函館記念 2021 出走予定馬:レッドジェニアル&坂井瑠騎手想定

第57回 函館記念(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年7月18日(日)
コース:函館芝2000m

予想用・出走予定馬一

函館記念2021の予想用・出走予定馬一覧

レッドジェニアル(坂井瑠騎手想定)

 一昨年の京都新聞杯を制して以来実に2年以上勝利から見放されているレッドジェニアルが函館記念に出走予定だ。3走前の鳴尾記念では強敵相手に3着に食い込むなどまだまだやれるところは見せている。混戦模様のこの一戦で自分の力を取り戻し、時の流れに踏みとどまりたい。

 ん~…鳴尾記念は悪くなかったけど、あの時点でのラヴズはまだ復調途上だったと思うんだよね。それと、地味に2000は若干短いタイプだと思っているのでそのあたりが追い込みが利きづらい函館記念の傾向的にも…というのはある。

鳴尾記念(GIII)3着

阪神芝内2000m良 16頭4枠8番
風向き:北2.9m/s(豊中市15:40)
2:00.2(+0.1) 60.0-60.1 M
12.2 - 11.0 - 12.8 - 12.2 - 11.8 - 12.2 - 11.6 - 11.7 - 12.1 - 12.5

 3走前の鳴尾記念3着が直近のベストなのでこれを振り返りたい。阪神の2000m戦で良馬場だがこの時の6月阪神内回りは時計が掛かっていて重賞でも2分を切れていない。ペースは平均で進んでいて少し波をうってはいるもののL4最速で11.6という程度からのL1で12.5と消耗。最後にそこそこ差し込んだが前半で温存して前が落ちてきたところをという感じ。風は北からなので3~4角中間が追い風。

 8番枠から出負けして後方からの競馬となってしまう。そこから押しながら流れに食らいついていくがそれでも後方内内。道中も割と馬群が一段で凝縮する流れとなっていたが後方2列目の内内で足を温存し3角に入る。3~4角でも最短距離に近い形で通して出口で中目から直線。序盤で少し待たされたが一気にスペースが広がったのでそこを追い出し伸びてきて好位列。L1で3番手に上がると前2頭に内から食らいつくが半列遅れての3着。

 4着以下は2馬身半離しているし、上手くロスなく運んできたと言っても直線での伸びだけなら上位2頭を凌駕するものを見せてきた。馬場が重くてペースが平均と言っても60-60程度。これで前半追走に苦労しつつでも前も落としてくれたし3~4角を完璧に近い形で運んだ分の貯金があったかなという感じ。個人的には2000だとちょっと忙しいなというのは感じる内容で、かなり時計が掛かったのでそこで追走力不足を前が落とすことで解消してきた印象だから今の函館でもここまで時計はかからないだろうしなあ…という見方になってしまうかな。やはりゲートと二の足の遅さはリスクとして考えないといけないと思う。

宝塚記念(GI)10着

阪神芝内2200m稍 18頭4枠8番
風向き:西1.0m/s(豊中市15:40)
2:16.7(+3.2) 60.0-61.1 h^1
12.3 - 10.9 - 11.4 - 12.7 - 12.7 - 12.4 - 12.4 - 12.4 - 11.9 - 12.1 - 12.3

 2走前、昨年の宝塚記念では10着と強敵相手に勝負にはならなかった。まあこういうタフな馬場でのパワー型基礎スピード特化戦では難しいとは思ったけど、前半から入れてしまってむしろ追走で足を使ってしまったパターンだと思う。ややハイで収まっているけど、何度もここで触れているようにクロノがぶっちぎったものだから実際はもっと顕著に前半のパワー型基礎スピードを求められている。風は誤差の範囲。

 8番枠から五分のスタート、そこから割と積極的に促しつつ流れに乗って、最終的には中団馬群の中目で進めていく。道中も中団の中目でスティッフェリオの後ろぐらいを通しながら3角。3~4角でも中団馬群の中目で食らいつきつつだが4角あたりで徐々に手応え苦しくなって鞭も入って一気に追われるものの食らいつくのが精いっぱい。直線早々に手応え苦しくジリジリ後退して10着完敗。

 まあ他にもっとばてた馬がいたから10着という点ではそこまで失速しているわけではない。ただ3着のモズベッロ辺りとの比較でみてもかなり離されているのは間違いないわけで、こういう競馬ではちょっと厳しいなというのは感じたかな。阪神2200m戦は下り坂スタートになるので意外と序盤から流れに乗れたのもそのあたりがあったかもしれない。ただ逆に言えば乗れちゃったのでこの激流で足を使ってしまったという感覚なんだよね。4角でもう一杯一杯。鳴尾記念の時は平均ペースを後方で温存することで自身ではスローバランスから後半のポテンシャルを引き出してきた形になると思うが、ここではこの流れに余力を残すことができなかったパターンだろうと。まあ相手も強かったし仕方がないけど、個人的にはどちらかというと後半型のポテンシャルを引き出す方が良いと思う。

大阪城S(L)9着

阪神芝外1800m良 16頭3枠6番
風向き:東3.6m/s(豊中市15:40)
1:46.7(+0.6) 47.8-46.0 S^2
12.7 - 11.3 - 11.7 - 12.1 - 12.3 - 11.9 - 11.3 - 11.0 - 11.8

 前走の大阪城Sではワンターンの阪神1800で後方からジリジリという感じ。ペースもかなりのスローから3F勝負に近い感じでL2最速11.0。トップスピード戦で特に目立たず。風は東からなのでHSで追い風に近い。

 6番枠から出負けして後方から、押してリカバーして後方馬群の内目に入れていく形になる。道中もコントロールしつつ後方馬群の中目で我慢して3角まで特に変わらず。3~4角でもさほどペースが上がらない中で我慢、4角出口まで手綱を引っ張って進路確保に苦しみ直線。序盤でもまだ確保しきれずに外への誘導。ラストもじりじりと伸びずばてずでなだれ込むだけの9着完敗。

 まあゲートであそこまで遅れると流石にこの距離でペースをコントロールされるとこうなってしまうわな…という感じ。リカバーする足はそこまで悪くなかったが、入りが遅すぎたので隊列が決まってスペースも広がらなかったし、4角まで大きな動きもないから前が動いてからの進路取りではどうにもならない。休み明けの影響もあったかもしれないが、ゲートで遅れてしまうとなかな難しいし、これまでの競馬からもトップスピード戦やロングスプリントではちょっと足りない。まあ函館記念だとそういう競馬になる可能性は低いけど。

函館記念2021への展望

 現時点では何とも言い難いかな。鳴尾記念のパフォーマンスだけ引き出せれば通用してもいいけど、あの時は時計もかなりかかっていたし、その中で上手く3~4角で足を温存しながらポテンシャル戦でラストまで差し込んできた。まあ復調途上のラヴズとかが相手だったとはいえ、ああいう競馬でしっかりと長く脚を使ってきているので基本的には後半の有酸素運動型、ポテンシャルタイプの馬だと思う。一方で宝塚記念では相手も手強かったとはいえタフな馬場の前半の有酸素運動型、パワー型基礎スピード戦で消耗してしまっている。

 あまり前半からペースが上がってしまうと質的にも足りない時が多いし、ついていけたとしてもバランス的に消耗して甘くなっているのでそのあたりはペースが上がる可能性が高い函館記念の傾向として微妙かな?というところ。スローなら選択肢に入ってくる…という感じで見ている。内枠でも引いて中団内目で足を温存、ペースもそこまで上がらず59後半-59後半ぐらいの平均で自身でスローで運べれば。ただ傾向的に考えても今回のメンバー構成を見ても、正直そこそこ流れると思うので条件がそろっての押さえまでで考えたいところかな。

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