神戸新聞杯 2021 出走予定馬:ワンダフルタウン&和田竜騎手想定

第69回 神戸新聞杯(GII)出走予定馬展望

日程:2021年9月26日(日)
コース:中京芝2200m

予想用・出走予定馬一覧

神戸新聞杯2021の予想用・出走予定馬一覧

ワンダフルタウン(和田竜騎手想定)

 ダービートライアルの青葉賞ではキングストンボーイとの叩き合いを制して2つ目の重賞制覇を果たしたワンダフルタウンが神戸新聞杯に出走予定だ。本番の日本ダービーでは果敢に勝負に行く形になったものの上位とは水をあけられる10着と完敗。スパッと切れないだけに、持ち前のしぶとさを活かした走りで活路を拓きたい。

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 結局ダービーは後半型過ぎたのかなという感じ。あそこまで質的に高いレベルのものを求められるとちょっと厳しかった。今の中京は高速馬場だけど適度な状況だし、その中で青葉賞のような競馬ができれば面白いが、分散しても手強い馬はいるのでここが正念場。

青葉賞(GII)1着

東京芝2400m良 18頭1枠2番
風向き:南6.1m/s(府中市15:50)
2:25.2 60.5-59.4 S^1
12.5 - 10.6 - 12.1 - 12.8 - 12.5 - 12.6 - 12.7 - 12.5 - 12.1 - 11.6 - 11.3 - 11.9

 まずはキングストンボーイとの接戦を制した青葉賞から振り返りたい。東京の2400m戦でペースはややスローという程度。ただ中弛みが顕著で12秒台半ば~後半を続けての直線での加速。L2最速で11.3という程度だしそこまでトップスピードの質を求められていない一戦。風は南からなので3~4角中間地点が完全追い風。

 2番枠から好発を決めていて、そこから無理せずに控えて外の各馬を行かせながら好位。序盤は縦長で、少し前5頭から離れた6番手というところで進めつつ、徐々に前との差が詰まってこの5頭に取り付いて3角に入る感じ。3~4角でも3列目の内ぐらいで進めていたが、4角で一つ外に出して2列目の後ろから直線で外に出す。序盤でアオイジョーの外からしぶとく伸びてここで先頭列だが内から伸びてきたキングストンボーイも食い下がってくる。L1でこの2頭のマッチレースだったが何とかこれを退けての勝利となった。

 京都2歳Sを勝ってから少し順調さを欠いていたのでその辺がどうか?というのをある程度払拭した一戦と言えるのかなと。キングストンボーイとの叩き合いでしっかりと競り落としてきたが、やはり一番は総合的な良さを引き出したところと言える。ゲート良くコントロールして好位の内を確保できたし、ペースも遅かったとはいえ入りの3Fは35.2だから決して遅くはないからね。もちろんこの馬自身では36.5でコントロールしてはいるが、最序盤で無理なく運んであの位置だったというのが一つ。それと、そこから加速する過程で特に見劣らなかったことかな。基本的にL2の地点ではもう先頭に立っていたと判断していいと思うし、キングストンボーイも内から動けていたのでこの辺は互角に近いが、最後でしっかりとこれを振り切った。最速ラップが11.3で済んだというのも大きかったかもしれないが、ひとまず総合的には良さを見せたかなと。ただ、雨が降っていたとはいえやはり時計・ラップはちょっと物足りないところはある。全体のレベルも微妙な感じはあるので、その辺をどう判断するかかな。

日本ダービー(GI)10着

東京芝2400m良 17頭6枠12番
風向き:南4.2m/s(府中市15:40)
2:23.3(+0.8) 60.3-57.0 S^3
12.2 - 10.6 - 12.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 12.8 - 11.7 - 11.4 - 11.5 - 10.8 - 11.6

 前走のダービーでは積極的に動く形になったが完敗を喫した。ペースは超スローでそこから後半1000が57.0と極端に速い。2段階加速的にL2最速で10.8だがこれも相当速いし、L5からのロンスパの時点でも11秒台半ばを踏むような感じになったのでかなり質の高い2段階加速の競馬となっている。風は南からなので3~4角中間地点が完全追い風。

 12番枠から五分のスタートだがそこから促しつつ中団につけるという感じまで。道中そこから外を通してじわっと押し上げ、サトノレイナスの後ろで進めて好位で3角。3~4角でも好位外から押し上げていたサトノレイナスの後ろを通しつつこちらも押し上げ、4角でかなり手が動いてサトノの後ろで直線。序盤でそこから追われて食らいつくが、L2の最速地点で明確に脚色で見劣って中団列に取り込まれるような感じ。L1でもばてているわけではないが、盛り返せずの10着完敗。

 ん~3~4角で手応え的に苦しかった割には直線最後まで踏ん張ったなという印象ではあるんだよね。ただ、L2の最速地点で10.8とかなりトップスピードの質を高いレベルで求められたところでは明確に見劣った。この辺りは超高速馬場で苦しい競馬になってしまったかなと。また青葉賞では内枠ということもあったかいいスタートを切れていたが、ここでは贔屓目に見ても五分まで。その分どうしても最序盤でそこまで良いところを取っていけなかった。まあこの馬自身の入りの3Fが36.2と青葉賞より速いので仕方ない面はあるが、やはりレベルの高いところで戦うとこういう競馬になってしまうのかなという感じはある。キングストンボーイはダービーに出なかったので何ともだが、キングストンボーイとの比較でみてもトップスピードの質ではちょっと物足りないところはあるからね。

京都2歳S(GIII)1着

阪神芝内2000m良 10頭7枠8番
風向き:北北西6.5m/s(豊中市15:40)
2:01.6 61.5-60.1 S^1
12.6 - 11.3 - 12.7 - 12.5 - 12.4 - 12.5 - 12.1 - 11.7 - 11.6 - 12.2

 3走前の阪神で行われた京都2歳Sでは外から正攻法でしっかりと勝ち切った。ただ結果的に見てこの一戦はさほどハイレベルとは言えなかったかなと。ペースはスロー、ラップ推移的にもL2最速で11.6という程度でポテンシャル戦に近い印象。風は北北西からなので3角地点が完全追い風、やや強めに吹いている。

 8番枠からやや出負け、そこからある程度ポジションを取ろうとしていたが窮屈になって無理せず序盤は中団やや後方でという感じ。道中もラーゴムを目標にしながら後ろを通して3角へ。3~4角でもラーゴムが外から勝負に行く中でついていく、4角でその外に出して勝負の仕掛けで直線。序盤で中団外からジリジリと伸び始めて2列目付近。L1でラーゴムを捻じ伏せての3/4差完勝。

 まあこの時点ではポテンシャル面で良いものを見せたなという評価だったんだけど、結果的に見て相手は楽だったと思う。上位がラーゴムでこれがまずさっぱり。そしてグロリアムンディやマカオンドールのその後もイマイチで、正直相手関係的にはこの世代としては低調だったと判断しないといけないと思う。その中では映像を見てもわかるように一番強い競馬と言うか、ポテンシャルの素材面では一枚上だったけど…逆に言えば一枚上だなという程度の突き抜け方で、相手が低調だと考えるとここにきてこれを高く評価するのは危険かなと感じる。

神戸新聞杯2021への展望

 う~ん…というところやね。ひとまず青葉賞を最大限に評価するとして、これまでにない良いスタートをここで切れたというのと、ペースはややスローでも中盤緩くて直線での加速でも最速11.3という程度という中で、総合力を見せてきた勝利だと思う。正直言うとラップから考えるとちょっと意外な勝ち方ではあったんだよね。ただこの青葉賞のレベルもそこまで高くはないし、ダービー組がハイレベルと考えても、やはりパフォーマンス的にはここで上位人気となるには足りないかなという印象だけどね。

 この馬は決定的な弱点としてはトップスピードの質が足りないところにはあると思うんだけど、逆に言えばそれ以外はまとまっていると思う。ダービーでも途中までは思ったより悪くなかったし最速地点では切れ負けしたけどL1は案外踏ん張った。今の中京だと高速馬場ではあるけど極端ではないので、ペースがそこまで落ちない2200mなら11秒台前半までで収まる可能性は十分にある。その形なら少し浮上してくるかな。ただ、それでも前提としてはやはり前半である程度の位置を取っていることだね。青葉賞みたいな感じで好位で中目から外目を通して直線坂の登りで動ければ面白い。キングストンボーイとの比較でみても基礎スピード面で戦える可能性がある分だけ安定してくるかな。動けるけどスパッと切れる馬ではないので、中京2000だと怪しいタイプだけど、中京2200なら怖さはちょっとある。まあでも今回は相手が手ごわいとは思うし、連下までかな。

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