香港カップ 2019 出走予定馬:ウインブライト&松岡騎手想定
第33回 香港カップ(GI)出走予定馬展望
日程:2019年12月8日(日)
コース:シャティン芝2000m
予想用・出走予定馬一覧
ウインブライト(松岡騎手想定)
今年の春のクイーンエリザベス2世カップで鮮やかに内から抜け出したウインブライトが香港カップに出走予定だ。アーモンドアイの回避で一気に混戦模様とかしたなか、日の丸を背負って春の再現を果たすことができるか。
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ひとまずシャティン適性に関して言えば3走前のクイーンエリザベス2世Cで示せているとは思うし、エグザルタントやリスグラシューが相手だったわけで、これそのものは高く評価していいだろう。混戦模様の今回、力を考えればやはり中心を担うだけのものは見せている。後はここ2走の内容が良くないのをどう考えるか。超高速東京は難しいにしても、オールカマーであそこまで駄目だったからね。秋の天皇賞でいくらかマシになったとは思うが、どこまで状態面を上げてきているか。
クイーンエリザベス2世C(GI)1着
シャティン芝2000m良 13頭1番枠
1:58.81 59.91-58.90 M
24.96-23.07-23.76-23.42-23.60
まずは3走前のクイーンエリザベス2世Cから当然振り返りたい。今回と同じシャティンの2000m戦でペースは1秒程度のスローだが、これは計測を日本式に1秒ほど補正して大体58.9-58.9ぐらい。まあひとまず平均ペースだったのは確かだと思う。ラップ推移的にはL4-3区間が最速なので3~4角での立ち回りも問われた。後半は恐らく11秒半ば~後半を連続するような感じになっているのかなと。
1番枠から五分には出たという感じ、そこから内枠を利して無理なく中団の内を確保する。2角過ぎで前にスペースを確保しながらコントロールしつつ、徐々に前を詰めて3列目で向こう正面。そのまま前にパキスタンスターを置いて3角。3~4角でも3列目の内で我慢、そのまま4角で仕掛けを待って直線。序盤で3列目から進路を中目確保して2列目に加わってくる。L1でしぶとく抜け出し外から伸びてきたエグザルタント、リスグラシューの叩き合いの一列前でしっかりと抜け出し松岡のガッツポーズ。
まあ恵まれた面はあるにせよ、リスグラシューやエグザルタントといった流れた中で強い馬たちを相手にしっかりとL1まで寄せ付けず踏ん張ってきたからね。前半の基礎スピードと後半のポテンシャルのバランスを高いレベルで見せてきた結果だと思う。もちろん3~4角でロスなく進められたのは大きかったし、直線でも進路が割と楽に開けた。最短距離を1~4角全てで通せていて全体で流れていた。この辺を踏まえると、完璧に恵まれて外から強い競馬だったエグザルタントやリスグラには1列前。噛み合いきらなければ当然簡単ではないなと。ただこの2頭は今回出ないわけだし、4着のグロリアスフォーエヴァーの後ろを狙って直線でしっかりと捕えて2馬身ほどはつけている。グロリアスフォーエヴァーとの比較なら普通に強かったと見ていい。
オールカマー(GII)9着
中山芝外2200m良 10頭7枠7番
2:12.0(+1.5) 61.8-58.0 S^4
12.6 - 11.2 - 12.8 - 12.6 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 11.2 - 11.0 - 11.8
オールカマーでは香港遠征明けの影響もあったと思うが想像以上に駄目だった。ペースは3.8で超超スローとかなり遅く、L2最速で11.0。もちろんこんな競馬でどうのこうのと言う馬ではないので負けた事自体はさほど問題ないが、やはり負け方の問題。
7番枠からまずまずのスタート、そこからコントロールしながら2列目の外目で進めていく。道中も前に壁を置いて折り合いを意識し4番手。特にペースも上がってこない中で動かず3角。3角で流石に手が動いていたが全然動けず加速についていけない。4角で鞭も入って3列目で直線。序盤で3馬身ほど差があったが後退していく一方、良いところはまったくなく9着惨敗。
まあ前述している通りで前半がここまで緩く、超超高速中山でここまで速いラップを要求されてどうこう、という馬ではそもそもないというのはある。とはいえ、流石にここまで崩れたのは想定外で、ドスローの決め手勝負とはいえ加速も出来ず、直線での失速も酷かった。これはやはり大きな不安材料ではあったし、内容的に褒められる要素は何一つないからね…。
天皇賞秋(GI)8着
東京芝2000m良 16頭8枠15番
1:57.3(+1.1) 59.0-57.2 S^2
12.8 - 11.4 - 11.5 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 11.3 - 11.1 - 11.3 - 11.9
天皇賞秋では8着、着順もだが内容的にもいくらかは良化してきたと思う。ここは上位がかなり強かったし、超超高速馬場での後半のロングスプリント戦、という中で大外に近いところから終始ロスもあったし、オールカマーと比べると随分パフォーマンスは戻してきたと思う。もともとこういう競馬では難しいというのは確かだったと思うし、この内容なら次に繋がるかなと。
15番枠からまずまずのスタートだが大外枠でなかなか切り込みきれず、好位の外目で進めざるを得ない。向こう正面以降は淡々と11秒台半ばを刻む流れで好位の中目から徐々に下げて中段付近で3角。3~4角でも中団の中目で少しロスがあってという中でダノンプレミアムの後ろを狙って直線。序盤で追い出されるがここで切れ負けして置かれてしまう。しかしL2以降はジリジリと食らいついて大きくはバテずになだれ込んできた。
まあもちろん完敗なんだけど、超高速府中だとこの流れですら緩くて直線でもう一段鋭く速いラップを要求されている。11.1まで上がってしまうとこの馬としては質的に足りない、というのが出てしまうのでこの敗戦も仕方がないだろうと。オールカマーと違ったのは置かれた地点では下がってもそこから大きくは失速しなかったし、相手関係を考えても強敵が揃っていた中でのものだからね。適性が合わなかった中でこの馬の競馬は出来たという点では、叩いて良化してきたしいくらか状態面での不安は払拭できそうかなと。
香港カップ2019への展望
個人的には状態面は前走の天皇賞秋でいくらかは上昇したと思うし、そこから1ヶ月半ほどあったので更に、という可能性は十分にある。ただし、今回は展開が鍵になりそうだなと。これと言って引っ張る馬がいないメンバー構成で、このメンツなら恐らくタイムワープの逃げになると思うが、そうなるとさほどペースは上がってこないだろうと。そうなったときに、ウイントしてはゆるい流れから3~4角で上がりきらず直線で鋭くトップスピードの質を求められたときに戦えるのかどうか?というのが当然鍵になる。
ここ2走ほど軽い馬場状態というのはシャティンではまず考えられないのでその点はプラスだが、仮にペースが落ちてしまうと香港税でも面白い馬は少なくないし、マジックワンドなんかもある程度浮上してくる可能性もある。今回はウインに頑張って欲しい面もあるが、スローの流れで直線鋭く脚を引き出せる馬を探すのが予想的にはベターかなと感じている。現時点では押さえるかどうか…という感じかな。
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