皐月賞 2021 出走予定馬:ヴィクティファルス&池添騎手想定

第81回 皐月賞(GI)出走予定馬展望

日程:2021年4月18日(日)
コース:中山芝内2000m

予想用・出走予定馬一覧

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ヴィクティファルス(池添騎手想定)

 スプリングステークスでは重馬場のタフな競馬を中団外から正攻法でまとめて捕え切ったヴィクティファルスが皐月賞に出走予定だ。これまで色々な条件となった3戦で2勝2着1度とパーフェクト連対の安定感はメンバー随一。初めての2000mへの微妙な距離延長がカギも、勝負師池添とともに末脚一閃を引き出す競馬で勢力図を塗り替えたい。

 不気味さという点では一番かな。なんといってもつかみどころがない中で、タフな馬場でのポテンシャルで良さが出てきた。トップスピード戦でギアチェンジを伴った共同通信配でも崩れていないし、結構読みづらいね。

新馬戦1着

阪神芝外1800m良 9頭8枠9番
風向き:北北西7.0m/s(豊中市12:00)
1:49.3 49.9-46.7 S^3
12.8 - 11.9 - 12.2 - 13.0 - 12.7 - 12.1 - 11.5 - 11.3 - 11.8

 新馬戦から順を追っての3戦と行きたい。阪神の1800m戦で良馬場、ペースは超スローと新馬戦らしい流れとなっている。ラップ推移的にもL2最速で11.3という程度。11月末は12月に入っての超高速化の前なので、これでも標準から少しタフだったかなという感じで見ている。それと、ここは北北西から7.0m/sとかなり強い風が吹いていた。3角地点がもろに追い風で直線では右前方からの向かい風という感じになる。

 9番枠から五分のスタート、そこからは内の各馬を行かせるような形で少しコントロールしつつ好位で進める。道中も4番手で前のメイショウツキシロの後ろで我慢しつつ2列目の外で3角。3~4角でも前2頭に対して余裕を持っていて、4角で外から馬なりに近い形で上がって直線。序盤で追い出しを待ちつつも楽な感じで先頭列まで上がって半ばで追われて首ほど出た。L1でそのまましぶとく踏ん張っての半馬身差の勝利。

 センスは確かに感じたが、終い勝負の中でラストは少し2着のカサデガに詰められているのは物足りないかな。もちろん相手が強ければ仕方がないが、このカサデガをはじめじ2~5着という掲示板組はいまだに勝ち上がれていないからね。そういったメンバーレベルを考慮に入れても正直ここはあまり高く評価できないかなというのが正直なところ。まあ速いラップを踏んだところで向かい風を受ける形になっていたし、そこでラストが甘くなったかなという見方もできるけど、もうちょっと楽に抜け出してほしい相手だったんじゃないかなとみている。

共同通信杯(GIII)2着

東京芝1800m良 12頭7枠9番
風向き:南南東5.1m/s(府中市16:00)
1:48.0(+0.4) 49.6-45.7 S^4
13.0 - 11.8 - 12.6 - 12.2 - 12.3 - 11.9 - 11.5 - 10.8 - 11.5

 2走前の共同通信杯では決め手勝負になったが2着としっかりと賞金を積み上げてきた。東京の1800らしい競馬で4秒近い超超スローからのL2最速で10.8。かなり速いラップを求められたしギアチェンジも高いレベルで問われた。流石にエフフォーリアにはその切れ味で見劣ったものの激しくなった2着争いを制してきたのは一定の評価が必要かな。風向きは南南東から5.1m/sなので4角地点で追い風となり、直線では追い風気味だがほぼ左からの風という感じ。

 9番枠から出負けしてそこからリカバーしつつも後方外目でという感じ。そこから前がかなりドスローで抑えているのでじわっと時間をかけて中団の外まで押し上げて3角という競馬になる。3~4角でも中団外からの競馬で手が動いてスピードに乗せながら直線。序盤で前のエフフォーリアの外から追われるのだがさほど反応できずにここで一気にエフフォーリアに抜け出され、L2辺りでようやく伸びて2番手に上がってくる。ラストは外からシャフリヤールに接近を受けたがアタマ差で何とか振り切っ手の2着確保だった。

 まあ悪くはなかったというか、トップスピード戦としてはエフフォーリアが二枚ほど上だったなということで、2着争いとしてみればさほど悪くないという感じ。エフフォーリアを意識しつつ中団外から追われてこれには突き放されたがL2の地点で2番手には上がってきている。L2で1馬身半差から2馬身ちょっとの差に広がったのでレースラップよりは遅いだろうが、それでも10.9ぐらいでは上がってきているかな。ラストでは甘くなったので量的にはそこまででもないがこういう競馬でもある程度後半は通用した。ただし、ゲートが下手だったしドスローだったのでリカバーできたが、二の足もそこまで速くなかったからね。個人的にはゲート含めて前半のほうが気になったかな。ここはハイレベルだったし、トップスピード戦になる可能性は少ない皐月賞なのでこの展開でここまでやれればひとまず問題ないかな。

スプリングS(GII)1着

中山芝内1800m重 15頭8枠14番
風向き:南4.3m/s(船橋市16:00)
1:52.0 50.2-49.5 M
12.8 - 11.7 - 12.7 - 13.0 - 12.3 - 12.5 - 12.4 - 12.1 - 12.5

 前走のスプリングSでは重馬場となったがその中でかなり有酸素運動面を求められた一戦。ペースも平均では進んでいるし、向こう正面から12秒台前半~半ばとなってロンスパ気味。最速はL2ではあるがそれでも12.1と11秒台を出すところまでは求められない、非常にタフな競馬になった。南から4.3m/sの風で、そこそこきつめだがBSで向かい風、HSでは追い風。ただラップ的にそこまで速いところを踏んでいないので風の影響はそこまで考えなくてもよいかな。

 14番枠から坂スタートで五分のスタート、そこから外枠でもある程度ポジションを取って好位の外から1~2角のコーナーワークでナチュラルに中団に収めていく感じ。道中も中団馬群の外目で流れにある程度乗って前のアサマノイタズラの後ろから進めて3角へ。3~4角で先に外から動いたアサマノイタズラからワンテンポ仕掛けをもって大外には出さず、4角で手が動いてここで大外に誘導して中団で直線。序盤では先頭列からそこそこ離されていたがジリジリと伸びて好位列。L1で一気に伸びて前のアサマノイタズラとの叩き合いに持ち込んでのアタマ差の勝利。

 ひとまずゲートを普通に出たのは収穫かな。坂スタートではあるのであてにならない面もあるが、外からしっかりと中団を取って意識的に前半から位置を取れたのは良い材料。それと、馬場がタフなので絶対的には50.2と遅いもののバランスとして平均の流れで前半で脚を使ってきたと。前半のパワー型基礎スピードが求められた中で有酸素運動で分散しつつ、後半のポテンシャルで違いを作れた。後半も前半も完全なる有酸素運動の競馬で強さを発揮してきたのは今年の馬場が軽くない想定となる皐月賞を考えるとプラス材料になる。強い競馬ができたのは確かだけど、要所での動きはアサマノイタズラの方がよかったので、4角出口での加速が求められたときに対応できるかどうかだろうね。まあでもここまで流れてやれているし、この馬自身は後半型のバランスでの競馬だったにせよポテンシャルをはっきりと見せているのは好材料。

皐月賞2021への展望

 今回の皐月賞はメンバー構成を見てもあまり前半から飛ばしそうな逃げ馬が不在かなと思っているけど、それでも中山に1周コースで本番で流石にある程度では流れると見ておいた方がいいと。その中でスプリングSで後半のポテンシャルをタフな馬場での平均ペースという完全有酸素運動の競馬で外から最後までしぶとく伸びて差し込めたと言うのは適性面で見て大きなアドバンテージになるかな。もちろんそうなるとアサマノイタズラ辺りまでチャンスは出てくることにはなるのだが、別路線組としては適性的に不安がない上にある程度高いパフォーマンスを見せ続けているというのはいい。

 2000mへの延長にはなるが、基本一周コースの中山1800で対応できているのであればそこまで気にしなくていいだろうと。もちろん今回は相手関係がさらに強敵になるし、やはりどうしても要所で少し置かれるという面は気になるところ。大きく崩れないけど要所で器用にというタイプが時計がかかる中山2000では求められがち。難しいところだが、ゲートも含めて強く狙うところまではとなるともうワンパンチ欲しいかな。連下〜3着紐での押さえあたりで考えたいところ。

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