スプリンターズステークス 2020 出走予定馬:ミスターメロディ&福永騎手想定

第54回 スプリンターズステークス(GI)出走予定馬展望

日程:2020年10月4日(日)
コース:中山芝外1200m

予想用・出走予定馬一覧

スプリンターズステークス2020の予想用・出走予定馬一覧

ミスターメロディ(福永騎手想定)

 昨年の高松宮記念で鮮やかに抜け出しGI馬となったミスターメロディがスプリンターズステークスに出走予定だ。昨年のスプリンターズステークスでは4着と歯がゆい結果に終わり、今年もセントウルステークス3着こそあるものの物足りない状況。この逆境を覆し、GI馬の意地を見せてもらいたい。

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 まあ正直ここに入るとワンランク落ちるかな…という気はしている。昨年の宮記念は高速馬場の中で一足を上手く使ってきた印象だし、セイウンコウセイも悪い馬ではないけどこれが結構いい競馬ができた中で上手く進路が開いたというのも天啓だったかなと。乾坤一擲の競馬だった印象で、本質的に1200でタフな流れでどうなんだ?ってのもあるかな。

高松宮記念(GI)1着

中京芝1200m良 18頭2枠3番
1:07.3 33.2-34.1 H^1
12.0 - 10.1 - 11.1 - 11.4 - 11.2 - 11.5

 まずは昨年の宮記念勝ちからかな。良馬場でペースはややハイ。ラップ推移的にはL3-2で再加速が起こっているように中京1200らしい競馬ではあったかなと。

 3番枠から五分のスタート、そこから促しながらだが内枠でもあり上手く内のスペースを拾いながらセイウンコウセイを目標にしつつ、3~4角でもセイウンの後ろで一つ外を回しながら直線。序盤で前にいたセイウンが外に寄れたことで前が開いてしっかりと反応し先頭列に並びかける。L1でセイウンを捕えて外からジリジリと伸びていたダノンスマッシュを楽に封じての半馬身差勝利。

 器用さを最大限に活かせたなというのはあるが、恵まれた面が2点ある。一つはやはりいい位置を取れた点。これに関しては正直ゲートは五分程度で決して良かったわけではないし、二の足もそこまで速いというほどでもなかった。ただセイウンコウセイがある程度引き離していて、好位の内目のスペースが空いていたというのはかなり大きかったかなと。もう一つは4角で減速で我慢が強いられて直線で本来なら進路を作らなければいけなかった。が、すぐに進路が開いたので追うだけで良かった。もちろんそこでスッと加速して坂の登りで動けたというのはこの馬の武器ではあるんだけど、もうちょっと進路確保で苦労していたら勝ち切れなかったかもしれない、ぐらいの着差ではある。また外枠だったら3~4角でどうしてもロスが産まれてしまうし…という点で踏まえても色々な面が噛み合い切った末の勝利といえなくもないかなと。

スプリンターズS(GI)4着

中山芝外1200m良 16頭7枠13番
1:07.4(+0.3) 32.8-34.3 H^2
11.9 - 10.1 - 10.8 - 11.3 - 11.2 - 11.8

 実際昨年秋のスプリンターズSでは外枠から正攻法で競馬して甘くなった。悪い競馬ではなかったけど、噛み合っていた部分が無くなるとトップレベル相手には少し差があったかなという内容の4着だったからね。かなりのハイでL3-2で誤差程度の再加速はあった。そこで一瞬は良かったんだけど…という競馬になってしまった。

 13番枠からここでは好発を切って進めていたが、先行勢が雁行状態となって競ってきたので我慢しつつ好位の外に下げる形。3~4角で2列目までじわっと外から押し上げながら4角では2番手に押し上げて直線。序盤で単独の2番手でモズ相手に1馬身差まで食らいつく。しかしL1では甘くなって外差しのタワー、さらにダノンスマッシュにも交わされて4着完敗。

 ダノン比較で見ても1馬身差をつけられてしまったからね。要所での動きなんかは良かったし、4角でラップもそこまで落ちていない中で外からスーッと動けたようにこういう脚は宮記念同様いいものを持っている。この程度のハイペースなら一足は使えそうなんだけど、外から動いて使ってしまって甘くなるのもちょっと早かったかなというところ。地力で勝ちに行ってどうこうってタイプの馬ではないと思う。前半、勝負どころのコーナーで我慢して要所の反応の良さをできるだけいい位置で使えるような形が望ましい。また再加速の形のほうが恐らく適性的にもフィットしていると思う。

セントウルS(GII)3着

中京芝1200m良 17頭4枠7番
1:08.1(+0.2) 33.0-34.9 H^2
11.8 - 10.3 - 10.9 - 11.4 - 11.6 - 11.9

 前哨戦のセントウルSでは3着と悪くない内容だったが、個人的にはこの形で3着だと本番でどこまで…というのは正直感じたかな。まあ昨年も前哨戦のセントウルSではいまいちだったから本番はもう少し巻き返してくるとは思うんだけど…。ペースはかなりのハイでラップ推移的にも消耗戦となっている。

 7番枠からまずまずのスタートを切ってそこから無理はせずに枠の良さを生かして好位の内目に入っていく。前がやりあう中でそこまで無理せず4列目の内で最短距離を通しながらダノンを目標に直線で外。序盤でダノンスマッシュに対して外からスッと食らいついてくるんだがまだ2列目。L1で何とか踏ん張っていたがメイショウグロッケに急追を許してクビ差差されての3着だった。

 ん~まあ前哨戦としては悪くはないんだが、やはり単調な基礎スピード勝負になってしまうと甘くなるのも早いなという感じ。途中で加速するタイミングは今回は全くなかったと思うので、減速していく競馬だと良さが出づらいなというのは感じたかな。純正スプリンターとしての資質がこの一戦では求められていたと思うし、もっと言えば昨年のスプリンターズSでもそういう流れの中で外枠から一瞬脚は使ってけど甘くなった。宮記念を勝った時は坂の登りの加速に上手く内枠も噛み合った。ここは枠自体は良かったんだけど、単調な流れになったことでダノンに対して付け入るスキがなかったかな。まあ前哨戦のダノンはかなり走るから、こちらは2走目ででどこまで詰められるかやね。

スプリンターズステークス2020への展望

 今回は結構条件的には難しいところが多いかなと。まずは宮記念を勝った内容からも極端な流れでないほうが良いとは思う。高速馬場でL2の坂の登りでの加速が求められて良さが出ている印象が強い。昨年秋のスプリンターズSでも4着だったがL3-2の加速の地点までは外から良い脚を使って食らいついていたからね。減速地点が早く来ると甘くなるし、道中で加速するタイミングが無いとちょっと難しいかなと感じるところもある。もともと阪神Cでダイアナヘイロー相手に2着した時も内内でロスなく立ち回って一瞬だけいい脚を使ってL1が甘かった。阪急杯では外枠で脚を使って終わってしまったからね。凄くその辺が重要な馬で、とにかく大前提で内枠が欲しい馬というのはある。

 ただ、正直今の中山だとまず時計が掛るので、モズが飛ばしてハイレベルでという想定で考えても33.5-35.0ぐらいで1:08.5は掛かると思う。幸い今週は終始晴れ模様なので、それが功を奏してパンパン良馬場で多少軽くなっても7秒後半が出ればいい方だろう。加えて言えば、今は外差し傾向ではある。この辺を踏まえると、正直ミスターメロディの絶妙な器用さというのがなかなか活かしづらい条件になるんじゃないかなと率直に感じている。現時点での1200の力関係を踏まえても、ここは思い切って消してしまいたい一頭かな。叩いて良化してくる可能性は十分にあるけど、それでも昨年並みと考えて、さらに馬場や外差し傾向という点も踏まえてとなると他に狙いたい馬が浮上してくる、という感じかな。

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