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飛躍期は楽しさとともに~高校野球ハイライト延長戦14日目・立命館守山
「創設期は終わった」。大会前、秋武祥仁監督の決意を話半分に受け止めた自分が恥ずかしい。創部6年目の立命館守山が準優勝を成し遂げた。捕手からコンバートされた北村怜士が好投を続け、打線は花田泰希をケガで欠きながら全員がカバー。シードにふさわしい戦いぶりだった。
守山市民球場が借りられない日はグラウンドの一角しか使えない。完全下校も早く、練習時間は限られる。名門大学の冠を持ちながら、飛躍期入りはもう少し先かと思っていた。
成長のきっかけは監督自身の変化だと言う。「指針を定着させるため厳しくしてきたが、去年ぐらいから自主性を尊重するようになった」。細かい練習メニューを選手に任せ、イニング間に指示を出すことも我慢。母校の立命館宇治に甲子園の先を越された悔しさをこらえ、選手がノビノビ取り組める環境を整えてきた。
決勝後は「高校野球は楽しかったか?」と選手に問いかけた。「『楽しかった』と言われたのが何よりうれしくて…」。前向きに取り組み続けた選手を目を真っ赤にして称えた。コロナ禍で高校野球の意義を問い続けた2年間。「野球が大好きだ」というチームを最後に取材できたことを、何よりうれしく思う。