アンタレスステークス 2020 出走予定馬:クリンチャー&石橋脩騎手想定
第25回 アンタレスステークス(GIII)出走予定馬展望
日程:2020年4月19日(日)
コース:阪神ダ1800m
予想用・出走予定馬一覧
クリンチャー(石橋脩騎手想定)
仁川ステークス、マーチステークスとダート路線で2戦連続2着と完全に転向に成功したクリンチャーがアンタレスステークスに出走予定だ。前走のマーチステークスでは強敵スワーヴアラミスとの戦いでクビ差及ばなかったがインパクトは十分。道悪への適性も求められるが、勝利をつかみ取れるか。
※この記事はnote,ブログ無料公開対象です。
前走のマーチSがかなり強かったし、ダート路線の適性の高さは間違いないところだと思う。今回は高速ダートを想定しているので、前半の入り方が重要になるかな。マーチSは強かったが自身では明確に後傾バランスで、ポテンシャル特化で良さが出たからね。
仁川S(L)2着
阪神ダ2000m稍 15頭2枠4番
2:04.2(+0.1) 61.3-62.8 H^1
12.6 - 11.1 - 11.4 - 13.4 - 12.8 - 12.4 - 12.5 - 12.4 - 12.4 - 13.1
仁川Sから振り返りたい。阪神2000m戦で芝スタート、1~2角で少し緩んでいて向こう正面で加速しながらという競馬。後半は12秒台半ばを維持する形からL1は13.1と失速した。前半の基礎スピードを求められた一戦で、後半は消耗気味だったと。
4番枠からまずまずのスタートを切っていたが押されつつも前には行けずに中団の内目。道中も中団から少し下げて後方の内目で我慢しつつ3角へ。3~4角でも馬群の中目を通しながら中団で直線。序盤で追われつつだが反応は地味。それでもジリジリと伸びて3列目から最後にぐんときて抜け出したヒストリーメイカーに半馬身差まで詰めたが2着。
ん~正直この仁川Sはそこまで高いパフォーマンスとまでは思わなかった。初ダートで包まれてキックバックを受けつつもしっかりと走れたというのは良いし、L1までばてずに伸びてきたという点で基礎スピード面でクリアして後半のポテンシャルを引き出せたという点で収穫も多かった。ただ、やはり阪神2000としては走破時計は普通だったし、ペースを考えるともう少し時計が欲しかったというのはある。また後半ラップもさほど目立たなかったし、雨が降っていて稍重で脚抜きが良かったことを考えると正直地味ではあった。まあこの時期の阪神だったのでベースは少し時計が掛かっていたというのもあったかもしれないけどね。
マーチS(GIII)2着
中山ダ1800m稍 16頭1枠2番
1:51.3(+0.0) 49.8-49.3 M
12.6 - 11.7 - 12.7 - 12.8 - 12.2 - 11.8 - 12.4 - 12.3 - 12.8
マーチSでは2着でもかなり強い競馬でのもの。ペースは平均程度で収まっているが、向こう正面でペースが上がって最速はL4の3角前後。ここからのロンスパで外から正攻法で押し上げて先行策のスワーヴアラミスに肉薄してきたからね。
2番枠から好発を切っていたが少しつんのめる感じになって二の足がいまいち、後方に下がる。道中も後方4番手ぐらいで進めて我慢の展開、向こう正面でペースが上がったところで外から勢いをつける。3角最速地点でスーッと一気に押し上げていって4角ではもう3列目まで上がって直線。序盤で3番手に上がり前を追いかける。L1でスワーヴアラミスに並びかけてねじ伏せたいところからが詰まらず、最後はスワーヴに粘り込まれた。
ここはかなりインパクトがあって、個人的には後半型の馬だと思う。L4の3角地点が最速なんだが、ここで外から動いていけたというのは相当なパフォーマンスだと思う。そしてそこから減速する過程においてもばてずに相対的に他よりいい脚を使い続けたし、L1でクビ差まで詰めてからはスワーヴに粘り込まれたけど、この競馬ができるならばダートでトップレベルの素材であることを証明してきたと思う。この一戦はかなり高く評価している。
が、敢えて言えば前半はゆったり運んで後半に猛烈なポテンシャルを発揮した形になる。パフォーマンス比較で見たときに仁川Sよりこちらの方が明確に上だと思うし、それはコマビショウ辺りとの比較で見ても明らか。あまり前半の基礎スピードを求められないほうが良いのかなというのはある。その点で比較的時計が掛かりやすい中山で全体のペースが平均程度でセーブされたからこそこのポテンシャルを引き出せたのかなと。ポテンシャルだけでなく、恐らくこのラップでと考えるとダートでのロングスプリント的ギアを使えていると思うんだよね。いずれにせよ、この後半の末脚の質量を引き出したいと思うので、前半はカギになるんじゃないかなと。
アンタレスステークス2020への展望
ここで高いレベルでやれれば恐らくダート路線の完全なる新星となると思うし、今年のダート路線はこの馬が中心の一頭になっても驚けないレベルではある。マーチSの競馬ができれば3角の下りからの勝負になりやすい京都1800~1900とかなら多分常に期待していいだろうと。ただし、今回は高速ダートになる可能性が高い。仁川Sでは芝スタートで前半が速くなり後半は消耗気味だった。こうなると後半のロングスプリントが引き出せないのでポテンシャル面だけでは少し地味だったかなというのは感じた。
マーチSのインパクトは3角地点だし、この最速地点で外から動けたロングスプリントのギアが最大の武器だと思う。前半はゆったり、後半で強めの仕掛けで動いてロングスプリントのギアに入れても最後までポテンシャルを引き出して踏ん張れる。この辺りの強みを今回どうやって活かしてくるかだろう。リアンヴェリテやベストタッチダウンがペースをある程度作って47秒台とかに入ってきたときには恐らく質的に前半で追走するのも難しくなると思うし、その点を踏まえても今回は少しリスクがある。3角からの勝負になりやすい京都とか船橋とかで良馬場なら恐らく現役でもトップレベルの可能性が高いと思っているが、この条件は微妙に不安。今回の強力なメンバー構成を踏まえると今回は少し様子を見たいところかな。馬自体の能力の高さは確かだと思うんだけどね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?