アイビスサマーダッシュ 2020 出走予定馬:ラブカンプー&藤田菜騎手想定

第20回 アイビスサマーダッシュ(GIII)出走予定馬展望

日程:2020年7月26日(日)
コース:新潟芝直1000m

予想用・出走予定馬一覧

アイビスサマーダッシュ2020の予想用・出走予定馬一覧

ラブカンプー(藤田菜騎手想定)

 前走CBC賞で復活の勝利、大波乱が続く夏競馬の先陣を切ったラブカンプーが藤田菜七子とのコンビでアイビスサマーダッシュに出走予定だ。一昨年の2着の実績があるコース、加えて新潟を庭としている鞍上、そして何と言っても華麗なる復活。少し涼しい今年の夏の盛り上げ役となるか。

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 前走のCBC賞はそもそも出足が違ったなという感じ。韋駄天Sである程度復調の兆しは見せていたけど、それでもここまであっさり復活するというのは流石に分からんかったかな。今回は再び新潟1000になるけど、本質的に基礎スピードで消耗させる競馬のほうがフィットしているからなあ。その辺がカギ。

CBC賞(GIII)1着

阪神芝内1200m稍 16頭2枠3番
1:08.7 33.5-35.2 H^2
12.0 - 10.7 - 10.8 - 11.1 - 11.7 - 12.4

 前走のCBC賞は驚きの復活だった。まあ韋駄天Sが悪くなかったし、追い切りも復調気配だな~とは思って見ていたけど、流石にここで馬券に絡むどころか勝つところまでってのは全く想像できなかったかな。馬券的にもこの辺で善戦すれば面白いけどって程度で見ていた。稍重で時計が掛かる馬場状態ではあったがその中でかなりのハイペースを逃げて刻み切った。

 3番枠から好発を決めてそこから押して押してハナを主張、主導権を取り切る。そこからもペースを落とさずに淡々と刻んで2番手以下を寄せ付けず、4角でも馬なりでぐんと離すような感じで3馬身ほどのリードで直線。序盤でしぶとく踏ん張りその差をほぼキープ。L1でアンヴァルに若干詰められるがそれでも1馬身3/4差、余裕を持っての完勝だった。

 まあ正直びっくり、というのはあるが全体のレベルはそこまで高くはなかったのかなと。パワー型の基礎スピード特化戦となりこのペースで他の馬が消耗しきった、そういう競馬に持ち込んでしぶとく踏ん張れたのが勝因のひとつではある。そして、これは良いころのこの馬の走りではあり、スプリンターズS2着の時も33.0-35.3と超ハイの流れ、稍重で時計が掛かる中で番手で粘り込んでファインニードルの追撃を際どく踏ん張っての2着だった。この辺からも本質的に前半の基礎スピード型で、バランス的に前傾であることが望ましいタイプだと思う。これがかっちり噛み合ったのと、状態面が戻ってきたことが大きいかな。

韋駄天S(OP)7着

新潟芝直1000m良 16頭2枠4番
0:54.8(+0.6) 21.9-22.0 M
11.9 - 10.0 - 10.3 - 10.6 - 11.4

 2走前の韋駄天Sでは7着と完敗も見せ場はあった。軽ハンデ51kgというのもあったにせよ、内枠からある程度流れに入っていったのは収穫かな。もちろんだがライオンボスだけでなくダイメイプリンセスにも差されているのでCBC賞と比べると…というのはあるが。

 4番枠からまずまずのスタートから押して先行争いには入っていく。最終的に中目に誘導するが前に壁を置けない状況で進める形。3~4角でも手が動いて抵抗するがL2辺りから流石にちょっと難しくなってジリジリ後退、ラストは6着となったが序盤にそれなりの見せ場はあった。

 この韋駄天Sは北寄りの風なので向かい風ではなかった。それでも内枠から外ラチ沿いに持って行きつつもなかなか壁を作れなかったのはこれだけ速いラップを連続する中では簡単ではなかったと思うし、その中で前半でついて行ってL1でちょっと甘くという程度ならこれまでのこの馬の明らかに内容がなかったレースと比べると改善されてきているといえると思う。もちろんこの内容がそのままならここで上位だった馬を相手にというのは難しいとは思っているけど、枠の並びや前走で見せた出足の速さで戦えればというところはある。

高松宮記念(GI)11着

中京芝1200m重 18頭3枠5番
1:10.6(+1.9) 34.2-34.5 M
12.1 - 10.8 - 11.3 - 11.4 - 11.2 - 11.9

 まあ後はどれを振り返ってもというのはあるが、どん底状態だった中で今年の宮記念。重馬場ではあるがモズスーパーフレアがそこまで引き上げきらない中で番手で好位で進めた。ただ特に内容がなかった。

 5番枠からまずまずのスタートを切っていたが、促しつつもあまり前には行けないので途中でコントロールして好位の中目。少し窮屈なところもあったが、3~4角でも好位の内目から後退して中団。直線早々に失速して後は着差の通りで16着惨敗。

 まあこれがこれまでどスランプに陥っていたこの馬の常、ではあった。正直これが15戦ぐらいは続いていたわけで、よく馬主も諦めなかったなというほかない。競馬歴も結構長くなってきたけど、ここまで酷い状況から復活したスプリンターなんて本当に知らんわ。スプリント路線に限らず、二桁着順がほぼほぼ占めているわけで、正直これがこの馬の現実だったと思っていた。まあ前走のCBC賞のパフォーマンスは噛み合っただけでは成し得ないわけで、となると状態そのものは戻ってきたと考えて良いとは思うんだよね。なんにせよここまで根気強く頑張った関係者に拍手というほかない。常識的には考えられないほどの復活だと思う。

アイビスサマーダッシュ2020への展望

 それを踏まえて、じゃあ今回のアイビスで買えるのかどうか?というのがポイントになると。まず大きく考えるべきは完全復活なのかどうか。これに関しては前走のCBC賞だけで判断するしかないが、出足が速く圧倒的だった。番手にディメンシオンがつけられるぐらいで逃げ馬候補がいなかったのも事実だが、これが戻ってきたというのは復活といっても良いんじゃないかなと思う。なので前提としては良いころの状態で、という考え方をしたい。

 そのうえで、今回は適性がカギ。個人的には1200だと高いレベルではパワー型の基礎スピードで引き上げきって他を消耗させたいタイプ。これは前述している通りでスプリンターズS2着時もそうだし、前走のCBC賞もそう。この形では高いレベルのパフォーマンスを見せている。ただし、良いころでも前後半のバランスが求められるとやや物足りず、例えばアイビス2着時は平均で落ち着いて後半の決め手の質でダイメイプリンセスに見劣った。高速馬場の北九州記念では32.4-34.2と質的な基礎スピード勝負となったがここで番手追走から粘り込むもアレスバローズには綺麗な競馬をされて完敗やむなしとはいえ、正攻法だったダイメイプリンセスに捕えられている。個人的には良馬場でなかなか後続の脚を消耗させ切れない条件だと少し評価を下げたほうが良いだろうと。その辺は冷静に考えたい。外目の枠を引いて上手くハナを切れれば面白いとは思うが、それでも押さえまでというのが妥当なのと菜七子が乗るわけでどうしても人気先行になりかねないところもある。その辺との兼ね合いはどうしても出てくるかな。良い状態として見ても、やはりこの条件はベストではないと思っている。

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