【※無料公開対象】中山記念 2022 出走予定馬:コントラチェック&丸山騎手想定

第96回 中山記念(GII)出走予定馬展望

日程:2022年2月27日(日)
コース:中山芝内1800m

コントラチェック(丸山騎手想定)

 昨年はオーシャンステークスを制すなどかみ合えば不気味な走りを見せてくるコントラチェックが中山記念に出走予定だ。今週末で定年、勇退となる名伯楽藤沢和雄が最後の重賞に送り出すのがこの馬だ。強敵が揃ったが、歴史に残る名調教師の最後を飾りたい。

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 藤沢和雄にとって中山記念が最後の日となるわけだが、その前からも何度か激走を見せていることも多かったし、今週も藤沢師の管理馬には注目を集めておいた方が良いかな。結構穴目でちらほら結果を出す馬もいたし。コントラチェック自身も結構チャンスはあると思うが、同型が多数いる中でどういうチョイスを取るかが最大の焦点。

京成杯AH(GIII)2着

中山芝外1600m良 16頭5枠9番
風向き:南南西1.4m/s(船橋市15:50)
1:32.0(+0.0) 45.6-46.4 H^1
12.3 - 11.2 - 11.1 - 11.0 - 11.2 - 11.4 - 11.4 - 12.4

 まずは京成杯AHから見ていきたい。1200路線を使ってきた馬だが流石にそこを振り返っても仕方がないからね。ここではペースはややハイ、ラップ的にも中盤が淀みなく進んでいて11秒台前半を維持しつつ後半でじわっと減速するような競馬。基礎スピード面を強く問われた一戦と言っていいだろう。風は南南西からなのでHSが追い風と言っていい。

 9番枠から好発を切って楽にハナを主張する。外からスマイルカナも競ってくるがそれを制してハナをキープ。3~4角でもペースを落とさず淡々としたラップを踏みながら4角出口でも馬なりでスマイルカナを離し始めて2馬身差ほどで直線。序盤で左手前に換えてしぶとく引き離して3馬身差。L1の坂の登りで少し甘くなってカテドラルの追撃を受けクビ差で捕え切られた。

 ここでは淡々と前半の基礎スピードを活かす形で結果を残してきた。個人的にはこれ自体はちょっと意外なラップ推移というか、そんなにゴリゴリで良さが出るイメージでもなかったんだけど、この辺は1200mを使ったことで基礎スピード面での成長があったのかも?という感じやね。カテドラルには差されたがグレナはもちろん、ここでも出てくるカラテも封じ切っていることを踏まえても普通に相手関係として結構レベルは高かったんじゃないかな。その中で淡々と運んで良さが出てマイルできわどく踏ん張れたのは収穫。ただ、もちろんだが外回りでコーナー地点が長く緩い中での淡々とという競馬。個人的に中山1600と1800は色々違うので、そこはカギ。それでもこの馬の場合はもともとフラワーCで面白い競馬をしていた馬だからね。どういう競馬でもできちゃう器用さはあると思う。

福島記念(GIII)15着

福島芝2000m良 16頭8枠16番
風向き:南西1.6m/s(福島市15:20)
2:01.9(+2.7) 57.3-61.9 H^5
11.9 - 10.8 - 10.9 - 11.9 - 11.8 - 11.9 - 12.4 - 12.4 - 12.1 - 13.1

 前走の福島記念ではパンサラッサが作り出した激流に巻き込まれる形で良さが出ずの惨敗。今回もそこは最大のカギで、どう乗っていくかだろうね。ペースは極端なハイペースでパンサラッサがこれを刻む。それについていきつつだったが早めに失速した。風は南西からなので3角地点が完全向かい風。

 16番枠から好発、大外枠から主張していくが、内の各馬が速くパンサラッサを目標にそれでも動いて番手までもっていく。道中もパンサラッサが作る激流に乗る形となって3馬身ほど後ろで追走しながら3角。3角で仕掛けてパンサラッサに1馬身差まで詰めているのだが、4角地点で失速してここで離されて2番手は意地も6馬身ほど差がある。序盤で失速すると、ラストは15着とブービーまで。

 ここは基礎スピード特化戦。パンサラッサがゴリゴリに持ち込んでしまってそれに対してどうしても流れに乗ってという形になったが3角で動きかけたところで失速してしまっている。こうなるとオーバーペースだった可能性の方が高いだろうなと。本来基礎スピードを質的に持っている馬だから、もうちょっと踏ん張って直線で下がるとかならまだいいんだけど、4角でもう一杯一杯となると距離を1800に縮めたところで基礎スピードの質でパンサラッサに対して優位性を取れるかどうかやね。敢えて言えばパンサラッサの鞍上が個人的には吉田豊に換わるのは少なくともレースメイクという観点で見れば明確に鞍上弱化だと思っているので、そこで展開の紛れが生じてくれれば…やね。

フラワーC(GIII)1着

中山芝内1800m良 12頭4枠4番
風向き:北北東1.4m/s(船橋市15:50)
1:47.4 48.7-46.9 S^2
12.7 - 11.9 - 12.0 - 12.1 - 11.8 - 12.0 - 11.8 - 11.2 - 11.9

 3歳児のフラワーCが強敵相手に強い競馬。中山の1800m戦と今回と同じ条件でペースはかなりのスロー。そこからのL2最速でギアチェンジでスッと。基本的にコントラチェックはこれをある程度流れても引き出せるしスローである程度高められるしと後半の総合力も高い馬という認識ではあったんだよね。スランプに陥ってしまったのが残念だが。風は北北東からなのでHSが向かい風と言っていいレベル。

 4番枠から坂スタートで好発、そこからハナを切って楽に主導権。道中も単騎気味だがペースをコントロールしながら進めて3馬身差で3角。3角でもまだ仕掛けを待つような感じで、4角でも引き上げず馬なりで3馬身差をキープ。序盤で左手前で仕掛けて4馬身差。L1の坂の登りでも余裕をもって左手前を維持、流しての2馬身半差圧勝。

 ちなみにここの3着がランブリングアレーで4着がシャドウディーヴァになる。もともとこの世代はグランやラヴズ、クロノといった化け物ぞろいの世代だったし、その中でもクラシックを期待できるだけの素材を見せていたというのはある。ただ、結果的に見ても後半の無酸素運動は素材的に足りなかったと思うし、あくまで総合的なセンスの良さで勝負するタイプだったんだろうなと。それが坂スタートでポンと出てペースをコントロールしつつも縦長で仕掛けを待てる立場になった。そこで仕掛けてのギアチェンジの良さを引き出し、一足で突き放せる状況になれば強いというのはある。オーシャンSも距離は短いがL2最速の形で加速に対応してのL1の捕え切りだったというのもあるし、流れた中でも機動力を持っているのが持ち味だろう。その点では福島みたいにスパイラルカーブで3角からの競馬がしやすいコースよりは、中山内回りの方が合うのは確かだと思う。後は同型よ。

中山記念2022への展望

 2000だとパンサラッサに基礎スピード的に圧倒されてしまったし、1600ならともかく1800でパンサラッサがゴリゴリに飛ばしてしまえばちょっと難しい。またパンサラッサについて行かずに離れた番手になれば、今度は自分で仕掛けていく形になるのでそこも本音を言えば楽ではないと思う。本質的には前で後ろに対してリードを保って仕掛けを遅らせたいタイプ。ただ、京成杯AHでは中盤を速める形でも最後までしぶとかったし、個人的には意外だなと感じたのはその辺。状態面次第だが、とにかくオーバーペースにならないように進めて、パンサラッサからは距離を取りつつ相手が下手を打つのを待つ方が良いかな。

 その点で今回は坂スタートになるし、コントラチェックは坂スタートも得意なのでスッと前を取れる可能性が高い。パンサラッサがどうかだが、これより外枠から坂スタートの段階で前に出て内に切っていきながらペースを支配できれば面白いかな。それに、吉田豊はレースメイクはかなり下手糞なので、前走の有馬記念で菱田が攻めた騎乗をして惨敗しているのも少なからず騎乗に影響するだろうしね。その点ではコントラチェックとしては自分のリズムを守りつつ相手が半端な競馬をしてくれればチャンスが広がってくるという感じかな。ただ、パンサラッサやトーラスジェミニの出方に関わらず、個人的には好位の集団からは少しリードを取って進めてほしいね。3~4角で後続の仕掛けを待つ形で一足を引き出す形が一番チャンスはあると思う。パンサラッサとの比較で見れば馬場は軽い方が良いと思うので、開幕週の中山1800で不気味さはあるかな。

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