【無料公開対象】阪神ジュベナイルフィリーズ 2021 出走予定馬:ウォーターナビレラ(武豊騎手想定)

第73回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)出走予定馬展望

日程:2021年12月12日(日)
コース:阪神芝外1600m

予想用・出走予定馬一覧

ウォーターナビレラ(武豊騎手想定)

 新馬戦、サフラン賞、そして重賞ファンタジーステークスとここまで無傷の3連勝を果たしているウォーターナビレラが武豊とのコンビで阪神ジュベナイルフィリーズに出走予定だ。新種牡馬シルバーステート産駒の進化が問われる大舞台。ここを勝ってシルバーステート旋風を本格的に起こせるか。

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 まあ、自分的には母父キングヘイロー旋風の方が…とは思っているんだけどね。しかし前走ファンタジーSはこれまでにない基礎スピード面を求められても克服できたという点で収穫はあるね。どこまで長くロングスプリント的な性能を引き出せるかが今後の課題だけど、現状完成度は高いと思う。後は相手関係との比較かな。

2歳新馬戦1着

札幌芝1500m良 13頭5枠8番
風向き:南東5.8m/s(札幌市12:20)
1:31.4 37.6-34.8 S^3
6.7 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.2 - 11.2 - 11.4

 3走前の新馬戦から順を追って3走見ていきたい。札幌の1500m戦ではあるが、後半開催なので時計は掛かっていた。良馬場だがペースは超スロー。ラップ推移的にも2F戦と言ってよく、12.2-11.2でギアチェンジを伴っている。風は南東からなので4角地点が完全追い風。

 8番枠から好発を決めてそこから促しつつ流れに乗ってハナを取り切る。道中もコントロールしながら仕掛けを待ちつつ3角でもペースを上げない。そのまま4角でじわっと引き上げるが2列目が並びかけてきたので出口でパンと合図があって半馬身差ほどで直線。序盤でスッと出てここで1馬身差、L1でそのままリードを広げて1馬身3/4差完勝だった。

 まあここは器用にセンスを見せてきたなという感じだったかな。ゲートもポンと出てハナを切りながらもペースをコントロールしてドスロー。2列目が並びかけてからの仕掛けで要所で一気にギアチェンジでスッと抜け出してきたし、L1まで11.4と大きく落とさずまとめてきたと。この要所の反応は素晴らしかったが、L1で突き抜けきるところまではいかなかったので、これが高いレベルでは後半の素材的にどうか?と考える部分ではある。また、上位勢が芝では勝ち上がれていないんだよね(4着スミがダート1400で勝ってはいるが)。この辺も冷静に判断しないといけない所ではあるかな。ただ、後半の総合力の高さは見せてきたと言っていい。

サフラン賞(1C)1着

中山芝外1600m良 8頭7枠7番
風向き:東南東2.3m/s(船橋市14:30)
1:35.8 49.6-46.2 S^3
12.9 - 12.0 - 12.3 - 12.4 - 12.5 - 11.4 - 11.0 - 11.3

 2走前のサフラン賞では中山マイルでもペースが上がらずに3F勝負となった。超スローからのL2最速で11.0だがL4でも12.5と遅く、そこから12.5-11.4-11.0とギアチェンジを求められたし、L1の坂の登りでも11.3とほとんど落としていない。ここは後半で量的にパフォーマンスを上げてきたかなと。風は東南東からなので4角地点が完全追い風になるのと、スタートしてから2角までが完全向かい風になっている。

 7番枠からまずまずのスタート、そこから軽く促しながらの追走で楽に番手を取っていく。道中も逃げるウインピクシーから1馬身ほど後ろで無理はせず楽に折り合って進めて3角。3角でもまだ遅く、4角入りで外から手が動いてここでじわっとペースを引き上げながら前のウインピクシーに並びかけて半馬身差ほどで2番手直線。序盤ではまだ食らいつくだけで3/4差ほど。しかしL1の坂の登りで明確に伸びてここでぐんと前に出て1馬身1/4差の完勝だった。

 ギアチェンジも良いものを見せているが、それだけならウインピクシーの方が若干だが上だったかなと思う。最速地点まで含めて鋭さでは苦戦した一方で、減速となったL1の坂の登り地点では明確に良さを出して1馬身1/4差ほどだからね。L1地点だけで3/4ぐらいから1馬身1/4差作っているので脚色として2馬身前後の差があったということになる。こうなると無酸素運動での量的なパフォーマンスの高さと言っていいと思うしね。またここは上位勢が結構好走していて、3着のシゲルイワイザケがアルテミスSで3着、4着のリアグラシアがベゴニア賞で接戦の2着と頑張っている。その中で良い位置を取ってきたとは言えども上がり最速タイでしっかりとL1で良さが出てきたなら評価していいだろうと。ロングスプリント面でも可能性を感じる競馬だった。

ファンタジーS(GIII)1着

阪神芝内1400m良 10頭5枠5番
風向き:東南東0.5m/s(豊中市15:50)
1:21.1 34.4-35.2 H^1
12.3 - 11.0 - 11.1 - 11.5 - 11.5 - 11.7 - 12.0

 前走のファンタジーSではここ2走からは一転して阪神1400m戦らしいタイトな流れになっている。ややハイではあるが終始淀みなく淡々と進んでL1は12.0と減速。基礎スピード勝負の中で対応できたのは収穫かな。風は東南東からなのでHSが完全追い風と言っていいが、0.5m/s程度だとほとんど影響は無かったと思う。

 5番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながら促しつつ、前のナムラデイリリーを行かせて番手でコントロールしつつ。道中もこれまでにない速度で追走しているが、しっかりと前にスペースを保ってコントロールしながら2馬身半差ほどで3角。このまま3角では最内で脚を温存しつつ前のスペースを保つ。4角でそのスペースをじわっと詰めて最短距離で勢いを維持しつつ2馬身差ほどに詰めて直線。序盤で外に出すがここで外からナムラクレアに襲われ、それでもクビ差ほどで先頭に立つ。L1の坂の登りでしっかりと出て3/4差の勝利。

 3着のママコチャ以下はしっかりと離しているし、こういう基礎スピード戦でもパフォーマンスを落とさずL1の坂の登りでぐっと出てきたというのはこの馬の良さと言えるのかなと。サフラン賞でもそうだが、展開に関わらずL1の坂の登りでの減速で手ごたえ以上に踏ん張れる印象かな。これは外回りと言えども阪神マイルでは当然求められる適性だし、ここで常に優位性を作れているのは良い。軽い馬場ではなかったと思うので、この状況で1:21.1という走破時計なら悪くは無いが、こういう競馬が得意な馬ならもっと出してきても良かったとは思う。その点では、基礎スピード戦としては普通ぐらいのレースレベルだったかなとみているけどね。ウォーターナビレラとしてはこういう競馬で良さが出たというよりは、最低限この程度の流れに対応してきたという感覚の方が良いとは思う。やはり無酸素運動的な要素を引き出せた方がこの馬としてはよさそう。

阪神ジュベナイルフィリーズ2021への展望

 まあ正直現時点では把握し切れていないので、各馬を見てから色々とというところだが、基本的にはウォーターナビレラを展望の軸には置きたいかな。とにかく総合力が高く、前走のファンタジーSでも高いパフォーマンスとまでは?だが基礎スピード戦でしっかりと勝ち切った。またサフラン賞では超スローからのL2最速でギアチェンジに対応、最速地点も悪くは無いがL1で大きく落ちない中で坂の登りでスッと伸びてきたということからも無酸素運動でラストしんどくなっても踏ん張れる、ロングスプリント的な適性は秘めている可能性が高いと思う。新馬も含めて基本的に器用な馬だし、前走のファンタジーSで流れた中で前を取って、これで気性的にスイッチが入らなければマイルの方がやりやすいと思うけどね。

 ただ、これまでを見ても圧倒的とまでは言えない。サフラン賞もラストで突き抜けたのは評価したいが、前提として超スローで楽に前を取れたことが大きいからね。ファンタジーSはある程度評価しているけど、それでも基礎スピードを求められてそこまで目立つほどではなかったからペースが上がって後半末脚をどこまで引き出せるか。この辺はちょっと気になる部分ではある。総合力の高さは見せているけど、部分的に圧倒的なパフォーマンスを見せているわけではないので、ここでどう立ち回り化やね。前は取ってほしいし、理想はスローで2列目内ぐらいだと思う。ただ、流れたときに前を取り過ぎたらちょっとリスクもあると思うし、かといって後半のトップスピード勝負でならステルナティーアやナミュールなんかも結構手強いと思うし、それに対してスローで団子だと切れ負けしちゃうリスクも出てくる。その点を踏まえると内で包まれてペースが落ち着きすぎるよりは中目から番手外、2列目外である程度展開に関与してスローすぎない流れを作る必要はあるかな。まあ今のところ明確な欠点は無いし、そのうえで高いレベルでやれているから。基本的には重い印候補に入れつつ、最終的には枠かな。一応対抗~連下ぐらいで仮に印を打っておく。

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