※無料公開…天皇賞春 2020 出走予定馬:キセキ&武豊騎手想定
第161回 天皇賞春(GI)出走予定馬展望
日程:2020年5月3日(日)
コース:京都芝外3200m
予想用・出走予定馬一覧
キセキ(武豊騎手想定)
3年前の菊花賞以来勝ち星から遠ざかっているキセキが武豊との新コンビで天皇賞春に出走予定だ。菊花賞を勝ちながらも天皇賞春はこれが初参戦となる。名手とのコンビで勝利から見放されたGI馬が思い出の地で華麗なる復活を見せられるかに注目だ。
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個人的には先週やっと重賞での本命馬の不甲斐なさがストップできたし、ここからは快進撃で取り返したいね。この馬は本質的にはステイヤーではないと思っているが、それはやはり後半のポテンシャル面の問題だろうと思う。前走の阪神大賞典でも押し上げること自体は緩い地点でできているのでそこまで問題ではないが、そのままペースを早めてごり押ししたのが一番まずかった。3角までの位置は前が理想、3~4角で前目内目での4F戦、高速馬場なら怖いかなと思う。後は豊がどういうイメージをもって乗ってくるかやね。
ジャパンカップ(GI)2着
東京芝2400m良 14頭5枠8番
2:20.9(+0.3) 59.9-57.2 S^3
12.9 - 10.8 - 12.2 - 12.3 - 11.7 - 11.8 - 11.7 - 11.4 - 11.4 - 11.0 - 11.4 - 12.0
ジャパンカップ2着が直近でのベストバウトになるかな。東京の2400m戦で超超高速馬場状態。ペースは2.7で超スローなんだが1000m通過は60秒を切っている。馬場が異常に軽かったのはあるが、そういう馬場で中盤以降は11秒台後半を刻みながらL3最速で勝負を仕掛けての2着。ラストは甘くなったが相手がアーモンドアイと考えても頑張ったなと。
8番枠からまずまずのスタートから楽な手ごたえでハナを取り切り主導権を握る。途中まではペースを落としていたが、向こう正面からペースを引き上げて11秒台後半で進めて2馬身ほどリードを取って3角。3~4角でアーモンドアイに直後をマークされる形で1馬身半ほどの差で直線。序盤でシブトク踏ん張りここではまだ差を詰めさせない。L2の地点で鞭が入って踏ん張るが徐々にアーモンドアイに詰められほぼ並ばれる。L1で抜け出されて1馬身3/4差2着も3着以下は3馬身半も離した。
この一戦はかなり強かったと思う。超超高速馬場で8F戦に持ちこみ、しかもL3最速でロングスプリントを存分に活かしてきた。これがキセキが勝つには求められる要素かなと思う。中盤は超高速馬場なのでこの程度のラップならまず有酸素運動状態だったと思うし、これで分散しながらも超高速馬場ならもう一段上のギアを引き出してくる。これがこの馬の場合はロングスプリントで、後半4Fの上がりが46.1という計算。ここまで長く脚を維持できているし、L3の最速ラップ11.0はこの馬が実際に踏んでいる。超高速馬場のほうが今は合っている、というのが率直な評価。
有馬記念(GI)5着
中山芝内2500m良 16頭6枠11番
2:31.6(+1.1) 58.5-61.6 H^3
6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0
2走前の有馬記念5着は厳しい競馬になったとはいえ物足りない内容。ペースはアエロリット単騎で超ハイだが、離れた番手の位置でも平均~ややハイぐらいだったかなと。その流れの中で出遅れて後方からとなってしまった。それを巻き返すだけのものは持っていなかったと。ただフィエールマンあたりと比べたら結構頑張れていて、これは全体でタイトだったことも大きいと思う。
11番枠から出負けして最後方付近から、押してリカバーして入っていくがそれでも後方。道中も後方馬群の内目で我慢しながらスタンド前を通過。向こう正面でも後方馬群の中で我慢しながらヴェロックスの後ろを通す。3~4角で外に誘導しながら上がっていくサートゥルナーリアの後ろを通って直線。序盤でそこから追われるが伸びは地味。ラストまでジリジリと食らいつくも外のワールドプレミアに伸び負け、最後はフィエールマンには並びかけてくるがクビ差の5着まで。
ここは全体でタイトな流れだったのは間違いない、超ハイはアエロリットが刻んだものだが、離れた番手でも1000の入りは60秒を切っていた、という感じだったからね。タフな馬場で前半から流れたことで、基礎スピード面をある程度問われたのは良かったと思う。ただ、前半で出遅れてあの位置になったことで難しくなってしまった。力の要る馬場で後半ポテンシャルを引き出す競馬、というのは正直これまでも甘さを見せていた。特に大阪杯2着時はアルアインに内容的に完敗だったからね。この辺りを踏まえてもスローで後半ロンスパというのは馬場が悪いとフィットしていない印象を受ける。不良馬場の菊花賞を勝った馬だが、あそこまで悪い馬場だとマラソンレースに近い競馬になったというのもあると思うし、あれをあまり引きずらないほうが良いだろうと。
阪神大賞典(GII)7着
阪神芝内3000m良 10頭8枠9番
3:03.6(+0.6) 62.6-60.3(FA12.06)-60.1 S^2
13.2 - 12.2 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.4 - 12.2 - 12.4 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 12.0 - 12.5
前走の阪神大賞典では7着と完敗。ここではさらに派手に出遅れて、途中で捲っていったけどそのままの勢いでペースを上げきって失速した。まあそこまで離されてなかったし、個人的には言うほど悪い内容ではないと思っている。が川田は何も考えてないってのはよくわかった一戦かな。長距離勝てないはずだわ。
9番枠から大きく出遅れて最後方。前半1000はスローペース、という中で徐々に取り付いて後方2番手でスタンド前。ここで前との差をじわっと詰めていく。1角で2列目外に取りついたところでコーナーで緩めるかなと思ったらむしろ競りかけていって先頭列のペースを引き上げさせてしまう。そのまま2列目の外でロンスパの流れを作って3角。3~4角でも番手外から必死にタイセイトレイルに食らいついて並びかけて直線。序盤で追われて先頭列に食らいつくがL1で失速した。
まあ出遅れ自体は有馬から見せていたのでこれを批判するのはかわいそうかなとは思う。が、やはりポイントは1角地点で何故引く気配がなかったかやね。スタンド前の押し上げまでは個人的にはこれで良いと思っている。が、ここで1角過ぎでコントロールする意識を持たずに並びかけに行ってしまった。これで前が実質的にペースを引き上げているわけで、こうなると明確に後半の8Fのロンスパでポテンシャル特化となる。流石にこれはひどかったし、普通の馬場で有酸素運動状態でそこまで長くポテンシャルを維持できる馬ではないからね。緩い地点だったとはいえある程度脚を使って押し上げているわけで、流石に1~2角では息を入れて向こう正面辺りまでは様子を見てほしかった。キセキの適性と収めるポイントの2点で間違った騎乗だったと思う。馬自体はもともとロンスパは得意じゃないし、日経賞でルメールがやらかしたときもロンスパを仕掛け過ぎた。全体のペースが速い中で追走する基礎スピードはあるんだけど、前半ゆったりから後半のポテンシャル勝負というのは合わないんだよね。高いレベルではロングスプリントのギアまで持ち込めないと。ブラストの有馬でも5F戦でL1が甘かったわけで。
天皇賞春2020への展望
流石に信頼は置けない馬。豊かに乗り替わったからと言って課題のゲートが一気に良化するのか?というのは良くて半信半疑といった所。2走続いたわけで、しかも悪化した。出負けをある程度前提で考えておいたほうが良いとは思う。ただし、本質的には5~8F勝負というような超ロンスパが得意な馬ではない。ジャパンカップの場合は大きく見れば8F戦だがL8-L5の地点では11秒台後半程度、そこからのもう一段上のギアであるロングスプリント戦で良さが出ている。本質的にはある程度速いラップを要求されたほうが良いし、それを早めに仕掛けたほうが良いタイプだと思う。仮にゲートをしっかりと出てハナを切る、単独の2番手ぐらいとなると一気に怖さが出るのはこの能力。
京都3200m戦はどちらかというと3角手前の登りの意識がどうしても働くし3角下りからの競馬になることが少なく無い。この距離で考えると4F戦なら仕掛けが遅い部類ともいえる。そうなればポテンシャル的には微妙な馬でも前受けして3~4角でロングスプリントのギアに入れられればここで外から動いてきた馬に対してロスを作らせるチャンスは十分にある。一か八かの馬だが、仮に自分が騎手ならワンチャンスあるなと思える一頭。3角までペースをある程度コントロールした状態、3角下りからのロングスプリントの形まで持って入れれば、このメンバー構成なら怖い。が、とにもかくにもゲートを出てくれないといけないからね。人気次第のところはどうしても出てくる一頭かな。3200は微妙に長いが、前述の通り4F戦ならというのと極端ではなくても高速馬場は間違いないからね。今の時点では難しいけど、ひとまず連下ぐらいで想定。単穴までは視野に入れているけど、ギャンブル性が強いからね、リターンの大きさは大事。
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