【アーカイブ2019】プレイヤーズファースト~滋賀大会延長戦10日目・八日市
タイムをかける。内野手が集まる。でも伝令が来る気配は全くない。八日市ではこれがいつもの光景だった。
奥村英幸監督、60歳。以前は厳しい指導で知られた監督が、母校に戻り指揮を執ってからは『プレイヤーズファースト』を掲げた。「やって50、やらされて50。軍隊式には限界があると思った」。時代に合った指導法を考えてきた。
「伝令なし」もその一環で、間は取るものの指示は出さない。何をすべきか選手に考えさせた。
夏の終わりでユニフォームを脱ぐ。現役でも、そして監督としても甲子園に行くことはできなかったが「夢を追いながらここまで来た。こんな形で終われたのは幸せでした」。最後も『選手主導』の胴上げで、30年近くの監督生活を締めくくった。【2019年7月20日掲載 ※次回は延長12日目です】