マイルチャンピオンシップ 2019 出走予定馬:レイエンダ&ルメール騎手確定
第36回 マイルチャンピオンシップ(GI)出走予定馬展望
日程:2019年11月17日(日)
コース:京都芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
レイエンダ(ルメール騎手想定)
期待されていた素質馬がようやく開花か?富士ステークスでも2着と強烈な末脚を引き出したレイエンダがマイルチャンピオンシップに出走予定だ。エプソムカップではドスローで先行策が噛み合い嵌った感もあったが、末脚を引き出す形で前走は目立つ競馬。ライバルは揃ったが、兄に続いてGI馬へと成長を遂げたい。
※この記事はブログ・note無料公開対象です。
まあ正直なところマイルだと前走の富士Sみたいなパターンで決め手を引き出すのが表の顔と見ていいと思う。実際エプソムCは逃げ馬がいない中でたまたま悪くないスタートから良い位置を取れちゃったパターンであれは望まないほうがいい。後ろからの前提で進めたときに、この馬の決め手が嵌るかどうか…という観点で見るべきで、安田記念のロングスプリントのパターンよりは紛れが生じやすいマイルCSの方が適性的にはチャンスはあると思う。後はこの馬がどこまでの能力を持っているのか?という一点に尽きる。
エプソムC(GIII)1着
東京芝1800m稍 13頭6枠9番
1:49.1 51.3-45.2 S^6
13.5 - 12.2 - 12.7 - 12.9 - 12.6 - 12.3 - 11.0 - 10.8 - 11.1
3走前のエプソムCからだが、正直これをそのまま評価するのは危険。かなり特殊な競馬で稍重ではあったが馬場よりも騎手の意識が極端に下がったのと何より明確な逃げ馬不在で気が付けば楽に前を取れたというのが前提としてある。ペースは見ての通り、ラップも見ての通りという他なく、L2最速で10.8とトップスピードの質勝負となったし位置取りが悪いとどうにもならなかった。また馬場も内が苦しい中で前目で良いところを選択できたのも大きいし何かと嵌った面が強い一戦。
9番枠からまずまずのスタートを切ってそこから様子を見ながらだが誰も行きたがらないので気が付けばサラキアが押し出されて、それを見ながらの番手と絶好位。そのままペースをドスローに支配する形となって3角。3~4角でじわっとペースは上がるがそれでも12秒台、手が軽く動いて2列目で直線。序盤で先頭のサラキアに対してはまださほど差が詰まらないが、L2で伸びてここで先頭に立つ。そのままラストまでしぶとく伸びてサラキアとは3/4馬身広げての完勝。
まあ嵌ったのはドスローで良い位置、3~4角で外でも問題なくラップが遅い、直線で究極のラップを馬場の良いところを通せたという点でかなり大きかったとは思う。なのでこの一戦の着順をそのまま考えるのはかなり危険ではあると。ただし、言えることはこの日は雨が相当降っていて稍重で回復していたといっても江の島特別~や1勝クラスのマイル戦を見る限りではやや高速~標準ぐらいの馬場ではあったと。エプソムCのレース前ぐらいから雨も降っていたので恐らく馬場そのものはある程度は影響があった(もちろんベースに超高速馬場があって雨で悪化という程度だが)。そういった馬場でもトップスピードの質を高めてきているという点で今の京都でも馬場は対応できそうかなというのはある。基本的には後半型の馬なのは間違いないし、まともな流れでここまでポジションは取れないが、中団~後方で脚を温存して脚を引き出す形が取れれば、というイメージで良いと思う。
富士S(GIII)2着
東京芝1600m良 18頭5枠9番
1:33.1(+0.1) 47.0-46.0 S^1
12.2 - 10.9 - 11.9 - 12.0 - 11.9 - 11.3 - 11.1 - 11.7
前哨戦の富士Sでは後方から鋭く末脚を伸ばして2着と割とこの馬の表の顔で競馬してきたかなという感じ。そもそもゲートが安定していいタイプでは無いし、ある程度現実的に流れればこんなもんだとは思う。ペースはややスローで12秒前後から直線勝負でL2最速11.1。稍重で流石に極端な高速馬場状態ではなかった。やや高速ぐらいかな。
9番枠から出負けして後方からの競馬、促しつつもやはりリカバーは難しく後方で進めていく。道中は無理せずに後方2列目ぐらいで外を回して3角。3~4角でもペースが上がってこない中で後方外からノームコアの後ろを通して直線。序盤でノームコアの後ろで風よけしつつL2で外に出して追い出されると徐々に伸びて中団列。L1でノームコアを追い続けるが差は詰まらずそれでも2着は確保した。
内容的にはノームコアに完敗でこれをどの程度評価するかだが、レッドオルガを外から競り落としたのは一定の評価、というところかな。かなり緩い流れだったしその中で外から後半型の競馬が求められた。そこで素材面の良さを見せてきたというのはあるし、その点での評価は必要だろうと。ただ、やはり本来このレベルのマイル戦でポジションを取れる馬ではないし、これぐらいの出負け、後方からというのは覚悟しないといけない馬ではある。緩い流れだったし直線の段階でノームコアを目標にできたのも良かったが、相手関係も少し恵まれた面はある。今回はかなり強敵が揃ったからね。
東京新聞杯(GIII)8着
東京芝1600m良 15頭8枠15番
1:32.5(+0.6) 45.7-46.2 M
12.3 - 10.9 - 11.3 - 11.2 - 11.5 - 11.3 - 11.5 - 11.9
5走前の東京新聞杯が割と東京マイルらしい流れになった中で弱点を露呈させていたかなと。ペースは平均で前半は45に入っているように質の高い基礎スピードを問われたし、L4で11.5と若干緩んだという程度でほぼほぼ淡々とした流れ。こうなると全体の競馬になってしまってロスなく立ち回って末脚を引き出しても届かん…となってしまうと。
15番枠から出負けして二の足も遅く最後方に下がる。道中も前が淡々と引っ張る流れで最後方の内内で進める。3~4角でもかなり縦長で進むのだが最後方で進めざるを得ず、最短距離を通して直線に入る。序盤で追われて前に大量のスペースがあるので後は追うだけという感じ。最後までそれなりに伸びていてこの馬の脚は使って上がり最速だが届くわけがない、という競馬。
ラストの伸び自体は良かったし、この流れで脚を温存せざるを得ない競馬、3~4角で最内を立ち回った分はあるがこの脚そのものは評価していい。ただし、言うまでもないが府中のマイルで淡々と進められて先頭との差がここまであると物理的に差すのは無理。差し切るには上がり32.2が必要だったわけで、この時の馬場(それでも顕著に高速状態だが極端というほどではない)だとあの位置ではアーモンドアイですら微妙だったと思う。そういう競馬になってしまうリスクがあるのがこの馬の致命的な弱点。ゲート・二の足が遅いし追走に脚を使うとやはりちょっと甘くなるからね。
マイルチャンピオンシップ2019への展望
安田記念の舞台なら恐らくどうなっても難しいかなと思っているが、マイルチャンピオンシップだと嵌る可能性が若干だが出てくる。前半が速く中盤が緩く、というパターンがマイルCSでは起こりやすく、例えば昨年のような感じになった時に後方から中弛みで外からしぶとくというカツジのパターンはあり得ると。ただ、内から捌くとなると流石に後方からではむずかしく、昨年で言うステルヴィオやペルシアンぐらいの位置が欲しいので、この馬のゲート、二の足でとなると内枠で良い位置をというのは簡単ではないかな。まあかみ合い切るなら内枠でゲートを上手く出て中団、まで取れればという感じ。今回はそういうケースもあり得るのでちょっと怖さはあるんだよね。
ただ、今回は中距離型でセンスのある馬が非常に多く、それらとの比較としてみたときに現実的に狙えるかどうか。ダブルダノンは恐らく自身より前を取ってくるだろうし(キングリーは前走の出遅れが気にはなるが)、アルアインも前を取れるだろう。これらより前をというのは正直現実的とは言えないし、それより後ろで考えてもグァンチャーレやクリノガウディー辺りとの比較になってくる。内目で上手くというのは難しいと思うので、昨年のような中弛みで嵌れば…というラインで考えたい。後はそのパターンが来るかどうかにオッズとして期待値がどの程度見込めるか?という判断で考えたいかな。正直ルメールが乗った時点で穴人気は確実にしちゃうと思うし、でも展開が嵌らんことには…だし、切りたい気持ちの方が強いのはやまやま。怖さはあるけどね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?