阪神大賞典 2020 出走予定馬:キセキ&川田騎手想定

第68回 阪神大賞典(GII)出走予定馬展望

日程:2020年3月22日(日)
コース:阪神芝内3000m

予想用・出走予定馬一覧

阪神大賞典2020の予想用・出走予定馬一覧

キセキ(川田騎手想定)

 3年前の菊花賞では不良馬場の中直線鋭く抜け出したキセキが阪神大賞典に出走予定だ。好走は擦れど勝利が遠く、実にこの菊花賞以来、先頭でゴール板を切れていないことになる。3000mという距離で何としても勝利の美酒を浴びたい。勝って春の盾を目指せ。

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 まあ流石にそろそろ勝ってほしいな…この距離である程度基礎スピードを活かしているというのはあったが、有馬記念では後ろからになってしまったのも痛かった感じはある。後半のポテンシャルだけでなく前半の基礎スピードも活かしたいところかな。馬場は今のキセキだと重いよりは高速馬場のほうが良いと思うので、今の阪神の馬場がどうか。

宝塚記念(GI)2着

阪神芝内2200m良 12頭1枠1番
2:11.3(+0.5) 60.0-58.9 S^1
12.6 - 11.4 - 11.5 - 12.4 - 12.1 - 11.9 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 12.4

 宝塚記念を振り返りたい。阪神の2200m戦で良馬場だが流石に6月阪神で少し時計が掛かっていた。正直標準ぐらいの馬場だったと思っているし、その中でリスグラシューが強すぎたという感じ。キセキ自身で見てもスワーヴやアルアイン相手に完封しているように、高いパフォーマンスだったと思う。ややスローではあったがリスグラシューが0.5も離したということが大きいし、実質的にはキセキで平均ペースぐらいだったとみている。

 1番枠からまずまずのスタート、そこから押して押しても、外のほうが行き足が良くかなり苦労してハナを取り切った。そこからはあまりペースを落とさず淡々とした流れを作るが、リスグラシューについてこられる。3~4角で強気の仕掛けでラップを引き上げるがこれにリスグラシューが食らいつき1馬身弱の差で直線。序盤で粘り込みたかったがリスグラシューに前に出られる。L1で差を広げられて3馬身差の2着完敗。

 まあ、リスグラシューの有馬記念と比べればかなり善戦できていると思う。ある程度厳しい流れに持っていったというのもあるし、その中でリスグラシューにはそこから後半のポテンシャルで圧倒されてしまったが、アルアインやスワーヴリチャード、レイデオロといったのライバルは楽に撃破している。これは恐らく実質的に平均ぐらいまで持ち込んだことで後続の脚を削ぐことができたというのが大きいかなと感じる。なので、正直高いレベルでは2200~2400ぐらいがベストの馬かなとは思っているんだけどね。菊花賞のド不良の馬場で強かったので何ともだけど、今はあまりそのイメージを持ちすぎないほうが良いようにも感じている。

有馬記念(GI)5着

中山芝内2500m良 16頭6枠11番
2:31.6(+1.1) 58.5-61.6 H^3
6.9 - 11.1 - 11.4 - 11.4 - 11.5 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.3 - 13.4 - 12.2 - 12.0

 有馬記念では5着と一昨年同様の結果に終わった。ただ、違ったのは前に行けずに後方からとなってしまった点。凱旋門賞遠征での疲労というのもあったと思うが、自分の競馬ができなかったのは残念。ペースは超ハイだがこれはアエロリットの単騎。それでも1000通過では番手でも5~6馬身ほどしか離れていなかったし恐らく1秒程度だろう。実質的にもややハイぐらいではあったかなと。

 11番枠から出遅れてまさかの後方からの競馬。ある程度リカバーしようとするが結局後方からスタンド前では内に入れて我慢。向こう正面でも前が引っ張る流れで後方馬群の中、特に動けず3角。3~4角で後方馬群の中目から徐々に外に誘導して4角でサートゥルを目標にしていたが置かれて中団。序盤でそこからは手ごたえ以上にしぶとく伸びては来るが、L1まで決定的な脚は見せられずになだれ込むだけの5着だった。

 4着のフィエールマンとの差は最後に詰めてきていたが、上位3頭との比較で見れば普通に完敗だったといえる。まあ上位3頭は牝馬だったり3歳だったりで斤量の差はこの展開、馬場ではあったかも?とは思うが。まあそれなりに最後はポテンシャルを見せたんだけど、一昨年の有馬もそうだがポテンシャルそのものはトップレベルでは若干足りないと思う。やはり前半である程度のペースを作ってこそだと思うし、そこで後続の脚を削げないと後半の甘さに繋がってくる感じではあるね。

菊花賞(GI)1着

京都芝外3000m不 18頭7枠13番
3:18.9 64.1-68.8-66.0 H^2
13.2 - 12.6 - 12.0 - 13.1 - 13.2 - 13.5 - 14.5 - 14.3 - 13.5 - 13.0 - 13.1 - 12.9 - 13.4 - 12.7 - 13.9

 菊花賞を振り返っておこう。3000m戦で強い競馬だったが、結局不良馬場で消耗したことが大きいと思っている。中盤で大きく息が入っているのだが、前後半で見ればかなりのハイペース。後半各馬が消耗する中でしなかった、と考えると特殊ではあるが3000m全体の超パワー型基礎スピードの差(質的なものは求められていないし、スタミナ的なものと言えそう。)で最後までポテンシャルを引き出せたとみるほうが良いんじゃないかなと。

 13番枠から出負けして後方からの競馬となる。ただこのころのキセキは基本的に後ろから行く馬なのでこんなもん。前半はペースバランス的には速いがそれでもド不良なので各馬がコントロールしながら、その中で後方の外目で進めスタンド前を通過。1~2角で息が入ってから団子気味になる中で中団馬群の中目に取りついてクリンチャーが外から動く流れの中で外から進出。3~4角で中団の外から3列目まで押し上げて直線。序盤で粘り込むクリンチャーら先頭列に対して外からジリジリと差を詰めてクビ差ほど。L1で一気に捕えて突き抜け2馬身差完勝。

 ここではかなり強かったと思う。ある意味では長距離適性は高いはずなんだよね。3000mでもこれ以上ないほどタフな馬場、時計を考えても普通の馬場なら3200m以上走っているような時計が出ているわけでね。ただ、長距離戦と言っても完全なる有酸素運動になっていたと思う。それも前半の方が速いわけで、結果として後半はかなり各馬が消耗していただろうというのは感じられる。キセキは力の要る馬場の場合は基本的に前半である程度引っ張ったほうが良いタイプだとは思っていて、ここでは前が消耗していたことも大きかったと。3000m全体の競馬になったからこそだと思う。

阪神大賞典2020への展望

 ベストバウトはJC2着だと思うし、あれが超高速馬場で59.9-57.2と超スローからの11.4 - 11.4 - 11.0 - 11.4 - 12.0とロングスプリント的な競馬。高速馬場で速いラップを連続するのはかなり得意だと思う。一方で、力の要る馬場でのロンスパとなるとそこまででもない。昨年有馬でも後方からではあったがジリジリと伸びたものの5着まで。ワールドプレミアにポテンシャルで完敗している。昨年の大阪杯でもアルアインに敗れるレベルで、61.3-59.6とかなりのスローからの後半4F戦、馬場が重い中でのロングスプリント的競馬でL1は消耗したがそこで番手からアルアインに差されている。

 力の要る馬場だと後半余力があっても他が脚を削がれていなければ、相対的にあまり効率よく長く分散して維持できないという感じはある。3000mとなると中盤で息が入ると思うのでその辺りがカギかな。阪神3000だと割と後半のポテンシャルが求められるので、このメンバーレベルなら何とかなるかもしれないけど、正直あまり信頼はしないほうが良いかもしれない。パッと見た限り阪神3000がフィットしそうな馬があまりいないし、多分メイショウテンゲンも全体でタイトに流れたほうが良いタイプで、その点ではキセキとパターンは近いから総合的にキセキの方が2枚ぐらい上だと思うのでこれには見劣らないと思う。ガチのポテンシャルタイプが少ないのは救いやね。まあ信頼は置きたくないけど消去法で重い印となりそうな気はする。

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