有馬記念 2019 出走予定馬:ワールドプレミア&武豊騎手想定
第64回 有馬記念(GI)出走予定馬展望
日程:2019年12月22日(日)
コース:中山芝内2500m
予想用・出走予定馬一覧
ワールドプレミア(武豊騎手想定)
菊花賞では中団内から鮮やかに抜け出し待望のクラシック制覇を果たしたワールドプレミアが武豊とのコンビで有馬記念に出走予定だ。兄ワールドエースが成し遂げられなかったクラシックを制したが、もちろん名馬への第一歩としたいところ。強敵がずらりと揃った超豪華メンバーのグランプリでもう一段上のステージに上がれるか。
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菊花賞はこれまで難しかったポジショニングを改善してきたこともあるし、展開的にかみ合った面もある。それでもヴェロックスを撃破できているのは成長といっていい。後は相手関係だが…。
菊花賞(GI)1着
京都芝外3000m良 18頭3枠5番
3:06.0 62.4-63.9-60.7 S^2
12.9 - 12.4 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.4
まずは前走の菊花賞から振り返りたい。当時は良でも雨の影響が結構残っていて高速ではなく標準馬場ぐらい。ペースは前後半で見てかなりのスロー、中盤も特に大きく緩んだというほどではないが前半よりも遅い。なので基本的にはスローからの後半の4F戦でポテンシャル勝負とみていいだろうと。
5番枠からまずまずのスタートを切ってそこから様子を見ながら、ただ下げすぎずに3列目の内のスペースに上手く入り込む。道中も3列目の内で我慢して、前にユニコーンライオンを見ながら2周目。向こう正面でも特にレース全体の動きもなく、上手く3列目の内で我慢しながら3角。3角で前のユニコーンライオンが下がってきたのでこれを外から交わして再び最内を通して2列目の内から直線。序盤でスッと進路を取って先頭に立つ。L1で外からくるサトノルークス殿の勝負になるがこれをクビ差で退けての勝利。
これは結構驚いたかな。まず思った以上にいいスタートを切ってあの位置に収まったこと。3列目でロスなく終始立ち回れたというのは大きかったし、折り合い面も序盤は少し苦労していたところもあったがしっかりとコントロールして最後まで脚を温存できるポジションをキープできた。またある程度力の要る馬場で分散する形になっても最後まで衰えなかったし、勝ちに来たとはいえヴェロックスとの比較で見てもラストは余力が十分にあった。まあ、サトノルークスやディバインフォースあたりがそこそこやれてしまっているというレースレベルをどう評価するのか?というのは当然一つのカギにはなってくると。時計も平凡ではあり、ラップ推移的にも後半勝負とはいえ後半のラップ的にはそこまで目立つものではなかった。
神戸新聞杯(GII)3着
阪神芝外2400m良 8頭8枠8番
2:27.5(+0.7) 63.4-56.6 S^7
12.9 - 11.3 - 12.9 - 13.1 - 13.2 - 13.5 - 13.3 - 12.5 - 11.8 - 10.8 - 10.2 - 11.3
2走前の神戸新聞杯では3着と権利を取る競馬にこだわった感じはあったかな。ペースは見ての通りで酷いドスロー、L2最速で10.2と究極レベルのトップスピードの質が要求された、3F勝負。
8番枠から出負けして後方から、無理はせずに後方2番手ぐらいで入って進めていく。道中も全くペースが上がらず13秒台が続くドスローを後方2番手のまま進めて3角。3~4角でも後方2番手から促しながら追走して直線で外。序盤で追い出されるがここでの伸びは地味でジリジリ。ただL2の途中で伸び始めてL1では明確に伸びて前のヴェロックスとの差は詰めての3着。
まあサートゥルナーリアとの比較ではさすがに難しいけど、後方からしっかりとトップスピードに乗ってラストはTS持続力でヴェロックスとの差を明確に詰めることができているのは好感かな。L1ではヴェロックスとの差は普通に3馬身近くあったと思うし、ここだけで1馬身1/4差まで詰めてきたからね。ドスローの流れで後ろ過ぎたというのはあるけど、これである程度トップスピード戦にめどを立てられたというのは良い材料かな。流石に上がり最速は馬場が軽すぎて眉唾ものだけど。ヴェロックスでも32.5を出しているからね。
若葉S(L)2着
阪神芝内2000m良 10頭4枠4番
2:02.6(+0.5) 62.2-59.9 S^2
12.5 - 11.5 - 12.9 - 12.8 - 12.5 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 11.6 - 12.2
3走前の若葉Sではヴェロックスに完敗だった。とはいえ上半期のもので、当然だが成長を遂げる前の一戦ではあった。ペースはかなりのスローからの後半は3F勝負。最速ラップは11.6なのであまり速い脚を要求されない、ポテンシャル戦に近い競馬だったかな。
4番枠から五分のスタートを切って各馬の様子を見ながらだが少し窮屈になってそこからスーッと下がっていった。そのまま後方で進めて向こう正面でも後方外目から3角に入る。3~4角でペースがじわっと上がっていく中で中団の外外とロスを作りながら追走、少し置かれて後方気味で直線。序盤でジリジリと伸びるがまだ3番手争い。L1でしぶとく伸びて2番手は楽に確保したがヴェロックスには3馬身離されての完敗。
ゲートは悪くはなかったが、そこから様子を見ているうちに下がりながら、途中で狭くなって後方になってしまった。距離を意識してのことというのもあるが、後ろから暴力的に末脚を発揮してくるというタイプではないのでやはりある程度良い位置を狙わないとというのは感じるかな。もちろん菊花賞では距離も延びたことで追走が楽になったという面もあると思う。その点では今回の有馬記念で前半はいくらか速くなる可能性が高くなるし、その中でどういうポジションを取ってくるのか?というのが大きなポイントかな。それとここ3走共通して言えるのはラストまで踏ん張れるのが強みの一つ、という点かな。ここもL1まで明確に伸びていて、逆に加速過程での反応の鈍さが出ていた印象。
有馬記念2019への展望
菊花賞がベストバウトなのは疑う余地もないだろう。ただ、その流れとしてみるとスローからの後半の4F戦でポテンシャル勝負という流れだった。L2の地点で既に2列目の位置からスッと進路を取って抜け出してきたが、それでも自身のラップは推定で11.6~11.7ぐらいまでで速いとまでは言えない。有馬記念だと5F戦からさらにL2でもう一段というパターンもある。スローならば当然L2で速いラップを求められる可能性が高くなるので、そこで置かれないかどうかがまず一つの不安。
仮にペースが上がれば後半そこまで速いラップを要求されない可能性が高いが、そうなると今度は前半のポジショニングがそこまで楽ではない、となる。この馬の場合菊花賞は強かったけども、最終的にはL2の地点で2列目と絶好の位置を確保できていたというのも大きい。今回は先行勢が手ごわいわけで、流れた中で良い位置を取るとなると簡単ではないだろう。どちらに転んでも今回のメンバー構成ではワンパンチ足りないかな…とは思っている。ただし、3歳勢の秋の成長度合いという点で判断すれば一番の馬。充実期にあるし、菊花賞から立て直して間隔をあけての有馬記念。しがらきでしっかりと調整をされてくると思うし、その点でもちょっと怖さはあるかな。最終的には枠順の兼ね合い、展開次第でというところだが馬券的にはひとまず×ぐらいでひっかけるかどうかのラインにとりあえず置いておきたい。神戸新聞杯でもスパッとは切れなかったが速いラップを維持できているし、成長の可能性は考えないといけないからね。
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