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Weekly Pick UP! 2021/10/8

毎週金曜日は、気になる3つのニュースを取り上げます。
今週は「テクノロジーとメンタルヘルスケアの掛け算」をテーマに選びました。

1. 脳インプラントでうつ病を大幅改善、個別化医療に期待

うつ病が発症する兆候を検出すると脳に電気刺激を与える装置を頭蓋骨内に埋め込むことで、うつ病の症状を大幅に改善できることを示す研究成果が10月4日付のNature Medicineで発表されました。

デバイス自体は、てんかんを治療するためにすでに承認されているもので、発作の前兆となる電気的パターンを検出して、脳に刺激を与え、発作を予防します。今回の研究においても原理は類似しており、うつ病に関連する脳の活動を検出し、標的の場所に電気刺激を加えて症状を緩和します。

本治療法を一般化できるか、刺激の適用が急性変化以上のものを生み出すか、実際に永続的な利益をもたらすかなど、例数を重ねて検証する必要性はありますが、従来の治療で効果のなかった患者に対する治療方法として、一つの希望になるかもしれません。

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出典:
MIT Technology review Link
Scientific American Link

2. ココロとカラダのセルフケアメガネ「JINS MEME」の新モデル登場!

2015年11月にココロとカラダを可視化する世界初のアイウエアとして発表され、大きな反響を呼んだ「JINS MEME」。フレームデザインや専用アプリの機能、サービス利用方法などが進化した新モデルが発表されました。2021年10月14日より、JINS一部店舗とJINSオンラインショップ、Amazonにて販売されます。

「JINS MEME」は、独自開発の3点式眼電位センサーと6軸モーションセンサーでココロとカラダの状態を捉え、アプリで可視化できるアイウェアです。初代モデルでは、2つのセンサーとBluetooth、バッテリーなどのメカパーツはフレームの内部に内蔵されていましたが、新モデルではそれらをすべて鼻当て部分のCOREに内蔵し、大幅な小型化とメガネと遜色ないデザイン性を実現しました。

専用アプリでは、3点式眼電位センサーが、まばたきと視線移動から活力・落ち着きなどココロの状態を、3軸方向の加速度を計る加速度センサーと角速度(回転する速度)を計測するジャイロセンサーを組み合わせた6軸モーションセンサーが体軸変化からカラダの状態を、2つのセンサーにより集中状態を捉えた結果を可視化することができます。

興味深いガジェットなのか、あるいは医療機器になりうるのか。一度手にとって体感してみたいところです。

出典:
Techable Link
JINS  LINK

3. チームが高パフォーマンスを発揮する脳活動の解明

豊橋技術科学大学は10月6日、スポーツチームなど、複数の人間が協調して「ゾーン」(集中状態)に入り、チームとして特別に高いパフォーマンスを発揮する「チームフロー」に関係する脳波と脳の領域を発見したことを発表しました。

研究では、チームフローの状態を測定するために、チームフローではない状態も再現して、これらと比較しました。被験者に2人1組で音楽ゲームをプレイしてもらい、通常のチームフローの状態、仕切りで互いの顔を見えなくしたソロフローの状態、音楽を編集してランダムな音列にしてフローになれないようにしたチームワークの状態をそれぞれ再現し、実験後、被験者に質問に答えてもらってフロー状態のレベルを評価しました。

その結果、チームフロー状態のとき、中側頭皮質でベータ波とガンマ波が増加しており、またチームフロー状態では、通常のチームワーク状態に比べて、チームメイトの脳活動がより強く同期することも明らかになりました。

「楽しさを維持しながらパフォーマンスを向上させることは、うつ病やパニック障害、不安症の発生率を低減するなど、生活の質の向上につながる可能性があります」とも話しており、スポーツに限らず、ビジネスなど、分野を超えた活用が期待されます。

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出典:
Techcrunch  Link

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