アラン模様を編むのにハマったことがありました。
いわゆる手芸が好きで、その時々で色々やりましたが、今やってないけどすごくハマったことがあるのは編み物。それも、繊細なレースとかでは無くて、ごっついアランニットにドはまりしたことがあります。
アランセーターってフィッシャーマンセーターとも言われていまして、発祥は、アイルランド西岸のアラン諸島で女たちによって編まれたものだそうです。
漁師さんの仕事着なので、脱脂していない羊毛を使うのです。水をはじくのですね。
模様それぞれに意味があって、大体が子孫繁栄とか、財産が増えるようにとか、暮らしが豊かになるような祈りを込めた意味があります。
そして、その家によって柄の組み合わせが決まっているのだそうです。
それはなんでかというと、ちょっと悲しい理由もあって、海の事故で亡くなってしまった漁師さんが、どこの誰であるか着ているセーターでわかるんですね…。
そんな色々な意味深いアランセーターの由来を知ったのと、パズル的な柄合わせの組み合わせの面白さ、立体的な編地の美しさに魅せられて、編み図を書いてスワッチ(試し編み)をたくさん編みました。
柄のイメージを考えて編み図に計算しながら落とし込むのですが、いざスワッチになると思っていた感じにならなかったりが多くて、手ごわかったけど、楽しかったです。
結局、セーターを編むことはできなかったですが、「生命の樹」と言うモチーフでクリスマスリースを編んだことがあります。お友達にプレゼントしましたよ。
編みながら良く思ったのは、これらの複雑な編み模様を最初に思いついた人ってすごいなぁってこと。
どんなきっかけだったんでしょうねえ。編み物自体を思いついたのもすごいけど。
本格的なアランセーターって、重たいしごっつく見えるので最近はすっかり見かけなくなりましたが、軽い糸のセーターの部分遣いや雑貨などにアラン模様のパターンを見かけることがあります。
セーター、って言ったらこの編み地模様を思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。
最近はサステナビリティでウールがあまり地球環境的に良い物じゃないのではないかと言われ始めているようです。
が、この人々の知恵が詰まった編地が消えることが無いよう、祈っています。