フェブラリーステークス 2020 出走予定馬:インティ&武豊騎手想定

第37回 フェブラリーステークス(GI)出走予定馬展望

日程:2020年2月23日(日)
コース:東京ダ1600m

予想用・出走予定馬一覧

フェブラリーステークス2020の予想用・出走予定馬一覧

インティ(武豊騎手想定)

 昨年のフェブラリーステークスの覇者インティと武豊のコンビが今年は連覇を懸けてフェブラリーステークスに出走予定だ。破竹の7連勝が途切れてからは5連敗と勝利から見放されて早一年。昨年戴冠の舞台となった府中で華麗なる復活となるか。

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 連勝時は相手関係が楽だったこともあって、得意条件でなくても勝ち切れていたという印象だが、突き詰めればやはり一瞬の反応を活かせる舞台のほうが良い。その点では府中のマイルは絶好の舞台ではあると。ただもちろんだけど前目で競馬したい馬なのは確かで、前がゴリゴリに競ってくると簡単ではなくなる。芝スタートの東京マイルだと昨年ほどうまくペースを支配するというのは簡単ではないので同型の出方がカギになるかな。

フェブラリーS(GI)1着

東京ダ1600m良 14頭4枠6番
1:35.6 48.0-47.6 M
12.4 - 11.5 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 11.6 - 11.4 - 12.4

 昨年のフェブラリーS勝ちから振り返りたい。東京のマイル戦らしい競馬で、ペースをうまく平均にコントロールし3~4角で12秒台とゆったり進めたのもあるが、L2最速で11.4とかなり速いラップをたたき出してきた。トップスピードの質の高さと、坂の登りでのギアチェンジの性能の高さをはっきりと見せた一戦。

 6番枠から五分のスタートだが二の足の速さで主張し切ってハナを切る。そのままペースをうまくコントロールして後続を引きつけながら3角。3~4角でも持ったままで我慢して12秒台、4角出口で軽く促して1馬身ちょっとの差で直線。L3の段階で2馬身まで広げ、L2の最速地点でぐんと突き放して3馬身差だがゴールドドリームには食らいつかれる。L1ではゴールドに接近を許すがクビ差で振り切った。

 強い競馬だったが一番はやはり直線前半から半ばにかけての一気の出し抜きだろう。コーナーでは12秒台と比較的ゆったりした流れから、一気に直線半ばで11.4まで引き上げてきた。トップスピードの質も高いのだが、何よりもそこまでのギアチェンジの性能が高く一気に加速してそこで突き放してきている。これに唯一食らいつけたゴールドドリームですら差を詰められたのはL1の減速地点。後ろの馬は全く勝負の土俵に上がれていなかったからね。この直線での反応の良さ、一気にギアを上げられる加速性能が最大の武器であるし、だからこそ比較的ギアの上げ下げが要求されやすい東京マイルはフィットしたんだと思う。恐らく距離適性的にも本質的にはマイルぐらいが良いんじゃないかなと。

チャンピオンズC(GI)3着

中京ダ1800m良 16頭2枠4番
1:48.7(+0.2) 48.7-47.7 S^1
12.8 - 11.3 - 12.5 - 12.1 - 12.1 - 12.0 - 12.0 - 11.6 - 12.1

 チャンピオンズCでは同様にL2最速でしっかりと加速の形に持ち込めたのだが、ここでは結果的にL1で甘くなってクリソベリル・ゴールドドリームに完敗。この辺からも今は1800は若干長い可能性が出てきたかなと思っている。

 4番枠から好発を決めて楽にハナを主張し切る。そのまま1~2角までは余裕をもってペースをコントロールして進めるが、向こう正面で少し引き上げて後続の動きを牽制しながらもペースをスローまでにコントロールして3角と完璧。3~4角でもペースを上げずに仕掛けを我慢して直線。序盤で1馬身ほどのリードを広げに掛かって1馬身1/4差。ただL1で甘くなったところを内外から来られて後退、ゴールドドリームからは1馬身1/4差の3着だった。

 バランス的には結構完璧に近い形ではあるんだけど、敢えて言えば前半が緩く中盤でそこそこ、後半速いラップではあったものの加速度としては12.0-11.6だからそこまででもなかったしだから後続も食らいつけたという感じではあったと。1周コースの1800だとどうしても中盤で大きく緩むケースというのが少ないし、その点でもペースを落として一気の加速というのができなかったのかなと。使える脚は一瞬なので、鋭く一足を使えても他が食らいついてくるとL1で甘くなるのでそこを差される。その辺りを踏まえてもやはり3~4角では遅めのラップで後ろが動いてこない形、というのが理想ではあるかな。ギアの上げ下げの上手さを活かせる舞台のほうが良いし、チャンピオンズCでもそれは高いレベルで果たせたけど突き詰めればL3-2の加速度がもう少し大きい形を取れればというところなんだと思う。

東海S(GII)3着

京都ダ1800m重 16頭7枠13番
1:50.4(+0.2) 49.3-48.5 S^1
12.3 - 11.7 - 12.9 - 12.4 - 12.4 - 12.3 - 12.0 - 11.9 - 12.3

 前走の東海Sでは逃げ馬がそろっていた中で外枠と難しい並びだったこともあり無理はしない競馬を選択した。本番への課題も含めて逃げられなくてもやれるということを証明したかった面もあるかもしれない。ペースはややスローでコントロールされているが、+2最速でも11.9という程度だし、そこまで加速を求められる競馬ではなかった。前半はポジショニング、後半のポテンシャル面を要求された一戦ではあるかな。

 13番枠から五分のスタート、そこから軽く促して入るが内の3頭が速いので無理はせずに好位の外。道中も前4頭ほどが少し離している中で中団の外目と流石に少し後ろ。そこから3~4角でペースが上がる流れで中団外から進出、4角では先頭列まで押し上げて直線。ただここからエアアルマスのしぶとさに食らいつくところまで、L1では外からヴェンジェンスに交わされての3着。

 まあエアアルマスには最後までリードを広げさせなかったし1馬身差をキープできたのは一定の評価。また3~4角でペースが上がっていく中で外外を回して中団から勝ちにいく競馬でそれなりにやれたというのも良かったと思う。この競馬で良いとは思わないが、少なくとも他の騎手からすれば無理に競って行っても控えられる可能性もある、と臭わせることができたのは一定の収穫だと思う。ただ、やはり末脚の絶対量が足りないので、勝ち負けを考えると前で仕掛けを待ってできるだけ一気の加速で勝負を決めてしまいたい。その点でも前目で出来るだけレースを支配できる形が望ましいだろう。

フェブラリーステークス2020への展望

 東京マイルの舞台自体は噛み合いやすい。ただ、同時にオーバーペースのリスクが孕むのもこのコースの特徴。昨年は平均に上手く支配できたことで余裕をもって直線で一気の加速に持ち込めたし最速ラップ11.4ではトップスピードの質の高さを誇るゴールドドリームをもってしても難しく、差を詰めたのは減速地点に入ってからだった。ペースをコントロールできれば今回のメンバー構成ならトップレベルにあるのは間違いない(まあモズアスコットがかなり強敵かもしれないが)。特に今回そこまでトップスピードの質を高いレベルで持っている馬はいないと思う。

 逆にハイペースとなると難しいというか、強敵が多い。武蔵野S上位は東京マイル戦としてはかなり時計的に優秀だし、あの流れからの最速ラップ11.6も厄介。厳しい流れで基礎スピードを求められたときにマイルで高いレベルでやれるのか?というのは実はまだ未知数なので、フェブラリーSのベースがかなりのハイペースを考える必要がある以上、前半部分のリスクは避けては通れないかな。基本的には自身スロー~平均までで結果を出しているのは事実だからね。この点を踏まえても、前半でオーバーペースのリスクは考えたい。ただ、緩い地点から一気に加速するギアチェンジは抜けているので、嵌れば普通に圧勝しても良いし振れ幅の大きい馬ではあると感じる。現時点では何ともだが、個人的には少し外目の枠から二の足で取り切ってペースコントロール、というほうが良い。内枠だと外の馬に突かれて突かれてのリスクがあるし、下げるとしても包まれるリスクがあるからね。人気しちゃうんだけど、嵌ったときには勝つ可能性が高いのは確かで、単穴辺りで考えたい馬にはなる。

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