阪神大賞典 2021 出走予定馬:ユーキャンスマイル&武豊騎手想定

第69回 阪神大賞典(GII)出走予定馬展望

日程:2021年3月21日(日)
コース:阪神芝内3000m

予想用・出走予定馬一覧

阪神大賞典2021の予想用・出走予定馬一覧

ユーキャンスマイル(武豊騎手想定)

 昨年の阪神大賞典を制している古豪ユーキャンスマイルが武豊とのコンビで連覇を懸けて今年も出走予定だ。GIでの善戦だけでなく、重賞3勝の実績は古豪と呼ぶにふさわしいもの。昨年秋は物足りないパフォーマンスに終始したが、復活勝利を成し遂げて弾ける笑顔と行きたい。

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 去年は相手関係に恵まれた面もあったが、かなり仕掛けが早い流れの中で上手く立ち回って勝ち切った。天皇賞春ではポテンシャル戦で上位との比較で見劣ったので今年はどうかやね。それに加えて昨年秋シーズンの内容が非常に良くない。

阪神大賞典(GII)1着

阪神芝内3000m良 10頭8枠10番
3:03.0 62.6-60.3(FA12.06)-60.1 S^2
13.2 - 12.2 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.4 - 12.2 - 12.4 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 12.0 - 12.5

 昨年の阪神大賞典から振り返りたい。この時はペースこそかなりのスローではあるのだが中盤が非常に早く、L7最速という極端なポテンシャル特化になっている。昨年はダイヤモンドSもそうだったが、極端な早仕掛けが横行していたなというのは感じるところやね。

 10番枠からやや出負け、そこから無理はせずに序盤は中団やや後ろで進めていく。そのままスタンド前でも後方内目で脚を温存しながら、少し掛かり気味だがコントロールして1角へ。向こう正面では既にかなり流れている状況で後方内内で前に壁を置きながら脚を温存して3角。3~4角でも中団馬群の中目のスペースを押し上げながら4角で上手く2列目の内のスペースを拾って直線。序盤でキセキの内から狭いところを捌いて伸びて先頭列。L1でそのまま坂の登りで抜け出して1馬身3/4差の完勝。

 まあこの辺が岩田らしいというかスペースの拾い方が神が勝っているよね。仕掛けが早い流れの中で3~4角で上手くロスを最小限にしながらも押し上げてきたというのはあるし、直線でも狭いところをしっかりと抜け出せた。ポテンシャル特化の競馬の中であっさり抜け出せたのは個人的には意外だった。本来ユーキャンスマイルって要所のトップスピードの質やギアチェンジの速さが武器だと思っていたからね。ただ、後から振り返ってもこの時点での長距離路線はかなり層が薄かったと思う。ポテンシャル特化になったとはいえメイショウテンゲンレベルで馬券に絡めてしまっているからね。

天皇賞春(GI)4着

京都芝外3200m良 14頭5枠7番
3:16.9(+0.4) 63.0-73.1(FA12.18)-60.4 S^3
13.2 - 12.4 - 12.4 - 12.5 - 12.5 - 12.0 - 11.6 - 12.5 - 12.1 - 12.2 - 12.7 - 12.5 - 11.9 - 11.9 - 11.9 - 12.2

 実際天皇賞春では4着。直線入りでユーキャンスマイルらしい内からの抜け出しであわやの場面は作ってきたけど、結局はフィエールマンらには少し差があったというところかな。阪神大賞典と展開的には近くて、入りの5Fは遅くて超スローでも、中盤からペースが上がっていてという形だったからね。

 7番枠からまずまずのスタート、そこからある程度促しながら流れに乗って、結局中団の内目で進めていく。そのままスタンド前でも中団内内で我慢しながら壁を作って上手く脚を温存。向こう正面でも中団内内で我慢しながらだが前がかなりペースを引き上げていて少し離されつつ3角に入る。3~4角でも内内で脚を使いつつ最短距離を通しながら押し上げて直線。序盤で4列目から最内に切って勝負を賭けて、ここでするすると伸びて一気に2列目まで来る。L1で甘くなって最後はミッキースワローに捕え切られての4着だった。

 この時の淀は基本的には外差し馬場だったんだが、直線で最内に勝負を賭けてという形。そこからL2での鋭さはユーキャンスマイルらしい動きだったけど、L1では馬場差もあったかな…という感じの甘さだった。ただ、トーセンカンビーナやメイショウテンゲンの着順を見ても阪神大賞典組が同じような展開となった天皇賞春では通用していなかったというのはある。ユーキャンスマイルはこの形で見せ場を作れたけど、本質的にポテンシャル戦でパフォーマンスを高めてくるイメージでは無いね。もう少し直線で速いラップを要求される競馬のほうが合っていると思う。

有馬記念(GI)11着

中山芝内2500m良 16頭8枠16番
2:36.4(+1.4) 62.2-61.7 M
6.8 - 11.8 - 12.2 - 12.5 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.8 - 11.8 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.6

 前走の有馬記念はこれといって存在感を発揮できなかった。昨年秋はアル共から3戦、ユーキャンスマイルらしい良いところを見せられなかったので、正直下降線に入っている可能性を考えるべきかなと思っている。有馬も平均ペースで中盤は緩んでいる。そこからの5Fのポテンシャル戦だからね。

 16番枠からまずまずのスタート、そこからは無理せずに後方に下がる。スタンド前でも最後方で進めて内内を通しながら脚を温存。向こう正面でも岩田らしく最後方で進めながら3角だが、ここで下がってきたブラストワンピースの煽りを受けて下がってしまう。そこからはコーナーで最短距離を通しながらスペースを詰めて直線。序盤では半ばあきらめている感じで追われていたが、L1でばてた馬を拾っていく程度の11着完敗。

 まあこうしてみるとちょっとかわいそうなところはあったかな。3角手前でペースが上がったところで押して流れに乗っていきたかったはず。ここで下がってきたブラストの影響を受けて離されてしまったからね。そこで生まれたスペースで最短距離を通していくことが出来たのはあるけど、流石にあそこで置かれては勝負にならん。ただ、ラストはこれといって伸びる気配はなかったし、パフォーマンスとしてはやはり物足りないところが多い。アル共やジャパンカップでもそうだったが、本来もうちょっとやれるはずの馬…というところで昨年秋シーズンは物足りない内容が続いた。これも考えないといけない材料やね。

阪神大賞典2021への展望

 5歳以上の面々で考えれば長距離路線では上位に入ってくる。ただし、春天でもフィエールマンとは小さく無い差があったように、正直この距離で抜きんでたパフォーマンスを見せるところまでには至っていない。昨年の阪神大賞典もポテンシャル特化で完勝したのは意外だったが、相手関係に恵まれたうえに岩田らしい競馬が綺麗に嵌った面はあったからね。そのうえで、その阪神大賞典上位組が近い展開になった昨年天皇賞春で苦戦しているし、ユーキャンスマイルも馬場が悪い内を通したといってもL1で上位勢とは差があった。この辺を踏まえても、ちょっと物足りない面はある。

 それでも少なくとも昨年春のパフォーマンスを引き出してくれば怖さはあるんだが、昨年の秋のパフォーマンスが物足りない。アル共も上手く内目を立ち回ってきたんだがいつものユーキャンの伸びではなかったし、要所の反応もイマイチだった。有馬は幾らかかわいそうな面もあったので何ともだが、それでもここ3走でユーキャンスマイル自身との比較で見てもパフォーマンスが落ちてきていると思う。現時点ではまだ復調に関して懐疑的に見ておきたいかな。押さえるかどうかのラインで考えたいが、出来れば内枠が欲しいね。それと器用なタイプなので豊とよりは岩田みたいにインに拘る騎手のほうがベストパフォーマンスを発揮できるという点でも今回は狙いとしては微妙なラインとしておく。

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