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Weekly Pick UP! 2021/8/19
1. VerilyとColgate-Palmotiveが口腔環境と全身疾患との関連に関する研究を実施
Alphabetのライフサイエンス部門の子会社であるVerilyが、歯磨剤、歯ブラシを開発するColgate-Palmotiveが連携して、口腔衛生に焦点を当てた臨床試験を実施しています。
口腔の健康と全身の健康の関係性を調べるための試験であり非外科的な歯周治療と家庭内での歯科衛生が全身の影響を与えるのかを試験します。家庭内での歯科衛生の確認には、Colgate-Palmotiveが販売するスマート歯ブラシ”hum”の記録が活用されます。
対象は、18歳以上の前糖尿病、2型糖尿病、心血管疾患の患者で、この臨床試験に最長18ヶ月登録されることになります。
これまでも口腔内衛生と全身疾患の関連については様々な報告があり相互に関連することは知られていましたが、この臨床試験によってより広い知見が得られることが期待されます。
出典:
mobi health news Verily, Colgate-Palmolive to conduct study on link between oral health and diabetes, cardiovascular disease
Bussiness wire Colgate-Palmolive to Leverage Verily’s Baseline Platform for Innovative Study in Oral Health Research
(サムネイル画像の引用元)
2. 米国のヘルスケアスタートアップがセキュリティの脆弱性からウェブサイトを閉鎖
ロサンゼルス全域に新型コロナウイルスの検査を提供しているヘルスケアスタートアップTotal Testing Solution(TTS)は、顧客が検査結果にアクセスするのに用いていたウェブサイトに個人情報にアクセスできる脆弱性が発見されたため、ウェブサイトを閉鎖することを発表しました。
具体的には、サイトのURLの数字を一桁増減させることで他の顧客の名前やテストの日付などの情報にアクセスできる脆弱性があり、約6万件の検査結果が漏洩されたリスクがあると報告されています。
引用:TechCrunchより
コロナ禍以降、世界各国で医療関連機関を狙ったサイバー攻撃が急増し、大きな問題となっています。患者の生死に繋がりうる医療機器やヘルスデータは、その情報価値の高さなどから攻撃の対象にされています。今後ますますサービス自体の品質だけではなく全体のセキュリティについても重点的な対策が求められそうです。
出典:
米医療系スタートアップがウェブサイト閉鎖、脆弱性で約6万件のコロナ検査結果が漏えいリスクに
コロナ禍の医療機関を狙う言語道断のサイバー攻撃が増加、対策が急務
3. DTxプラットフォームを開発するRevery / MedRhythmsが資金調達
デジタル技術を活用して治療に繋げるデジタルセラピューティックス(DTx)によるサービスを開発するReveryとMedRhythms社がそれぞれ200万ドル(2億2000万円)と2,500万ドル(27億4000万円)の資金を調達したことを発表しました。
Reveryは、ゲームと認知行動療法を組み合わせて睡眠、メンタルヘルスの治療を目指しています。スマートフォンのカジュアルゲームのコンセプトをベースとして短時間のプレイを長期間に渡って繰り返し楽しめるように設計した治療アプリの開発を目指しています。
出典:Revery社HPより
MedRhythmsは、慢性脳卒中などの神経系の損傷・疾患を持つ患者の歩行能力を測定し、改善することを目指しています。音楽が持つ脳を直接刺激して機能を改善する効果を応用して、リズミカルな聴覚刺激 (RAS)に基づいた運動系の神経回路に介入します。
詳細は同社のSCIENTIFIC APPROACH参照
引用:MedRhythms社HPより
出典:
mHealth Watch
モバイルゲームと認知行動療法を組み合わせたアプリで睡眠、メンタルヘルス問題に取り組むRevery
音楽を利用して脳卒中患者の歩行能力を改善させるMedRhythms