大学の粘土部屋(?)は一種異様な雰囲気だったんですよ。
レジンの型を取るのに「ほいく粘土」という名前の油粘土を買いました。
自分が幼児の頃に遊んだ粘土って緑色だったんですが、最近のはベージュというか、ホントに粘土色なんですねえ。
まだ開けてないですけど、パッケージを開けたら、乾燥と埃除けに粘土用のタッパーを用意しないとな。ジップロックでもいいけど。
で、この粘土の色を見てたらここ数日の冬めいた寒さも手伝って、大学時代の「粘土部屋」を思い出しました。
私が専攻していた造形学部(今は無いみたいですね)は「なんでもやる課」だったのですよね。
メインはどちらかというと美術史や色彩学・美学などのお勉強でしたが、2~3か月単位で、並行して実技の授業がアレコレあったんです。
もちろん絵画の授業もありましたが、写真や、金工、木工、版画、そして彫塑と、入門編的に色々な技法を一通り触ってきました。
「粘土部屋」に出合ったのは、彫塑の授業の時でした。
時期はですねえ、多分冬休み明けの寒い時期だったと思います。
彫塑の授業が始まる前に概要説明があったかどうか忘れましたが、ともかく作品の大きさをイメージしてそれに見合う量の粘土を取ってくるのだと、それぞれの学生がバケツを渡され、「粘土部屋」に向かったわけです。
っていうか、なに「粘土部屋」って。しかもなんで地下なの?学内で足を踏み入れたことのない薄暗い人気のない地域に入ることになり、迷いつつたどり着く「粘土部屋」。
扉を開けて、目を疑いました。
富士山の絵こそ無いけど、いきなり銭湯みたいなタイル張りの空間に、これまたタイル張りの銭湯のような風呂桶に、これでもかと無造作に詰め込まれたどてっとした粘土の山。
これ、どこから運んできたの????
という疑問もありましたが、ともかく自分が作る作品サイズに見合う量の粘土をバケツに入れて帰らないといけないわけです。
先生が「何度も往復するのは大変だから多めにとってこい」と言ったのもわかります。
粘土が足りないからって一人でこの空間に来るのは嫌。何か出そうで怖いです。
さっさと済ませて戻ろうと、粘土の山に手を突っ込むと、冷たい!!!!そして硬くて重い!!!!
来る前のイメージでは5分でホイホイ、でしたが、粘土の硬さで酷く苦労して2時間の授業時間の間に終わるか不安になったのを覚えています。
「粘土部屋」のインパクトで肝心の彫塑の記憶がほとんどない^^;
むちゃくちゃ難しかった印象と、すごい狭い部屋にひしめいて良くあんなにデカい作品みんなで作ってたなぁ、ってこと。
作品用の台がどんなだったか忘れちゃってますが、彫塑みたいな立体って、始終あらゆる角度をチェックしないといけないから、回転する台で作業すると思うんですが、それを使った記憶が無く。
あの狭い部屋で、自分のほうが作品の周りをまわっていたのかなぁ。
そんな大変だったら覚えていそうですが、全く記憶にないのは「粘土部屋」のインパクトのせいでしょうねえ。
私が卒業後、数年したら大学が移転したんですが、真っ先に「粘土部屋」の引っ越しが心配になったぐらい、思い出深い粘土部屋でした。