エルムステークス 2020 出走予定馬:エアスピネル&武豊騎手想定
第25回 エルムステークス(GIII)出走予定馬展望
日程:2020年8月9日(日)
コース:札幌ダ1700m
予想用・出走予定馬一覧
エアスピネル(武豊騎手想定)
プロキオンステークスでは2着、ようやく復調のきっかけをダートでつかんだエアスピネルが武豊とのコンビでエルムステークスに出走予定だ。ダートの激流の流れにスピード負けせず入れたのは好材料。ダートスタート、1周コースと課題は多いが砂に活路を拓き切れ。
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結構楽に良いところを取っていたなと。包まれるところまではいかなかったけど、キックバックを試すような入り方をしていたし、直線外に出てからしっかりと伸びてきたのは良い材料だね。まあ非常に短距離色が強い競馬だった(阪神1400はそうなりがちだが)ので、この条件はカギ。
プロキオンS(GIII)2着
中京ダ1400m稍 16頭6枠11番
1:22.1(+0.3) 34.3-35.6 H^2
12.3 - 10.7 - 11.3 - 11.9 - 11.7 - 11.6 - 12.3
前走のプロキオンS2着を振り返るしかないといえばそうなる。ダートはこの一戦しかないからね。ペースはかなりのハイでラップ推移的にはL4で11.9と少し減速、そこからのL2まで再加速という形にはなっている。そこまで極端に基礎スピード勝負になっていないし質的なものを前半も後半も高いレベルで求められたという感じ。
11番枠から五分のスタート、そこから促しながら楽に好位の外に入っていく。道中も好位の中目で前に壁を置きつつ進めながら3角。3~4角でもサクセスエナジーの後ろから出口で外。序盤で追われてしっかりと加速して3列目、L1で外から一気にサンライズノヴァには交わされたが最後までしぶとく伸びて2着は確保した。
ここでは稍重で時計が出易い状況になったが、その中ではそこまでペースが上がり切らなかったという感じ。中盤で少し息が入っての再加速なので割と後半型の馬でも通用したし、基礎スピードが1400ではそこまで高くないサンライズノヴァが鋭く末脚を引き出せたのもその辺が大きいと思う。エアスピネルとしては芝路線の馬なので芝スタートの1400ではなかなか判断が難しいが、ひとまずこの流れに楽に乗れたのは好材料。また思ったよりもL1までしぶとかったかな。もともとは菊花賞でもやれている馬なので、割と有酸素的な競馬はダメではないと思うんだよね。一年ぶりの激走にはなるので反動面は気になる材料ではあるが。
函館記念(GIII)13着
函館芝2000m良 16頭8枠16番
2:01.1(+1.5) 59.8-59.8 M
12.7 - 11.7 - 11.9 - 11.7 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 12.0 - 11.6 - 12.3
昨年の函館記念では良いところなくの惨敗だった。ペースは平均で淡々と流れていてそこからの2F戦ということで本仕掛けは遅いパターン。エアスピネルは芝では本質的にはいい脚は一瞬、前半で基礎スピードを求められてもそれを引き出せるのが強みだったと思っている。この函館記念はそのパターンで惨敗していたので結構悲観的な負け方。
16番枠からまずまずのスタートを切って外から内に誘導しつつコントロールして好位の外目。道中から少し力みつつ中団の外。向こう正面で手が動きながら追走して3角。3~4角でも好位列の外ぐらいで押し上げを狙うが4角で手が動いても後退気味となって中団。そのまま直線でも良いところなくジリジリ下がって13着。
ここではある程度タフな流れになってはいるんだが、このペースで追走に苦労して脚が無くなるというようなタイプの馬ではなかったと思うんだよね。まあ古馬となってからは明確にマイル路線にシフトしていたので、その辺もあるかもしれない。が、その前から富士S、マイルCSの負け方が良くなかったのでこの時点ではかなり状態面が悪化していた可能性が高いのかなと。立て直すのに相当苦労した印象は受けた。
マイルCS(GI)2着
京都芝外1600m稍 18頭6枠11番
1:33.8(+0.0) 46.7-47.1 M
12.2 - 10.8 - 11.6 - 12.1 - 11.9 - 11.5 - 11.6 - 12.1
マイルCS2着時のエアスピネルが個人的にはこの馬らしい、って感じの内容だったかな。ムーアが焦って勝ちに行ったのを見て、あーあって思った記憶は残っている。ペースは平均、稍重で中盤少し息が入ってというのは3角手前の上り坂がある京都らしい流れ。そこからのL3最速でも11.5という程度でそこまで速いラップを要求されない競馬だったがL2で鋭く伸びてきたのがエアスピネル…も一瞬しかいい脚はないんだよね。
11番枠から五分のスタート、そこから結構促しながらも中団の中目での競馬となる。そこからじわっと追走して中団馬群の中目で様子を見ながら3角へ。3~4角でも中団の中目でじっと我慢しつつ4角で進路を外にとって4列目で直線。序盤で一気に追い出したが一気に反応してここでもう先頭列から抜け出しにかかる。ただ早めに後ろにスペースを与えたのでその後ろを必死に追ってきたペルシアンナイトに一気に交わされての2着となった。
仕掛けが早いパターンって実は分析しているうえであんまり感じないことが多いんだけど、このエアスピネルのムーアの乗り方はエアスピネルを見てきていた自分としては流石に早いわって思った。反応が良い馬なのでそんなに焦ってスピードに乗せる意識を持たなくても良い。この馬自身はあれでも一気に伸びて高いパフォーマンスを見せたんだけど、そのせいで一気にスペースが広がったので後ろでスピードのノリがいまいちだったペルシアンとの間に常に1馬身以上のスペースが空いてしまっていた。これだとミルコはエアスピネルの後ろを当てにするし差を詰めても全力で追えるだけのスペースがあったからね。ムーアは上手いって人は多分騎乗技術の問題であって、レーサーとしてのムーアは正直平凡だと思っているけどね。まあそれはともかくエアスピネルは芝マイル路線では基礎スピードを持ちつつもしっかりと要所で加速ができる、一足が鋭いということ。また富士Sが強かったように力の要る馬場のほうがマイルでは安定していた。それもロングスプリントになりにくいというのが大きいかもしれない。
エルムステークス2020への展望
まあ今回はかなり扱いが難しいところやね。狙うなら前走という感じはあるのと、豊が乗るので馬関係なく人気は確実に上がってしまう。適性面で見たときに基礎スピードが求められた方が芝では良かったのと、本来菊花賞でもやれているように有酸素運動で大きく分散されるタイプではないはず。ただし、やはり古馬となって以降は2000mで芝でも結果が出ていなかったし、函館記念は酷い内容だったからね。1周コースの1700でとなったときの不安は当然出てくると。
個人的にはプロキオンSはそこそこハイレベルだと思っていて、ちゃんと後半型の競馬で強いサンライズノヴァが突っ込んできているし、ペースが上がり切らなかったとはいえ基礎スピードが問われたときに強いヤマニンアンプリメも来ていた。この一戦自体は結構面白いなと思う。また芝では質的に良いものを見せていたし、今のこの馬は1400~マイル色が強いと思うので1周コースの札幌1700なら渋って高速ダートのほうが?というのはあるかな。人気してしまいそうなのでそこは嫌なんだが、扱いが難しい馬やね。タイプ的にタイムフライヤーに近いところはあるし、強い馬も何頭かいる中でタイミング的に強く狙うにはもうワンパンチほしい面もある。押さえるか同課のラインで考えたい一頭かな。
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