【号外!アス・ロード①】いまも残る岩手のレガシー
はじめまして!塚本京平と申します。
BBCでは高校野球の印象が強いかもしれませんが、実は国体取材を始めて6年になります。コラムでは取材の後日談などを通して大会の魅力に迫っていくので、ぜひともお付き合いください!
さて、私の国体取材は2016年の岩手大会から始まりました。前年まで岩手で働いていて、「現地とスポーツに詳しいだろう」との理由で担当に就任。2025年を見据え、BBCも国体に力を入れ始めたころでした。
ところがこの出張で、私は「スポーツに詳しい」が間違いだったと実感します。現地に行くと国体の概要も知らなければ、多くの競技はルールもわかりません。「滋賀の選手いつ出るん⁉」、「この競技トーナメントなん⁉」。四国4県分の広さがある岩手を半泣きで走り回ったものです。
一方で大きな出会いもありました。特に記憶に残るのはテニスの少年男子です。湖南市出身の清水悠太選手が同じ清水姓の奎吾選手とペアを組んで準優勝。170センチに届かないサウスポーが、体格に勝る相手を倒していく姿が衝撃的でした。
その後プロ転向した悠太選手は、去年の全日本選手権で初優勝を果たします。帰省に合わせて会いに行くと、国体を「めちゃくちゃ楽しかった」と振り返ってくれました。個人戦が多い競技だけに、滋賀一丸での達成感が大きかったそうです。競技を学び選手を知り、その関係性が生かされる。私が国体レガシーを感じた瞬間でした。
いまはグランドスラム出場を目指す悠太選手ですが、将来は指導者も視野に入れているとのこと。「滋賀を強豪県にしたい」という目標には、自分が果たせなかった国体優勝も含まれているのかも…。岩手から始まったテニス取材、これからも要チェックでお願いします!
【滋賀県スポーツ協会 Bispo!+ 31号(2022年3月31日発行)掲載】