ雑居房に勾留されます。

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◼️警察庁の指示は?

以下「新型コロナウイルス感染症への対応について」の警察庁の通達です。参考までに。

※読むのめんどくさかったら次の項に飛んで下さい。
ぶっちゃけ僕も全部読んでません。

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▲1の<新型コロナウイルス感染症の予防対策の徹底>において実際には実地されていない項目をpickupしておきます。

(2) 被留置者の居室については、可能な限り、1人1部屋とするほか、運動、入 浴等の起居動作を行わせる際にも、単独で行わせるなど、被留置者を相互に接 触させないように注意すること。
(4) 新たに被留置者が入室する場合等、被留置者が入れ替わる際は、居室内にお いて被留置者が頻繁に触れる箇所等について、所要の消毒措置を行うこと。

※↑以上、これらはまったく実地されておりません。ただし、ここでは<あくまでも僕が勾留されていた署では>と限定しておきます。他の署も似たようなものだと思ってはいますが。

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◼️ここからが本題です

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ここまで読んで疑問に感じた方もいらっしゃると思います。留置内のコロナ対策は非常にテキトーで簡易的なものです。また三密に加え人の出入りも頻繁…クラスター発生の危険性が非常に高い施設だと断言して問題ないと思います。

では_

なぜクラスター、オーバーシュートが発生しないのか?

不思議ですよね。
僕自身、渋谷の留置場で感染者が出たとき、これはとんでもないことになったと思いました。留置場の内部のことは知ってたので爆発的に留置内感染、また他の署への感染が広がるはずだと危惧したけど実際はそうならなかった。

考えられるのは_

①コロナウイルスはこの程度の対策で十分に感染予防が可能なウイルスである。
②実際は多くの被疑者が感染しているのだろうが無症状である。
③奇跡的な確率で逮捕される者には感染者がほぼ居ない。
④犯罪者はバカなのでウイルスにやたら強い。

僕はぶっちぎりで④を推してます。

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◼️終わります

以上が<あくまでも僕が経験した>留置場でのコロナ感染予防対策の現状になります。
過剰自粛だの、経済と命の二択だのといった様々な議論や諍いがありますが、皆さんがこの先コロナと共生し日々を生活する上で、これが感染予防対策におけるなんらかのヒントになればよいなと思いつつ懲役に行ってまいります。

※再度
全国の署がこのような対策をしているということではありません。また当然ながら警察を貶めようといった邪な意図などなく現状をそのまま書きました。もし、この記事内容はまったく違うと断言できる関係者の方がいらっしゃるならコメ欄にコメントして下さい。(どうぞ、どうぞ)
気が向いたら&そのときシャバに居てるならば対応します。
と、もう一つ。いたずらに反自粛を扇動しようという意図で書いたものでもありません。そこらへんは個々考えて頂ければ幸いです。

■追記

出所してからほぼ3年ぶりにこの記事を読んだ。
結局、当時なにを言いたかったのかと言えば「警察署はほぼほぼ感染対策なんかしてなかったよ」ってこと。にも関わらずクラスターが発生していないということは、ここに書かれている程度の感染対策程度でも問題がないのかもしれない。また想像しているよりも無症状の比率が高いのかもしれないということを言いたかったのでしょう。(当時は)
ただ、当時は自粛vs反自粛で世間が騒いでたので、そう明言するのは避けて遠回しにグダグダと長文を書いてたのでしょう。
なんにせよ「刑事施設は世間とは隔離された場所だから安全である」という認識は誤りで、留置場にせよ刑務所にせよ人の流出入は頻繁なのです。だからこそ逆に危険だということ。

あともう一つ書いておかないといけないのは、この記事は警察署のことですが、拘置所、刑務所といった法務省管轄の施設は感染予防対策が徹底されていました。
(機会があればまた書きます)


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