日経賞 2021 出走予定馬:ワールドプレミア&石橋脩騎手想定
第69回 日経賞(GII)出走予定馬展望
日程:2021年3月27日(日)
コース:中山芝内2500m
予想用・出走予定馬一覧
ワールドプレミア(石橋脩騎手想定)
一昨年の菊花賞馬ワールドプレミアが日経賞に出走予定だ。有馬記念でも5着と流石の存在感を見せてくれたが、常に手綱を執っていた主戦の武豊が骨折により負傷で乗り替わり騎乗となる石橋脩がどんな競馬を見せてくるのかが焦点の一つ。唯一のGI馬の意地をぶちかましてもらいたい。
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時事的な話をすれば、正直JRAのある問題にこのワールドプレミアの馬主が関与しているのではないかという疑いが掛かっている。正直に言えば、色々とノーザン界隈の方でも考えていることがあるだろうし…と穿った気持ちになってしまうね。馬券を買う側からすると迷惑極まりないことなんだよね。
それはそれとして。馬に罪は無いからね。有馬記念は本当に残念というか、噛み合わない競馬になってしまったなあと。ただそれでも5着に食い込んでくる辺りポテンシャル戦なら戦えるなというところ。菊花賞では内から結構すぐに伸びてきていたし、器用さもある程度持っているのが良いところ。まだ現状ではトップクラス相手には戦えていないので、成長をどう遂げてくるか。ここは相手関係的にカレンが手ごわいという程度だし、物差し馬のステイフーリッシュが上位人気するようなメンツだからね。
菊花賞(GI)1着
京都芝外3000m良 18頭3枠5番
3:06.0 62.4-62.9-60.7 S^2
12.9 - 12.4 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.4
4走前の菊花賞勝ちから当然振り返りたい。京都の3000m戦で良馬場ではあったが、標準ぐらいの時計の出方だった。この時は北北西から4.7m/sで吹いていたようで、この感じだと3~4角が向かい風になる。その中でペースはかなりのスロー、そこから向こう正面でも得意に大きく変わらず62秒台をキープしつつ後半は4F戦でポテンシャル戦と言って良いだろう。3~4角地点で向かい風だったとみるべきなので、ここで上手く脚を温存できたのは良かった。
5番枠からまずまずのスタート、そこからはコントロールしながら好位の内目ぐらいに下げて進めていく。スタンド前でも上手く我慢しながら、向こう正面でも特に大きな動きがなく好位でジッと我慢の展開。3角下りでペースが上がると同時に向かい風に突入だが、ここで最内を通して風も避けてと完璧に脚を温存してコントロールしながら、ばてた馬を交わして前のスペースを詰めて2列目に押し上げて直線。序盤で2列目から内目を通してスッと伸びてここで一気に先頭に立って半馬身ほど出る。L1でそのまま外から伸びてくるサトノルークスの追撃を振り切ってクビ差の勝利。
ここは正直豊の腕だと思っている。まあ枠も良かったし展開も良かったんだけど、とにかく好位内で動けないなら全く動かないで余計なことをしないでという競馬だった。3~4角でペースが上がったときにも外に出そうとせずにとにかく内のスペースを拾って風を避けながら距離ロスなく脚を温存できていたわけでね。そこから直線でも内をしっかりと捌いてという競馬で完璧に乗ってきた。ただ、現時点での評価として冷静に判断すると、サトノルークス相手に最後は詰められていることを考えるとこの時点では、そこまでのレベルには無かったと思っている。有馬記念3着は悪くなかったが、相当消耗する流れの中で最後方で温存が噛み合った面が大きいと思うし。
ジャパンカップ(GI)2着
東京芝2400m良 15頭2枠3番
2:23.8(+0.8) 57.9-61.8 H^4
12.7 - 10.8 - 11.8 - 11.3 - 11.3 - 11.5 - 11.8 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 13.2 - 12.3
2走前のジャパンカップでは骨折からの長期休養明けでペースは超々ハイだがこれはキセキの暴走。それでも実質で番手で推定60前後なので平均~ややスローぐらいだったと思う。その中で内枠からある程度ついて行こうとしたが中団やや後方ぐらいまで。それなりには伸びたが上位5頭からは離されていたし、最上位勢とは完敗と言って良い。なお風向は北西1.2m/s程度なので誤差の範囲だが4角で向かい風だった。
3番枠からやや出負け、そこから促して様子を見ながらだが少し掛かり気味になっていたのでコントロールを優先しつつもカレンブーケドールの後ろぐらいを取る。そこからはスペースを維持しながらカレンの後ろを狙いつつ3角へ。3~4角でカレンが外を回してくれたのでそのスペースが空いたし最短距離を通して仕掛けながら好位に押し上げて直線。序盤で前のアーモンドアイを追いかければいいだけの競馬だったが、それがなかなか難しくジリジリで中団。L2でも進路はしっかりと取れていたが伸びが甘い。L1までばてずにジリジリと差し込んできた辺りは流石だが6着、0.8差まで。
標準馬場ではあったがそれでも府中なので比較的速いラップを後半では要求されたと思う。キセキの馬鹿逃げのせいでラップがおかしいし判断が難しいところはあるが、3~4角である程度前が動いてきているのでコーナーでの勝負だっただろうと。そこで内目を押し上げて入っていけたのは噛み合った要素だと思うが、ロングスプリント状態だった地点で伸びあぐねていてL1でのバテ差しもさほどのインパクトはなかった。この辺からも標準馬場の府中ではどうしてもロングスプリント勝負で質的に足りなくなってしまうかな。まあ前半から忙しかったのもあるし、基礎スピード面も含めての話になってくるけど。
有馬記念(GI)5着
中山芝内2500m良 16頭3枠5番
2:35.6(+0.6) 62.2-61.7 M
6.8 - 11.8 - 12.2 - 12.5 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 12.8 - 11.8 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.6
前走の有馬記念では5着と悪くない競馬。タフな馬場でペースも平均で収まっていた。中弛みからの後半5F勝負となっていて割と有馬記念らしい競馬になったと思う。なお、東北東1.5m/sの風が吹いていて、3角地点で追い風となる形だが、程度的にも大きな影響はなかったんじゃないかな。向こう正面でブラストワンピースが下がってきたタイミングが噛み合わずに不運の内容となった。
5番枠からやや出負け、そこから促しながらある程度積極的に流れに乗って序盤は中団からスタンド前では狭いところだが好位の内を確保する。向こう正面でも前にブラストワンピースを追いかけていくのだが3角手前からブラストが徐々に下がってきてこちらも下げざるを得ないような感じで中団の中目で3角。その後も中団の中目でというところでポジションダウンしながら狭いところを通しつつ直線。序盤でそこから追い出されてそこそこ伸びてくるがまだ地味。L1でばてた馬を交わしてなだれ込んでの5着確保となった。
トップレベル相手には仮に不利が無くても…とは思うレベルでの負けではある。ただ、正直カレンブーケドールとの比較ならこちらのほうが頑張ったかなと。序盤でもそこまで遅くない中で好位を取って前半部分でも勝負に乗っていけたし、ブラストが下がってきたのを回避する必要があったのでどうしてもポジションダウンしながら、3~4角でも進路確保が難しく内目で進めてとなったが、直線でもジリジリとばてずにポテンシャルで維持してきた形になる。上位3頭が強かったので何ともだが、少なくとも不利がなければカレンブーケドールより上位に来ていた可能性は極めて高いと思うし、ラッキーよりも上だったかなと思っているけどね。不運の要素が小さくなかったと思う。この感じでもやはり本質的にはステイヤー型で後半のポテンシャルを活かす競馬が合っていると思うし、3歳時と比べても力をつけてきている印象。
日経賞2021への展望
凄くスポーツ的ではない見方で恐縮だけど、基本的に問題を起こした馬主の馬っていうだけでやはり色々な力が働いてしまうと思うんだよね。ノーザンの方の仕上げも、友道師も含めて彼らはプロだとは思っているけど、ああいう問題を起こした馬主の馬を勝たせることのデメリット的な部分は当然感じているだろうと。それが実際本当であろうとなかろうと、そういわれるのは間違いない以上そういう馬主の馬主資格はひとまず凍結して別の人に預かってもらうとかしてほしいんだけどね。法的措置を取られた段階まで動かないようではなあ…。正直言って関係ない部分で考えないといけないことがあるってのは良くないと思うわ。
まあ、それはともかくとして、馬自身はやはり後半のポテンシャルが最大の売りだと思うし、有馬記念を見てもトップクラス相手に正攻法で戦えるところまでは難しくても、フィエールマンもサラキアも引退、クロノは不在でカレンレベルが相手なら十分互角以上に戦えると思う。ただ、中山の2500は有馬レベルだとペースも上がるし仕掛けも強めになるので力のある馬が出し切って勝利ということが多いんだけど、日経賞ではそういうタイプの馬が一転して2段階加速の餌食になることが少なくない。ワールドプレミアって高いパフォーマンスを見せているのは基本的にポテンシャル戦になるし、早めに有酸素運動の競馬で出し切ってL1で良さが出ているからね。菊花賞なんかもL2で伸びてはいるがその前に2列目につけていたというのはあるし、3~4角の立ち回りも完璧だった。ポテンシャルは最上位だけど前がスローで支配して向こう正面での仕掛けが遅れたときにL2でスッとというパターンで中団とかでは置かれるリスクは高い。石橋脩に乗り替わりというのもどう出るかだが、正直ワールドプレミアに関しては豊がかなりうまく乗っているのでマイナスになると思っているけどね。出し切れればカレン相手でも勝ち切れると思っているが、展開次第かな。
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