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強くて弱い不思議な生き物

四半世紀の付き合いの友人に言わせると、私は「強くて弱い不思議な生き物」なんだそうである。

なるほど、確かに。付き合いの長い友人だからこそ言える、私にぴったりのキャッチフレーズである。

弱い生き物

私は何度か人生をこけさせた。そのたびに元々持っているうつ病気質が悪化し、どんどん人から遠ざかった。

若い頃はかなり精神状態が不安定で、何度も遺書を書いたりしていた。当時タイムリーに出版された「完全自殺マニュアル」は何度も読み返した。

自分に自信が持てなくて、人と関係を築くのもへたくそで、結婚は自分とは関係のないイベントだと思い続けて今に至る。

なにより、子供を持つのは怖かった。自分の思想や遺伝子がコピーされて増殖することが恐ろしかった。

強い生き物

時代が届けてくれる新しいことが好きだった。特にパソコンを使いインターネットに親しむようになったらそれが加速した。

人と交わることが苦手なことが幸いして人を頼りにすることは少なく、なんでも自分で勉強した。インターネットの検索機能は何物にも代えがたい私の先生になった。

またSNSを通じての人間関係は、現実と違いあまり負担にはならなかったので、国内外を問わず知人が増えた。

40代から今の会社に入るまでに何度も転職をすることになるのだが、パソコンを使えることが大きく役立った。

不思議な生き物

小さなころからとにかく空気が読めなくて、人との交流がうまくできなかった。それが元でうつ病になった。

今でこそ、「ああ、発達障害があるんだな」とカテゴライズできる安心感があるが、それがわからない頃はとにかく自分が悪いのだと思い、ひたすら人が怖かった。

特にヒエラルキーやカーストを強く意識している人が得意ではなく、しばしば逆鱗に触れてびっくりすることがあり、なるべく近づかないようにしている。

強くて弱い不思議な生き物の今

いくつかの依存症と付き合いながら、できること・やりたいことを優先して、できないことについての罪悪感にはできるだけ目をつぶれるようにはなった。

今更どうすることもできない「不思議ちゃん」属性も、そろそろ自分の一部として認めてあげたいところである。

ところでキャッチフレーズの名付け親の友人とは、まだまだ付き合いが続きそうである。体育会系でアグレッシヴな彼女に私の何が刺さったのかは不明だが、細く長くお願いしたい。

若い頃の脳内テーマソング

PVが怖くて良かったんですが、youtubeから削除になったようです。



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