凱旋門賞 2020 出走予定馬:ジャパン&武豊騎手想定

第99回 凱旋門賞(GI)出走予定馬展望

日程:2020年10月4日(日)
コース:パリロンシャン芝2400m

予想用・出走予定馬一覧

凱旋門賞2020の予想用・出走予定馬一覧

ジャパン(武豊騎手想定)

 昨年はパリ大賞やインターナショナルステークスなどGIを制していたジャパンが武豊とのコンビで凱旋門賞に出走予定だ。昨年は凱旋門賞でも3着と健闘したが、今年は全く結果が出ずにここまで来た。凱旋門賞に懸ける武豊が悩める名馬を立て直してロンシャンの地にジャパンの名をとどろかせられるか。

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 豊の凱旋門賞への思いは敬意を表するけど、やっぱり今のフランスのコロナの状況を考えると心配ではあるね…。まあそういったことをはねのけて競馬に集中していい結果に導いてほしいね。パリ大賞なんかを見ても現実的な馬場で、割とある程度ペースが上がった方が良いかなと思うので、そこが噛み合えばだけど、近走は内容が良くないからね…。多くは期待できないかな。

パリ大賞(GI)1着

ロンシャン芝2400m稍 8頭6番枠
2:27.07 62.19-60.00 S^1
87.07(FA12.44)-23.54-12.05-12.16-12.25
1:27.07-1:50.61-2:02.66-2:14.82-2:27.07

 まずは昨年のパリ大賞勝ちから振り返りたい。このレースは映像で出た仮の走破時計が修正されていて、勝ち時計は2:27.07となる。ただラップ的に見てそれで正しいと思うので、レースラップはそのまま映像通りと判断したい。ペースは概算ではあるが1000は1400通過から概算で62秒前半ぐらい。日本式だと61.2-60.0ぐらいでややスローとそれなりには流れていた。そこからの後半ポテンシャル戦。

 6番枠からまずまずのスタート、そこから無理はせずに楽に3番手で進めて外目で折り合わせながら。3角までは前が結構引っ張っていたので少し離れた位置で3列目の外。3角坂の下り以降も3列目の外で仕掛けを待ちながら余裕をもってフォルスへ、フォルスでもまだ手は軽く動く程度、3馬身弱ほどで直線。序盤でしぶとく伸びてここで一気に先頭に立って半馬身ほどリード。L2でもさらにしぶとく伸びて1馬身ほどリードを保ち、L1で少し詰められたものの半馬身差ほど保っての勝利だった。

 割と全体で流れた中でしっかりと直線序盤で脚を使ってきた。レースラップ的には12秒台前半を続けるようなポテンシャル戦だったが、個人的にはそれだけでなく全体でそこそこ流れたことも大きいだろうなと。もともとイメージとしては中距離型の馬で、クリスタルオーシャンを破った英インターナショナルSでも強かったからね。2400mでもある程度全体で流れたことで分散しつつ、後半勝負に特化しない中で後半のポテンシャルを引き出した、バランス的に良さが出たかなと思う。本質的にスローで決め手勝負向きではないというのが個人的な評価かな。

凱旋門賞(GI)4着

ロンシャン芝2400m重 12頭10番枠
2:31.97 62.71-64.18 H^2
87.79(FA12.54)-24.80(FA12.40)-13.55-12.54-13.29
1:27.79-1:52.59-2:06.14-2:18.68-2:31.97

 昨年の凱旋門賞では4着と健闘した。この時が重馬場で時計が掛る状況だったこともある。加えて言えばかなりペースが速く、日本式で補正して大体61.7-64.2としても2.5ぐらいのハイペースだったと見ている。ラップ的にはフォルスの地点が速くて直線序盤で少しラップが落ちてからのL2再加速で余力があった馬はここで一足を要求されている。日本馬が苦しむ中でジャパンはそれなりに頑張ったが…という感じ。

 10番枠から出負けしていて後方からのスタートとなってしまう。その後もある程度促しつつだが後方馬群の外目で様子を見てエネイブルを意識するような競馬である程度押し上げて進めていくが、エネイブルが思った以上に上がったので無理はせずに後方外。3角でも後方外目で我慢しながら進めて、フォルスでも馬群の中を突っ込みながら出口で外、中団ぐらいで直線。序盤で追い出されてからの反応は良く減速ラップを踏んでいるのもあるが一気に2列目ぐらいまでは伸びてくる。ただL2で追い出されてエネイブルにスッと離される格好となって最後は3着争いでソットサスに半馬身ほど前に出られての4着。

 まあ負けはしたけどL3の地点での伸びは良いものを見せてくれた。ただジャパンって多分パターンとしては流れた中でも良い脚を使えるけどそんなに長くないって感覚で、この凱旋門賞の場合は出負けが響いたと思うんだよね。あの位置取りになってしまうと後方から直線で良い脚を使っても押し上げるところで甘くなってしまう感じ。ペースが速い中でも動けているのは好感だし、個人的には良馬場でもう少し時計が出易い馬場の方がフィットしているかなという感じ。それと、本質的に見ても2400は欧州だとちょっと長い気はするんだよね。起伏が超絶激しいキングジョージなんかは大苦戦していたし、欧州でタフな条件だと2000がベストの馬だと思う。その点、去年は雨の影響が大きかったが良馬場で軽い年もあるロンシャンなら、まだ何とかって感じはしている。まあそれもこの凱旋門賞までのパフォーマンスで言えばって話だけどね。

愛チャンピオンS(GI)5着

レパーズタウン芝2000m良 6頭2番枠
2:06.1(+1.1) 

 ラップデータが全くないので難しいが、前走の愛チャンを振り返っておく。レパーズタウンの2000m戦でワンターンに近いがスタート地点がカーブという少しトリッキーなコース。先行策も甘くなるのが極端に早かったし正直心配になるレベル。

 2番枠からここではまずまずのスタートを切っていたが外の馬を行かせて2列目の内で進めていく。道中も前にガイヤースを置いてしっかりと追走しながら3角に入る。3~4角でも2列目の内で最短距離を回しながらだが手が動く。4角でもガイヤースの後ろで進めながら直線に入ってくる。序盤で追い出されて最内に誘導、一瞬反応良く伸びかけるが徐々に鈍化してL1の地点では後退、失速しての5着完敗だった。

 ん~…という内容やね。一応これは目視なのであくまで参考程度というか自分はこう考えているという程度で見てもらえるとありがたい。途中で点在していた白丸の目印がハロンごとであるという前提でのものだけど、1200通過は時計から逆算して推定で73秒前後という感じだったと思う。なのでまあ1000も大体61秒前後かなとは思うし、バランス的にはかなりハイペースだった可能性はあるかな。これは全く保証は持てないけど。ただ道中のラップを見ても後半はハロン13ぐらいなので、多分明確にハイペースだと思う。その中で、正直言ってマジカルやガイヤースは結構強敵ではあるんだけど、それでもL2で一瞬反応してというところまでは良かったが、L1の坂の登りで失速している感じではある。坂が原因ならロンシャンの直線は平坦なのでそこは良い材料なのかなと。ゲート自体は出ていたし、本来こういう競馬をして前受けしながら直線で一足をできるだけ我慢して使うというのが理想。2000mでこの流れではちょっと速かったかもしれないが、今年は内容が良くないからなあ。

凱旋門賞2020への展望

 まあまず去年の秋までのパフォーマンスを引き出せるかどうかが一番のポイントになるのは間違いないと思う。これに関しては正直キングジョージの負け方が悪くてちょっと難しいかなというのが第一に来るかな。愛チャンに関してはハイペースの流れで先行して甘くなったともいえるんだけど、今年に関してはどのレースでも結果が芳しくないし、着差も結構離れていることが多い。エクリプスSだけはエネイブル相手に食らいついていたけど…という感じ。ただ、エネイブルは明確に2400のほうがいい馬で、実際ヨーロッパでもかなりタフな競馬場だったアスコットとはいえ、2400でぶっちぎられた。去年の凱旋門賞で見せた踏ん張りは無かったということを考えても、正直去年ほどの出来は無いと判断したほうが良いと思う。キーファーズが購入できた時点で…というのも正直察するべきなのかなというところ。

 ここからは正直現実的ではないと思うけど、豊にこう乗ってもらいたいというイメージとしてはやはり前を取るしかないと思う。もともと結果を出してた時も前目での競馬が基本でそこからある程度厳しい流れでもしっかりと動く脚を引き出して来ていた。ただポテンシャルが非凡だとか、そういうタイプの馬ではない。溜めすぎても難しいし、その点ではムーアみたいにポジションキープタイプで要所でガシガシって追い出す騎手との相性のほうが良いかなとは思う。豊のように動き出しのイメージを持ちながらというのはある程度エンジンの掛かりが遅い馬のほうがフィットすると思うし、個人的に豊に求めるのは結果に関わらず前目で収めてほしいというところかな。もちろん日本人から見れば豊とジャパンの挑戦なんだけど、申し訳ないが海外的視点で見れば恐らくチームオブライエンの中での動きを要求されることになる。特にエネイブル打倒を狙うラブ陣営のアシスト及びラビットの可能性のほうが現実的なのかなと。特に豊のレースメイクの評価というのは海外でも結構浸透している(エイシンヒカリが大きいか)ようなので、逃げる可能性も結構高いんじゃないかなと勝手に思っている。結果はともかく、まず豊がロンシャンの大舞台でどういうレースを作ってくれるか?というのをファンとして楽しみたい。分析家としては評価はシビアにはなるが、応援馬券以上はお勧めしないかな。

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