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子どもはおもしろい

先日、上司宅に1泊した折に2人のお子さまとじっくり過ごした。車内での会話、朝のお散歩、日中の遊び。
「まだまだ子ども」と思っているのは大人の方で、彼らは人として立派に生きている。学びの多い2日間であった。

性格の違う2人

こうたちゃんとあやかちゃんは、2歳違いの兄妹で5歳と3歳。さらさらマッシュヘアーのこうちゃんは、とにかく電車が大好きで電車については饒舌。集中力が高く、誰ともしゃべらずプラレールの制作に没頭していた。どこで覚えたのか、少し嫌なことがあると「んだら、このやろう、ぶっ倒すぞ」「うるせぇ、こら、ぶす」と言う。
あやちゃんは、くるくる天然パーマ。お花やプリンセスが好きでかなり活発。運動神経も高く、おしゃべりも大好きでみんなに注目されるのも好き。そして、甘え上手。自然に手を繋いだり、おんぶや抱っこをしてもらう。
喧嘩をして勝つのはあやちゃん。家族の視線を集めるのもあやちゃん。さすが、妹。


さて、この2人と過ごしていて思ったのは、彼らは「子ども」という立場をうまく利用している。非常に賢い生き物だということ。特に印象に残ったエピソードをここに書き残させてもらう。

発想豊かな電車ごっこ

2日目の14時ごろ、こうちゃんが電車ごっこを企画した。子ども2人が余裕で入れる大きさの段ボールを電車に見立てて、線路(廊下)を移動する遊び。こうちゃんのリアルな電車音に乗せて、電車旅を楽しんだ。
この遊びは、電車好きのこうちゃんが主役だ。あやちゃんと私は乗客で、厳しいルールにも縛られる。「ここでは下車できません。」「あと6分で出発します。(実際には40秒くらい)」など。
あやちゃんがノリノリで楽しめたのは、わたしの膝という特等席を独占でき、橋の通過時は強風のため列車が激しく揺れるから。(私が全力で膝の上のあやちゃんを揺さぶる)
丸3日間くらい(こうちゃんの世界で)の電車旅を楽しんだあたりから、こうちゃんのルールが強化された。「ここでは1人しか乗れません。」「1人乗ったら、ひとりは降りてください。」つまり、わたしとあやちゃんの同時乗車が叶わなくなった。

あやちゃんは、だんだんと不機嫌になっていった。「いやだ、ひとりいや。」「たのしくな~い」
こうちゃんは、言ってしまった。「うるさい、こら、ぶす。」
完全に拗ねたあやちゃんは、分かりやすく、不機嫌を表出した。足をじたばたさせ、リビングに戻り、大きな声で不平を言った。
こうちゃんは、見かねて「可愛いプリンセスのための電車がきましたよ~」と機嫌を取り始めた。全く機嫌が直らないあやちゃん。

2人の性格が顕著に表れた

こうちゃんは、さっきまでの勢いを失い、あやちゃんを気にしている様子。みんなであやちゃんをなだめると少し落ち着き、私に抱っこを求めてきた。
電車ごっこ再開!とばかりに遊び始めると、あやちゃんが急に寝てしまった。「あやちゃん寝ちゃった。」とこうちゃんがお父さんに伝えると、あやちゃんパパが優しく抱っこして、布団もかけてあげた。
あれだけ電車ごっこをしたかったこうちゃんは、「あやちゃんが寝ちゃったから、みんな静かに」とまで言って、気を遣っている。

しかし、実はあやちゃんは寝ていなかったのだ。みんなが気にかけてくれることを良いことに、狸寝入りをしていた。しばらくすると、にたーーと笑って、目を開けた。その後も起きているのに、何故か目をつむって歩き回っている。

「私が眠ったら、みんなが優しくしてくれた」ことで、あやちゃんの欲求は満たされたらしい。その後も、気を引きたくてかずっと眠ったふりをしながら遊んでいた。

子どもは決して無知ではない

この光景は本当に面白かった。大人も自分のことが大好きだし、人が気にかけてくれると嬉しい。気にかけてもらいたいし、優しくされたいし、褒められたい。小さな頃から変わらない欲求。
それでも、大人だから理性とうまく付き合いながら、頑張っている。本能のまま生きる方が難しい。
でも、子どもは許される。本能を爆発させても、わがまま放題でも許される。そして、当本人もそれが分かっている。賢いな~と思った。思う存分「子ども」という特権を使い切って、愛を存分に享受して成長していくんだろう。

親はバランスを取りながら、子どもとは付き合っていくのだと思う。わがままを全部引き受けるのではなく、社会で生きていくことを想定して、時には厳しさを持って。
一方で子どもを尊重することと、甘やかすことの切り替えが難しい。意見や考えを尊重しているつもりが、わがままを許していることになってしまうことがある。
最終的には、「どこまで彼らを信じられるか」だと思う。まだ子ども、と思って何でも手を貸してあげたくなるところを、ぐっとこらえて。
きっとできるはず、見守ろう。と思って付き合っていきたいなと改めて感じた2日間でした。

ありがとうございました。

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