大阪杯 2020 出走予定馬:ダノンキングリー&横山典騎手想定

第64回 大阪杯(GI)出走予定馬展望

日程:2020年4月5日(日)
コース:阪神芝内2000m

予想用・出走予定馬一覧

大阪杯2020の予想用・出走予定馬一覧

ダノンキングリー(横山典騎手想定)

 中山記念、毎日王冠、共同通信杯と1800m重賞3勝のダノンキングリーが大阪杯に出走予定だ。皐月賞でも3着、日本ダービーでも2着と存在感を見せてきたがGIタイトルには届かないままここまで来た。見せてきたパフォーマンスは現役トップレベル、その証明を春の静かな仁川で果たしたい。

 この馬は3歳春までちょっと見誤っていた面はあったかも。もちろんどの要素でも高いレベルでいい競馬ができていたんだけど、現役トップレベルでとなったときに突き詰めると、意外と素材型だなというのは感じる。マイルCSの負け方が意外だったので。

毎日王冠(GII)1着

東京芝1800m良 10頭8枠9番
1:44.4 47.0-45.9 S^1
12.9 - 11.3 - 11.3 - 11.5 - 11.5 - 11.6 - 11.2 - 11.3 - 11.8

 毎日王冠がこれまでの中でベストバウトかなと思う。東京の1800m戦で良馬場、高速馬場だったのは間違いないと思うが、雨の影響が残ってはいたしそこまで極端というほどではなかったと思う。その中でアエロリットがややスローで上手く進めつつも中盤で11秒半ばまで。この流れで出負けして後半のロングスプリントで違いを見せてきたというのはかなり驚かされた。

 9番枠から出遅れて最後方からの競馬となってしまう。前半だけスローだが中盤以降は淡々と11秒台半ばで進む中で最後方の内目で進めて押し上げられないまま3角。3~4角でもペースが落ちない中で後方から少し外目を回し、4角出口で大外に持ち出す。序盤での伸びはまずまず、少し差を詰めるがL2で明確に伸びてここで一気に2列目。L1でそのまま粘り込むアエロリットを楽々交わして1馬身1/4差完勝。

 結果的にこのアエロリットが天皇賞秋でも3着と頑張ったし、比較で見てもかなり強い競馬をしている。特に驚かされたのが後半のロングスプリント性能の高さ。これは衝撃のレベルで出遅れた時点で難しいと思っていたし、大外一気を決められてラップを見てさらに驚かされた。どこも緩んでない、3~4角でも流れていて外を回して直線最後まで伸びきって。アエロリットをあっさり差すというのはかなり難しいし、このラップはアエロリットにとってもほぼ理想の形だったと思う。かなり強かったし、これだと後半のロングスプリントという素材面を高く評価したほうが良いんじゃないかなと。3歳春は総合力の高さを評価していたんだけど、実際次のマイルCSでは要所の反応でトップレベル相手に見劣ったからね。

マイルCS(GI)5着

京都芝外1600m良 17頭1枠1番
1:33.4(+0.4) 47.2-45.8 S^1
12.5 - 11.2 - 11.6 - 11.9 - 11.6 - 11.5 - 11.0 - 11.7

 2走前のマイルCSでは5着と完敗を喫した。正直3歳春のイメージでいたので器用さを期待していたんだが、内が馬場の悪い状態だった可能性はあるにせよ、動き出しが鈍かった。…まあギアチェンジ型の強敵が多かったのも確かだが。ペースは1.4でスローから後半4Fで分散しつつのL2最速でもう一段の加速。ギアチェンジをここで求められている。

 1番枠から五分のスタート、じわっとリカバーしながら中団やや前目で内を通す。道中もペースが落ち着く中で包まれた状態。3角でじわっと前との差を詰めて3列目の内、グァンチャの後ろから直線で最内を取る。序盤でグァンチャの内からジリジリと伸びるが2列目までで外のほうが脚色が良い。L1ではそれなりに伸びていたものの5着まで。

 今のこの馬は直線であまり一気の加速が求められないほうが良いのかな…というのは感じた。イメージとして共同通信杯があったので、あの流れでアドマイヤマーズをあっさりとギアチェンジで交わし去ったというインパクトは大きかったんだけど。ただ結果的には完敗だった。馬場が重かったのがフィットしなかった可能性も考えたが、それだと前走の中山記念との整合性がつかない。となると、やはりこのレベルで要所のギアチェンジを求められて一気に動けなかったか、内の馬場が悪かったかのどちらかになる。

中山記念(GII)1着

中山芝内1800m良 9頭3枠3番
1:46.3 47.8-47.0 S^1
12.4 - 11.8 - 11.8 - 11.8 - 11.5 - 11.7 - 11.9 - 11.3 - 12.1

 前走の中山記念ではしっかりと強敵相手にねじ伏せてきた。パターンとしては噛み合ったとは思うが。ペースはややスローで前が飛ばしている形。それを離れた3番手で追いかけながら3~4角で最短距離を通しつつ差を詰めて直線抜け出した。ただ、相手関係やパフォーマンスで考えると毎日王冠のほうが強かったとは思っているが。

 3番枠からまずまずのスタート、そこから促しながら先行策、最終的には楽に3列目の内でコントロールする。道中も前のマルターズアポジーが飛ばして進める中で無理せず3番手、スペースを保った状態で3角。3角ではそのスペースを活かしてじわっと仕掛けて4角で一気に差を詰めて最短距離に近いところを通しながら直線で外。序盤でそのまま一気に先頭に立ち、L1で差を広げての1馬身3/4差完勝。

 まあここは後ろから行くかな?と思っていたのでスローの段階で上手く3番手を取った時点でやられたとは思っていた。ただ3~4角は前が離していてラップ的には減速している。ここで最短距離を通しながらもスペースを活かしてスピードに乗せながら出口で外と完璧に運んできた。その割にはというところで、やはり本質的には力の要る馬場よりは高速馬場のほうが破壊力が増すんだろうとは感じたかな。とはいえ、ラッキーライラックを全く問題としていないし、ウインブライトは今年は不発だったが、例年安定しているペルシアンナイトとの比較で見ても高いパフォーマンスだったと思う。

大阪杯2020への展望

 馬場次第で評価を変えたい一頭になるが、やはり毎日王冠で見せたロングスプリント能力は現役でもトップレベルだと思う。正直後半の素材面…特にロングスプリントではアーモンドアイの次点はこの馬だと思うし、アエロリット比較で見ても3番手以下とは少し差があると思っている。これが引き出せるなら今回の大阪杯の条件なら本命視しないといけない。ただし、やはり時計が掛かる馬場だとベストパフォーマンスではなくなる。マイルCSはギアチェンジを求められた中で反応がいまいちだったし、内の馬場が悪かった可能性は残しておくがそれでも物足りなかった。中山記念は標準ぐらいの馬場で強い競馬をしているけど、毎日王冠のようなインパクトはなかったと思う。適性面で見たときに、やはりタフな馬場向きではないだろう。当日の天気は今のところ晴れそうなので、後は土曜の馬場を見ての判断かな。

 相手関係を見ても高速馬場ではヴェロックスが同世代のライバルで強敵だが、秋のパフォーマンス上昇という点で見ればヴェロックスが状態面を戻せたとしても一枚上だと思う。また今回はワグネリアンやブラストが5歳世代の強敵。ワグネリアンは厄介な敵ではあるけど、ロングスプリントでは天皇賞秋で普通にアエロリットを差し切れていないからね。現時点ではダノンキングリーのほうが上だと判断したい。ラッキーライラックは直接対決で破っている相手だが、エリ女のようにトップスピードの質を求められると厄介。ダノンキングリーも共同通信杯を見る限り質的にトップスピードを持っているとも思うんだけど、11秒前後を連続する能力が高いのは確かだし、出来ればスローから早めの仕掛けの競馬になってほしいかな。土曜を見て若葉S、阪神大賞典週みたいな高速馬場になりつつあれば本命の可能性が高い。逆に思ったより時計が掛かっていたら一段下げるかも。

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