【※無料公開対象】ヴィクトリアマイル 2022 出走予定馬:ソダシ&吉田隼騎手想定

第17回 ヴィクトリアマイル(GI)出走予定馬展望

日程:2022年5月15日(日)
コース:東京芝1600m

ソダシ(吉田隼騎手想定)

 白毛初のGI馬、桜花賞馬ソダシがヴィクトリアマイルに出走予定だ。芝とダートの二刀流を目指し、フェブラリーステークスでも3着と健闘。再び芝に戻って得意のマイルの舞台、相手は揃うが白毛の先駆者が府中でも輝きを放てるか。

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 ポイントは3~4角かな。フェブラリーSは芝のようなラップ推移になっていて3~4角ではそこまで速くなくてトップスピードがダートでも求められた。その点でやはり本質的には芝馬だろうとは思っているけど、府中ではこれも含めて3~4角で緩いケースしか経験が無い。淡々と流れたときに左回りでもやれれば、というところかな。それを除けば総合的にはスキのない馬。

桜花賞(GI)1着

阪神芝外1600m良 18頭2枠4番
風向き:南西2.8m/s(豊中市15:40)
1:31.1R 45.2-45.9 M
12.1 - 10.8 - 11.2 - 11.1 - 11.6 - 11.2 - 11.2 - 11.9

 6走前の桜花賞勝ちから振り返りたい。阪神のマイル戦で超高速馬場だったがそれでもレコード決着。ペースは平均だが古馬マイルGIレベルの45-45。メイケイエールが途中で掛かったので中盤も大きく緩まず、L4で11.6がある程度で11秒台前半を刻む流れからのL3最速タイで11.2。4角地点で速いラップを踏んでいるし、ここでの立ち回りも求められたし、3角地点でも速いからね。基本的に3~4角でロスなく運べた方が有利だったとは思う。風は南西からなので4角地点が完全向かい風。

 4番枠から好発、そこから余裕を持っての先行策だが、外からストゥーティが切ってきたので我慢しつつその後ろ。ただ少しコントロールに苦労してというところで2列目の内でスペースが無い中で外からメイケイエールが飛ばしてくれてこれでスペースが空く。そのまま割と淡々とした流れを2列目の内で上手くストゥーティの後ろから出口で外。序盤で左手前に換えてそこからしぶとく伸びて先頭に立って1馬身差。L1終盤で右手前に戻して外から突っ込んでくるサトノレイナスをクビ差で振り切った。

 まずシンプルに強かったとは思うが、前半は噛み合ったのと気性面でやはり前掛かりだなというのはどうしても感じたかな。ストゥーティの入り方が岩田らしいというか、内にカットしつつペースを落としてくるのでスペースを作れず馬の方が少しエキサイトするような、本当にいやらしい入り方。ただ、結果的にそのせいでメイケイエールが余計にかかってしまってコントロールできなかったので、そこで前を突いてくれて結果スペースができたという結構恵まれた部分はある。とはいえ、そこからはスムーズで出し切ってそのまま押し切っているわけでね。前半の基礎スピード面の質の高さ、後半のロングスプリントの両面を高いレベルで持っていたからこその勝利と言える。サトノレイナスとの比較だとロングスプリント面で相手が溜めてからこれだけ弾けられると…というのはあるんだけど、ファインルージュやアカイトリノムスメには余裕を持って抑えているからね。特に完璧に運んだファインルージュに対してこの着差だから。一枚上だと思う。前半のコントロール面の課題はあるけど、基礎スピードの高さは一級品で、個人的にはマイルかそれ以外なら1400がベストの可能性が高い馬だと思う。高速馬場で流れて、その中での要所の反応が良かったからね。

秋華賞(GI)10着

阪神芝内2000m良 16頭2枠4番
風向き:北北西9.3m/s(豊中市15:40)
2:02.1(+0.9) 61.2-60.0 S^1
12.8 - 11.6 - 12.2 - 12.3 - 12.3 - 12.0 - 11.5 - 11.3 - 12.3 - 12.9

 3走前の秋華賞では完敗を喫してしまっている。この時は結構特殊な状況で、まず北北西から9.3m/sとかなり強い風が吹いていて、これが3角地点完全追い風になっているのと、HSも向かい風に近い形。その中でスローではあるがL3最速11.3と重い馬場を考えても仕掛けがキツくロングスプリントのギアを求められ、直線では消耗してのポテンシャル戦というかなり特殊な競馬。

 4番枠からまずまずのスタートだが少し窮屈で、エイシンヒテンを行かせつつもコントロールしつつ2番手。最終的にエイシンヒテンが少し離してくれたのでその後ろを通しながら3角。3角で外に出してエイシンヒテンを目標に促しつつだがあまり手応えが良くない。4角では追われているがここでエイシンヒテンに離されて1馬身差で直線。序盤で左手前に換えるが伸びがジリジリでエイシンにも離され2列目に吸収される。L1は良いところなく左手前を維持していたが完敗の10着。

 ここで気になったのはやはりロングスプリント性能かな。前半はこれでも緩い流れだし、番手外で乗っていたとはいえそこまでの消耗が合ったと緒は思わない。距離も馬場も札幌記念でクリアできているので、単純に距離だけの問題ではないと。また坂の上り云々も関係ない。というかそもそもL3の4角地点で既に脚色が良くなかった。この辺を踏まえても、問題点はここにあると思うし、スローの後半型の競馬で各馬が余力を持てていたことと、3角の追い風でタフな馬場の中で早仕掛けになってしまってここで脚を使ったのが響いたかなという感じ。このレースは比較的長距離適性が求められたと判断している一戦なので、個人的には2000なら札幌記念ぐらい前後半のバランスをしっかりと作ってこないと難しいかなという印象は受けたね。4角で良でも馬場が重い中で、このラップはちょっとしんどい。

フェブラリーS(GI)3着

東京ダ1600m重 16頭6枠11番
風向き:北北東1.0m/s(府中市15:40)
1:34.3(+0.5) 46.8-47.0 M
12.2 - 11.0 - 11.3 - 12.3 - 12.4 - 11.6 - 11.2 - 11.8

 前走のフェブラリーSでは3着とダートでも健闘。ただこの一戦は重馬場で高速ダートだったし、ラップ的に見ても中盤の緩みが顕著でそこからのL2最速で11.2と芝並のラップを踏んでいる。この中で番手からしぶとく踏ん張っての3着。風は北北東からなので3角地点が完全向かい風になる。

 11番枠からやや出負け、そこから促して二の足での先行争いだが、サンライズホープが主張したのでそれを行かせながら、外から更にテイエムサウスダンが競って行くので行かせて3番手。そこからじわっと押し上げつつ3~4角では番手外、テイエムサウスダンを目標にしながら直線で右手前。序盤で追われてジリジリでここで一気にカフェファラオに並ばれ、L2では3番手。L1まで右手前を維持して最後はテイエムサウスダンに半馬身差まで迫ったものの3着までだった。

 出負け気味だったのはちょっと気になるけど二の足の速さは流石。そこからはコントロールしつつ中弛みに合わせた走りができていたからね。そこまでは良かったと思う。個人的に意外だったのは直線でのギアチェンジが求められたところで、もうちょっと反応できるというか速度負けしないと思っていた。カフェファラオやテイエムサウスダンが想像以上に切れたという見方もできるけど、芝馬としてはこの坂の登りでの加速というところでもうちょっと動きが欲しいなというのは感じたところではある。まあ芝のレースを見て判断が難しいところはあるがベストバウトは桜花賞かなとも思うので、あまり極端に緩みがあるよりは全体で流れた方が良いんだろう。それに軽い馬場ならアルテミスSで最速10.9の形でギアチェンジを求められても対応できてはいるので、やはり本質的には芝馬なのかなというのは感じるけどね。

ヴィクトリアマイル2022への展望

 悩ましいところではあるんだけど、基本的にはソダシを中心にしたいかなとは思っている。一点引っかかるのが左回りで速いラップをコーナーで求められたことがないというところかな。チャンピオンズCがダートではあるが後半である程度速いラップを踏んでいて、直線早々に甘kなっているのでそこは気になっているがダート、オークスは中弛みに巻き込まれる形で苦しかったうえに距離もあるので一概には言えない。ただ、アルテミスSにせよフェブラリーSにせよ3~4角では緩いラップを踏んで直線で加速する形にはなっている。個人的にはその部分だけ除けば、今回は本命でもいいかなという条件だと思う。

 もともと1400ぐらいで良い基礎スピードの質を持っているし、2000でも59.9-59.6と平均から12.4 - 11.8 - 11.8 - 11.7 - 11.9とポテンシャル戦で有酸素運動の競馬になった札幌記念では結構強い競馬で押し切っているので、単純な距離という点でマイルが長いことはまずもって無い。基礎スピードの質的にもマイルなら桜花賞で45-45のレベルでやれているし、馬場も高速馬場に依存しない。アルテミスSで坂の登りでの加速も求められているし、桜花賞は右回りだがロングスプリントに対応できている。総合力が高いうえでマイルならロングスプリント面でも十分上位だからね。あまり極端な展開にならない方が良いとは思うが、基本的にはソダシを中心に置きたいかなと思っている。

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