【Catlog presents 猫様のために学びたい栄養のこと】vol.1~猫様と水~
愛猫の健康を守るために気をつけたい、食事。
猫様の健康のために飼い主ができること。
猫様の具合が悪くなったときに獣医師さんに連れていくことはもちろんですが、まずは猫様の体調が日々万全な状態を保てるように日頃おうちでできる健康管理のひとつが「食事の管理」です🍚
猫様の健康を支えるのは、栄養・運動・休息です。特に、猫様が食事から得ることができる栄養の量や質は、飼い主さんの選択に大きく依存します。そのため、飼い主さんが正しく知識を持っておくことが重要です。
RABOでは、一般社団法人 ペット栄養学会理事である徳本 一義氏(獣医師)を顧問に迎え、「猫様栄養講座」を社内で開講していただいています。わたしたちが徳本先生の講座を通して学んだことを、こちらのnoteでみにゃさまにもお届けいたします🐈 まだまだわたしたちも知らないことばかりで、猫様飼われ主としての学びが非常に多くありました!
猫様にとって大切な、「5大栄養素+1」
私たちが家庭科の授業で習ったのは「5大栄養素」でしたが、徳本先生からは「大切な+1がある」と教えていただきました。
おさらいしておくと、5大栄養素とは次の5つです:
1. 炭水化物
2. タンパク質
3. 脂質
4. ミネラル
5. ビタミン
このうち、炭水化物、タンパク質、脂質は、エネルギーを作ることのできる栄養素であり、これら3つで「3大栄養素」とも呼ばれます。それにミネラルとビタミンを足した5つが、ニンゲンにも猫様にも共通する「5大栄養素」となります。
この5つに、さらに「水」を含んだものを、徳本先生は「6大栄養素」と呼んでいました。
厳密にいえば「水」は栄養素ではありませんが、猫様の栄養について考えるときに大変重要な項目になるとのことです。
なんでも、獣医師の先生が体調が悪い猫様の栄養状態の確認を行う際に一番はじめに行うことが「水分チェック」なのだそう。その上で、水分が足りないようであれば必要に応じて輸液などを通して水分補給を行うとのことでした。
と、いうことで、【Catlog presents 猫様のために学びたい栄養のこと】シリーズ記念すべき第1回は、猫様にとっての6大栄養素のうち『水』についてお届けします!
猫様は脱水状態になかなか気付けない生き物
猫様と水について考える上で、まず知っておきたいのが、猫様は脱水になかなか気付けない生き物であるということ。
一般的に、生物は15%の脱水で生命の危機に直面すると言います。
それでも、身体が「水分が足りていないよ」とアラートを出し始めるのは、5%程度の脱水状態になってから。
そのため、実は普段「ちょっと頭が痛いな、水分不足かな」のように身体からのアラートに気づくタイミングでは、すでに十分危険な状態に陥っているのです。
ニンゲンの場合、脱水状態になると、頭がボーっとしたり、目がチカチカしたり、震えが起きたりします。そんな時は、きっと誰でもすぐに水分補給をしますよね。
しかし猫様の場合、5%程度の脱水では身体がアラートを上げず、『水を飲まなければならない』という必要性に気づけないことがあります。
それは、猫様がもともと砂漠で生きてきた動物だから。砂漠のような水場の少ない乾燥地帯で生きていくためには、5%程度の脱水で毎回アラートを出していてはキリがありません。
そのため、猫様の脱水アラートは、ニンゲンなど他の動物に比べて少し鈍感に作られているのだそうです。
(↑「砂漠の天使」とも呼ばれる、砂漠に生息する野生の猫、スナネコ Photo by 徳本一義)
脱水していてもそれをアラートとして出すことができない猫様の身体は、私たちニンゲンが想像する以上に、厳しい状態でも我慢してしまっていることが多いかもしれません。それを念頭において、日々「ちゃんとお水飲んでるかな?」というのを気にかけるようしましょう!
なお、猫様の場合、水を飲まないことによって脱水などの体調不良を引き起こすことはあっても、ニンゲンのように水の飲みすぎで『水中毒』(低ナトリウム血症)を発症するなど、水を飲みすぎることによって体調を崩したり、何らかの病気を発症したりすることはないそうです。
そのため、猫様ご自身の判断で、いつでも好きなだけ水を飲める環境を整えておくことが大切です。(具体的な方法は記事後半でご紹介いたします!)
特にご高齢の猫様など、糖尿病や腎臓の機能が低下している猫様の場合には、病気の症状のひとつとして水をたくさん飲む「多飲」が見られることがあります。
そのような症状を早期発見するためにも、日頃から猫様の水分摂取状況をしっかり把握しておくようにしましょう😌
猫様が1日に必要な水分摂取量は、「体重×50ml」が目安
飲水量を気にするといっても、基準がないとなかなか判断がつきづらいですよね。必要な水分量は、猫様の体重によって変化するそうです。
ご愛猫様にとって必要な水分量については、以下の計算式で簡単に算出することができます!
猫様が1日に必要な水分量(ml)
= 猫様の体重(kg)× 50(ml)
例えば4kgの猫様であれば、1日に約200mlの水分を摂取できれば、だいたいOKということになりますね。
※⽔分が異常に排出されてしまう状況にあるなどの場合には、この限りではありません。
※あくまでも⽬安としての参考にご利用ください。
水分を摂取する3つの方法
それでは、50ml/kg(4kgの猫様で200ml)のお水を毎日飲み続けないといけないのかと言うと、「そうとは限らない」と徳本先生は言います。
猫様は、主に以下の3つの方法で水分を摂取しています。
① 水を飲む
② ご飯の中に含まれる水分を摂取する
③ 代謝水(3大栄養素からエネルギーを摂取する際に体内で作られる水分を摂取すること)
たしかに、考えてみれば缶詰やパウチといったウェットフードや、液体おやつなどにも相当量の水分が含まれていますね。日常生活では、①と②を意識して、ご飯とお水の合計で猫様に必要十分な量の水分を摂取していただけるようにしましょう!
水分摂取量を増やす方法
猫様の摂取水分量を増やすために、おうちでお手軽に実践できる方法を2つご紹介させていただきます😸
①水分を多く含む食事を与える
②水飲み場を増設する
まず、①水分を多く含む食事を与える について。
ウェットフードはドライフードに比べて⽔分を多く含んでいるので、ご飯を⾷べると同時に多くの⽔分を摂取することができます。
逆に、あまり水分の含まれていないドライフードをメインに召し上がられている猫様については、お食事の後にお水をゴクゴクと飲まれることも多いかと思います。
上の図に示されている通り、ウェットフードを与えた場合とドライフードを与えた場合では、総合的にみるとウェットフードを与えた場合の方が1日の水分摂取量は多くなっています。また、水分の多い液体おやつなどを与えることも、水分摂取量を増やすために有効なようです。
ただし、給餌器を使用されている場合はウェットフードへの切り替えが難しかったり、ウェットフード自体の値段が高く気軽には変えられなかったり、そもそも猫様があまりウェットフードをお好みでなかったりと、フードを変えることが難しい場合も多くあるかと思います。
そのような場合、②⽔飲み場を増設する は、比較的安価で簡単にできる解決策ですので、是⾮お試しいただきたいです︕(なお、講座を受けた後、弊社メンバーはさっそく⽔飲み場を追加していました😸)
先述したように、猫様は脱⽔状態になかなか気づけない⽣き物です。「喉が渇いたなあ」と思っても、めんどくさがり屋な猫様だと、動くことが面倒でついつい我慢してしまうことも。
複数の猫様が一緒に暮らしている場合には、立場的に弱い猫様が水飲み場に近づけず、お水を飲めない状況になってしまうこともあります。そうならないように、どの猫様にも安心してお水を飲んでいただける場所を複数作っておくことが、とても大切なんだそう。
猫様が過ごす部屋が複数ある場合は各部屋に、そして複数の猫様がいらっしゃる場合は猫様の数に応じて水飲み場の数も増やし、すべての猫様が気軽に安心してお水を飲める環境を整えていきたいですね。
今すぐできる脱水チェック!
とはいえ、今現在猫様の水分摂取状況が適切なのかどうかわからない、という飼い主さんも多いのではないでしょうか。特に、腎臓のはたらきが低下している猫様は脱水しやすい傾向にあります。そのような場合は、猫様が落ち着いているときに、猫様の首元から背中にかけての皮膚をを軽くつまんで、引っ張ってみてください。
その時、以下の2点について確認してみましょう。
・皮膚をつまんで持ち上げて、⼿を離した後にすぐ戻るか
・皮膚や被毛の⼿触りがしっとりとしているか
もし、皮膚がすぐに元に戻らずに持ち上がった状態のままになったり、手触りが乾燥しているように感じる場合には脱水状態となってしまっている可能性があります。
そのような場合には、猫様のようすを見つつ、水分を与えたり、獣医師の先生に相談したりしてしっかりと対処するようにしてください。
また、猫様の⾏動を24時間365⽇⾒守る⾸輪型デバイス『Catlog』を使うと、⽇々の猫様の⽔飲み回数を記録することができます。
猫様が毎日ちゃんとお水を飲めているか、そしてその回数に変化がないかを、アプリで簡単に管理することができ、猫様のささいな変化にもすぐに気づくことが可能になります🙆♀️
みにゃさまも是⾮、このnoteを参考に猫様にとってより快適な水飲み環境を整えて、猫様の水分摂取状況を気にかけてみてくださいませ。✨
【猫様のために学びたい栄養のこと】シリーズは、今後様々な内容でお届けしていく予定となっていますので、どうかお楽しみに🐈
「こんなことが知りたい」といったリクエストがあれば、ぜひぜひコメントでお知らせくださいね。
これからも愛する猫様がより健康に長生きできるよう、猫様の栄養管理についてしっかりと学んで実践していきましょう!(弊社メンバーもしっかり勉強させていただきます!)🐈
すべては、猫様のために。
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