あなたの罪は赦(ゆる)された
ルカによる福音
ある日のこと、イエスが教えておられると、ファリサイ派の人々と律法の教師たちがそこに座っていた。この人々は、ガリラヤとユダヤのすべての村、そしてエルサレムから来たのである。
主の力が働いて、イエスは病気をいやしておられた。
すると、男たちが中風を患っている人を床に乗せて運んで来て、家の中に入れてイエスの前に置こうとした。
しかし、群衆に阻まれて、運び込む方法が見つからなかったので、屋根に上って瓦をはがし、人々の真ん中のイエスの前に、病人を床ごとつり降ろした。
イエスはその人たちの信仰を見て、「人よ、あなたの罪は赦された」と言われた。
ところが、律法学者たちやファリサイ派の人々はあれこれと考え始めた。
「神を冒涜するこの男は何者だ。ただ神のほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」
イエスは、彼らの考えを知って、お答えになった。
「何を心の中で考えているのか。『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらが易しいか。
人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」
そして、中風の人に、「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい」と言われた。
その人はすぐさま皆の前で立ち上がり、寝ていた台を取り上げ、神を賛美しながら家に帰って行った。
人々は皆大変驚き、神を賛美し始めた。そして、恐れに打たれて、「今日、驚くべきことを見た」と言った。
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イエスは、信仰を持って向かってくる者には、誰に対しても、『あなたの罪はゆるされた』と語ることのできた人であった。
カトリック教会の七つの秘跡(サクラメント)の一つ「告解の秘跡」(ゆるしの秘跡)は、一人の人間に過ぎない神父に対して行うものではなく、神父を「しるし」として、神父を通して、復活者イエス・キリストに対して行うものである。
そこで人が正直に誠実に、(神父を通して働く)イエスに向き合うとき、イエスはあなたに語りかける。
『あなたの罪はゆるされた』
そして次には
『起きて歩け』
と。