大阪杯 2020 出走予定馬:サトノソルタス&藤岡康騎手想定
第64回 大阪杯(GI)出走予定馬展望
日程:2020年4月5日(日)
コース:阪神芝内2000m
予想用・出走予定馬一覧
サトノソルタス(藤岡康騎手想定)
昨年秋のノベンバーステークスで接戦を制し頭角を現してきたサトノソルタスが大阪杯に出走予定だ。前走の金鯱賞ではサートゥルナーリアに完敗も2着と賞金を積みあげた。初のGI挑戦となるが、ここであっと驚く跳躍ぶりを見せられるか。
前走の金鯱賞の2着はこの馬の良さが引き出しやすい展開になったのもあるかなと思う。また相手も割と楽だった。今回は比較的仕掛けが早くなる傾向の阪神内回りの2000mだし、この馬の評価としては素材面を出し切ってどこまでやれるのか?というのを冷静に判断しないといけないと思う。
ノベンバーS(3C)1着
東京芝2000m良 8頭2枠2番
1:59.0 61.0-58.0 S^3
13.4 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 12.4 - 12.1 - 11.9 - 11.2 - 11.1 - 11.7
3走前のノベンバーSから振り返りたい。東京の2000m戦で見ての通りの超スロー。そこからの3F戦に近い。直線でトップスピードを求められた一戦といえる。
2番枠からまずまずのスタート、二の足はそうでもないが、枠が良く急かさずに楽に中団の内を確保する。道中も中団の内目で進めて前が単騎気味の中でじっと我慢。3~4角で徐々に2列目が前との差を詰めていく中で最短距離を通して3列目の内内、4角出口で外に出して直線。序盤で追い出されているが伸びは地味。L2の最速地点で外からじわっと伸びてくるが先頭とは半馬身差。L1でしっかりと捕えたが、外からレッドラフェスタにクビ差まで迫られるが押し切った。
ここでは相手も楽だったとは思うし、パフォーマンスとして見てもそこまでは目立たなかったかな。ただ3~4角で前を追いかけながらの競馬になって、そこで分散しながら最後までしぶとく伸びてきたのは一定の評価をしたいと。またスローでトップスピード勝負ならばある程度対応できたし、金鯱賞の好走もやはりスローでいい位置を取ってという競馬ができたのがあるかなと。ただ、L1で甘くなっているように、素材面でそこまで高いレベルだったとは正直思わない。ここはサトノエルドールやアシュリンと結構メンツが揃っていたんだけど、その中で3~4角を通せたところが良かったというのはあるし、突き詰めれば枠が良かった面はあるからね。
中日新聞杯(GIII)5着
中京芝2000m良 16頭7枠13番
1:59.6(+0.4) 60.8-58.4 S^2
12.7 - 10.9 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 11.6 - 11.6
2走前の中日新聞杯では5着と完敗を喫している。ペースは2.4でかなりのスロー、そこからのL3最速で11.3という程度。L4で11.8となっていて割とロングスプリント的な競馬になったかなと思う。その中でL1で甘くなったのと前半のポジショニングの問題もあったかな。
13番枠からやや出負け、そこから促しながら追走していくが枠も良くなくて中団の外まで。道中もスローの流れの中で中団やや前目につけて3角に入る。3~4角でペースが上がっていくところで好位の外目から仕掛けを待ちつつ直線。序盤で3列目から壁に巻き込まれてしまう。L1では進路確保できていたが外からの差し馬勢に明確に見劣っての5着完敗。
まあ直線で2列目が完全に広がって壁になっていたし、坂の登りで待たされてしまったのは痛かったとは思う。L2の地点で進路があればもう少し早い段階で伸びてはいたと思うが、L1での甘さは確かに感じたので基本的にはロングスプリントの適性はそんなに感じなかったかな。それと、ノベンバーSの場合は東京2000で内枠といい位置を取るのがイージーな状況だったが、ここでは外枠で難しくなってしまった。スローだったので好位外ぐらいまでは持っていけたけど、縦のポジションを取ってもなかなか横のポジションで理想的な所は取れないし、この辺りがこの馬にとってはポイントになるかなと思う。マレーシアCを見ても後ろから、外から勝ちに行ってどうこうってタイプの馬ではない。素材面でそこまで突き抜けたものはないと思う。
金鯱賞(GII)2着
中京芝2000m良 12頭6枠8番
2:01.9(+0.3) 63.6-58.0 S^6
12.9 - 11.8 - 13.2 - 13.0 - 12.7 - 12.4 - 11.8 - 11.2 - 11.1 - 11.5
前走の金鯱賞はそのポジショニング面で上手く行ったのも大きいかなと思う。ペースは5.6で極端に遅い。ダイワキャグニーがペースを落としすぎたのも大きいが、その中で3列目の外を確保できたからね。3~4角でそこまで外でもなかったし、サートゥルの仕掛けを前で受けられたのも良かった。またダイワキャグニーにとっては切れ負けしてしまうほどのドスローと仕掛けの遅さというのもあったので。
8番枠から五分のスタート、少し接触を受けていて様子を見ながら好位の外目で進めていたが、途中で促して2列目外。道中もドスローで前が支配する中で3列目の外で仕掛けを待つ。3~4角で2列目の外に並びかけつつも仕掛けを待つ、4角でダイワがペースを一気に引き上げるところで少しロスがあるが2列目外をキープ。直線でそこから伸びてきてダイワとの差は詰めるがサートゥルには一気に並ばれる。L1でダイワを何とか捕えたがサートゥルには突き放され、外から伸びてきたギベオンやラストドラフトには少し詰められての2着。
4角で外目を通す形になった中で2着を確保し切ったのは評価したいけど、サートゥル相手にL1まで突き放されているようにあまりロングスプリントの適性が高いタイプではないと思う、というのはここも感じるかな。結局サートゥルが仕掛けを待っている状況で前目にいることができたのが大きいのと、ダイワの内田が無意味にドスローに持ち込んでくれたことでトップスピードの質的に優位に立てたのが大きい。ギベオンなんかは包まれて捌けなかったし、ラストドラフトは後ろから仕掛けも遅かったし、正直かなり特殊な流れの中でポジション差は大きかったと思う。最序盤だって決してスムーズに3番手を取ったわけではなく、序盤は中団ぐらいからドスローの流れで押し上げられた面が大きい。GIとなると最序盤の進め方も簡単ではなくなるからね。この入り方はかなり重要だし3~4角でどの位置を通せているか?というのはシビアに見たい。
大阪杯2020への展望
まず前提として好走しているときはいい位置を取っていることと、スローである程度速いラップを要求されているということになる。ノベンバーSでも内枠で割と楽に良い位置を取れたというのはある。また金鯱賞では前半が極端に遅かったところで外枠から押し上げるという選択が噛み合っていた。どちらもゲートからの二の足そのものはあまり速かったわけではないので、今回も枠は結構重要になるんじゃないかなと。
それと、やはりL1はどうしても高いレベルではちょっと甘い。金鯱賞は極端なドスローだったところで出し切れたが、L1で脚を余していた馬たちに来られていた。中日新聞杯は坂の登りで進路が無かった。壁で包まれて待たされたのは厳しい状況だったといえる。ただL1で進路ができてからの伸びは物足りなかったし、惰性を削ぐ形になったことを差し引いてももうちょっと伸びてほしかった。今回はロングスプリントの強敵が相当多いので、スローから速いラップを連続する形になれば恐らく素材的には苦戦すると思う。そこを補うためにも前半のうちにいかに縦・横のポジションどちらも妥協せずに取れるか。思い切って前を取った結果スロー、あわよくば仕掛けのタイミングが少し遅れればそれだけ残るチャンスも広がっては来るが…現時点では消す可能性が高い。