阪急杯 2021 出走予定馬:カツジ&武豊騎手想定

第65回 阪急杯(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年2月28日(日)
コース:中山芝内1400m

予想用・出走予定馬一覧

阪急杯2021の予想用・出走予定馬一覧

カツジ(武豊騎手想定)

 昨年秋の1400mGIIスワンステークスで鮮やかに逃げ切って波乱を演じたカツジが武豊とのコンビで阪急杯に出走予定だ。前走のマイルチャンピオンシップでは好位からの競馬もGIの壁を感じる17着殿負けとなった。スワンステークスがフロックかどうか、名手とのコンビで力を証明したい。

※この記事はnote,ブログ無料公開です

 ん~まあ正直なところ、スワンSは嵌った面が強いと思っているし、仮にそこを評価するとしてもやはり阪神の1400でどうなんだ?という話になってくる。豊もなかなか難しい条件になったと思うが、こういう状況の馬をしっかりと良い結果に導くことで信頼を取り戻していってほしいね。

スワンS(GII)1着

京都芝外1400m良 16頭2枠4番
1:21.2 35.5-34.3 S^2
12.6 - 11.2 - 11.7 - 11.4 - 11.1 - 11.0 - 12.2

 まずは2走前のスワンS勝ちから振り返りたい。1400mGIIを制したということで今回もそれなりに人気するかなと思うが、正直言ってこのスワンSは1400m戦としてはあまり参考にしづらい。このラップはこのラップで面白いしカツジの良いところをちょうど岩田が引き出せたんだな、というのはある。がこれをそのまま阪神1400で当てはめていいのか?という話だね。

 4番枠から五分のスタートから促しながら二の足は良く割と楽に番手外に持って行く。そのまま内の様子を見ながら3角までに緩やかにハナを取り切っていく。3~4角では最内を通して最短距離でリードを広げながら4角出口で外に誘導して直線。序盤で1馬身3/4差をしっかりと広げてここで2馬身ちょっとの差。L1でそのままそのリードを保ちながら外から突っ込んでくるステルヴィオを1馬身差で押し切った。

 この競馬自体はカツジの生きる道というか、新たな一面を引き出してきたなと思うし、嵌ったのは間違いないけどその中で強さを引き出してきたからの1馬身差の完勝だったと思う。その強さとして大前提として前半は明確にスローだったということ。そこからはこの馬らしい持ち味というか、3角の下りから速いラップをしっかりと踏み続けて後半のロングスプリントを引き出し切ってコーナーで勝負を仕掛けていたという点にある。この感じはどちらかというと、本来があったほうが良いという評価。ここで上手く噛み合ったのはこれといって引っ張る馬がいなかったので楽に外から内に切っていって主導権を取ることが出来たし、岩田がじわっと出して3角手前で取り切ったのもファインプレーだったと思う。この辺を阪神の1400でどう再現できるか。この時の入りの3Fが35.5だからね。これで行けてしまうレベルだったというのは冷静に考えないといけない所だと思う。

マイルCS(GI)17着

阪神芝外1600m良 17頭5枠9番
1:34.3(+2.3) 46.9-45.1 S^2
12.5 - 11.0 - 11.4 - 12.0 - 11.6 - 11.0 - 10.8 - 11.7

 前走のマイルCSでは好位での競馬を展開したのだが、惨敗を喫している。ペースは1.8でかなりのスローだが高速馬場だったしその中でL2最速10.8と明確にトップスピードの質を要求された。スロー自体は良かったと思うが、軽い馬場でここまで速いラップを求められると厳しかったかな。

 9番枠から五分のスタート、そこから促しながら先行策を狙うが、最終的には好位の外でコントロール。道中もスローペースの流れで悪くない位置で3角。3~4角でペースが上がっていく中で好位の外から楽な手ごたえで進めて直線。序盤で4列目ぐらいにいたが追われて伸びずに下がってしまい後方。そのまま全く良いところなく下がり切っての17着惨敗。

 L2の最速地点で全く伸びてこなかったし、その手ごたえから最下位となっても全く不思議の無い内容だったかな。L1も盛り返せそうな感じもなく、こういう極限レベルでトップスピードの質が求められると厳しいし、ここまで来ると恐らくオーバースピードに近い状況だったんだろうと思う。力の要る馬場でならある程度速いラップを連続できる印象だけどL2で一気に質的に速いラップを求められてそこで無理が祟ってしまったのかなと。この辺からもスローは良くても軽い馬場で後半速いラップを求められてしまうと厳しいだろうというのはあるね。マイルCSで4着と好走した時もそうだが少し重い馬場でこそだと思うし、前半はコントロールして後半は早めの仕掛けで分散して、ロングスプリントの形が理想だし、しかもそれを少し時計が掛かる馬場でという条件が欲しいタイプだと思う。1800以上は分からないけど、マイルまでの距離ならシンプルに時計勝負に対応できないし、スローでも切れ負けしちゃうのでそのバランスが大事なタイプかな。

オパールS(L)9着

京都芝内1200m重 18頭2枠3番
1:09.8(+1.2) 33.0-35.6 H^3
11.8 - 10.5 - 10.7 - 11.6 - 11.9 - 12.1

 3走前のオパールSでは重馬場の1200m戦だったがハイペースで追走に脚を使って何もできなかった。まあなだれ込むところまではもってきたとは言っても、1.2秒も後ろの話なのでね。2.6と超ハイで消耗戦となったがタフな馬場でも前半から流れると難しいというのは見せてしまったかなと。

 3番枠から出負けして後方から、押して押しての追走で中団馬群の中目に突っ込んでいく形。道中も中団の内内に忍び込ませて上手く我慢。3~4角でも中団の内目で我慢しながらロスなく進めて直線。序盤で内の進路が開いていたのでそこをうまく取って追われるがさほど伸びない。L1までこれと言って良いところなく後退しての9着完敗。

 重馬場だったといっても開幕日だからね。実際前目内目が3~4角で最内をぴたりと通していたトウショウピストが3着に上がってきているように内外の馬場差は言い訳に出来ない。その中で前半で出負けして脚を使ってリカバーというのはあったにせよ、そこで脚を使って良いところが後半で全くなかったとなると基礎スピード面での課題を見せた形になる。個人的にタフな馬場なら対応してくるかな?と思って見ていたんだけど、33.0と馬場の割には相当速い入りになったのはあるし、結果として1200の競馬になったのでこれだと前半で苦労してしまうことが露呈した形かな。まあぶっちゃけマイルでも淡々とした流れだと苦労しているんだよね。

阪急杯2021への展望

 まあ先週の京都牝馬Sみたいなパターンもあるから一概には言えないけど、基本的に阪神1400で狙いたいタイプでは無い、というのが前提にはある。まず基礎スピード勝負で時計を引き上げてということが出来ていない。スワンSはあれはあれで評価しているけど、前半が非常に遅い。35.5でハナを取れているように基礎スピードを質的に求められなかったし、バランスで見て後半が34.3でそこそこ速いことを踏まえても絶対的に見ても相対的に見ても緩かった。この競馬で後半ロングスプリントを引き出したことで良さが出た。また力の要る馬場だったことに3角下りでスムーズにスピードに乗せてのロングスプリントが噛み合ったという内容で、実際スローでもL2で10.8と速いラップを求められたマイルCSでは明確に切れ負けして失速、オーバースピードの感じになってしまった。この辺からも仮にスローでも高速馬場でトップスピードの質を絶対的に求められない方が良いタイプだという評価。

 敢えて言えば今回は後ろから進めて京都牝馬Sのように…というかもっと極端な中弛みでも起こってそこで外から取り付ければ面白い。基本的に後ろからの場合中弛み型の馬で、ニュージーランドTを勝った時も47.1-47.1と平均から11.6 - 11.9 - 12.0 - 12.1 - 11.6 - 11.4とコーナーでペースが落ち込んだところで外から押し上げL1最速ラップで捕え切っているというように、時計勝負でない方が良い。逃げようが後ろからだろうが、結果を出しているときはマイルCS4着時も含めて明確に後半型の競馬で、しかも馬場がある程度重くて最速ラップをそこまで求められない、という前提なんだよね。個人的には阪急杯より中山記念のほうがチャンスがあったんじゃないかなと思っている。現時点で決められないけど、恐らく印は打たないと思う。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?