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FXのパラボリックSARとは?計算式やMT4/MT5の設定方法、トレード手法を解説

パラボリックはMT4/MT5にも標準で用意されている有名なインジケーターです。
しかし、実際には使ったことのない人も多いでしょう。
また使ってはみたものの、期待するような成果を上げられなかった人もいるかもしれません。

パラボリックを使うと、相場の方向や勢い、トレンドが切り替わるタイミングなどが分かります。
反面、レンジ相場では効果を発揮しにくく、ダマシも頻繁に発生するのが難点です。
そのため利用に当たっては、いくつかのポイントを押さえなくてはなりません。

そこでこの記事では、パラボリックの使い方や注意点、計算方法や設定の仕方などを詳しくお伝えいたします。
だましを避ける方法や、他のテクニカル指標と組み合わせたトレード手法も紹介するので、パラボリックを上手く使うヒントにしてください。


パラボリックとは

パラボリックは、正式には「パラボリックSAR(Parabolic SAR)」と言い、ローソク足を追いかけるように描画されるインジケーターです。
相場の方向や勢い、トレンド転換などが明示的に分かるため、株式などFX以外の多くの相場でも使用されています。

J.W.ワイルダー氏が多くの検証を通じて考案

パラボリックを考案したのは、RSIやDMIなどの開発者としても知られるアメリカの投資研究家、J.W.ワイルダー氏です。
彼が1978年に発表した著書「New Concepts in Technical Trading Systems」で紹介されており、そこでは「The Parabolic Time Price System」というタイトルが付けられています。
それから40年以上、世界中で広く使われてきたことからも、パラボリックの高い信頼性が分かるでしょう。

インジケーターの種類としては、移動平均線などと同じくトレンドフォロー系で、直近の値動きを元にSARと呼ばれる点をチャートに表示させるのが特徴です。
SARの位置がローソク足に付かず離れず付いて行くことから、「ローソク足のストーカー」と呼ばれることもあります。

パラボリックの背景にあるのは、「トレンドはいつか勢いを失い方向を反転させる」という考え方です。
J.W.ワイルダー氏がそうした相場のパターンに注目し、多くの検証を通じて完成させました。
正しく使えば、トレンドの方向や勢い、転換などが把握できます。

パラボリックの意味

「パラボリック」は英語で「Parabolic」と表記し、「放物線状の」という意味があります。
使われている言葉にパラボラアンテナ(parabolic antenna)があるように、お椀型の曲線を示す形容詞です。
チャートに表示される点(SAR)が、あたかも放物線を描くような軌道を描くことから、名付けられました。

また、チャートに表示される「SAR」は、「Stop And Reverse Point」の略です。

「動きが止まり、同時に反転する場所」という意味から、トレンドの反転を示すと言えるでしょう。

この動きを実際の取引に当てはめると、「Stop(止まる)」で保有中のポジションを決済し、「Reverse(反転)」で、それまでとは反対側のポジションを新規で持つことになります。
相場の世界では、こうしたポジョションの切り替えを「ドテン(途転)」と言い、大きく価格が上下する相場で有効な手法です。

パラボリックは当初より、このドテンを想定して考案されています。
そのため使い所を絞らないと、開発の意図通りの性能を発揮できません。

パラボリックSARは「放射線状の(点が)止まり、同時に反転する」という意味です。
実際、チャートでの描画を見ると、そのような形になっていることが分かります。

パラボリックの特徴

パラボリックの特徴は、価格の変動を追いかけるように動くことです。
そういう意味では、移動平均線やMACD、ピポット(Pivot)などにも似ているでしょう。

ユニークなのは、必ず価格の上下いずれかにSARが描画されるということです
移動平均線などのように、ローソク足と上下感なく絡み付くことはありません。
そのため、指標の解釈に悩む必要がないのがメリットです。

ゴールデンクロスやデッドクロスのように、交差するのかしないのかでヤキモキするようなこともありません。
SARが価格よりも上にあれば上昇相場、下にあれば下降相場という、非常に明快な判断です。
必ず上下のいずれかに表示されるので、常にサインを出し続けるインジケーターとも言えるでしょう。

SARは、いつでも同じ調子で価格に追従していくわけではありません。
相場が転換すると、SARはその動きを追いかけますが、最初のうちはゆっくりです。
しかしトレンドが伸びるほど、速度を加速度的に上げて行きます。
これは計算式の中に加速係数が入っているからです。

そして最終的には、先行するローソク足に追い付きます。
そこが「Stop And Reverse」、つまり転換点となるわけです。

パラボリックの計算式

ここではチャート上での動きを算出する、パラボリックの計算方法について説明します。
活用する上で計算式自体を覚える必要はありませんが、考え方を理解すれば、さらに深い使い方ができるでしょう。

2つの算出方法と計算式の構成

パラボリックのSARは連続した点で表現され、価格の上下のいずれかに描画されます。
そして、上下の切り替えに伴い、2つの算出方法が存在します。

まず、切り替わった後の最初のSARは、切り替わる前の最安値や最高値です
つまり下降トレンドから上昇トレンドに転じた場合は、直近の最安値がSARとなります。
上昇から下降に転じた場合は、直近の最高値がSARです。

次のSARからは、1つ前のSARを基準とした計算式で算出されます。

具体的には、次のような計算です。

  • 上昇トレンド時のパラボリック
    = (1つ前のSAR)+(AF)×(直近のEP – 1つ前のSAR)

  • 下降トレンド時のパラボリック
    = (1つ前のSAR)-(AF)×(1つ前のSAR – 直近のEP)

ここでEPは「極大値」、AFは「加速因子」、SARは「パラボリックの値」を示します。
しかし、これだけでは意味が掴めないでしょう。
個々の要素について、下記で説明を続けます。

ポイント①EP(極大値)

EPは「Extreme Price」の略で、一般には「極大値」や「極限点」と訳されます。
そのまま日本語読みで「エクストリーム・プライス」と呼ばれることもあるようです。

EPは、トレンド中の最高値や最安値を示します。
上昇トレンド中であればその期間内の最高値、下降トレンドなら期間内の最安値です。

計算では直近のEPの数値が使われ、トレンドが続いて最高値や最安値が更新された場合は、新しい数値が差し替わります。

ポイント②AF(加速因子)

AFは「Acceleration Factor」の略で、日本語では「加速因子」や「加速係数」などと訳されます。
パラボリックの動きの感度を左右し、計算結果に影響を与える数値です。

AFの設定項目には、「初期値」と「最大値」の2つがあります。
初期値は「0.02」、最大値は「0.2」に設定されているのが一般的です。

先ほど紹介したEPは、トレンド中に最高値や最安値が更新されると、最新の数値が自動で採用されます。
AFではそれと同じタイミングで、元の数値に「0.02」が加算されていくのが特徴です。

例えば初期値が0.02であれば、最初の更新時に「0.02 + 0.02 = 0.04」となり、次の更新では「0.04 + 0.02 = 0.06」となります。
少しずつ加算されていくというのは、上昇トレンドでも下降トレンドでも変わりません。

最終的に、最大値で設定した0.2になると、そこで加算が終了します。
0.02のスタートであれば、9回目の加算が最後になるということです。

相場が転換するとSARのローソク足に対する位置は逆転し、その時点でAFも初期値に戻ります。
トレンドが続くほどAFの数値は大きくなるので、SARの動きも大きくなるという関係です。

初期値を大きくすると最初からSARが大きく動き、トレンドを早めに掴めるようになりますが、だましに遭う可能性も高まります。
初期値を小さくするとだましに遭う危険は減りますが、トレンドを掴むタイミングは遅くなるのがデメリットです。

ポイント③SAR

ここであらためて、パラボリック(SAR)の計算式を見てみましょう。

2つ目以降のSARは、「EP」と「AF」、そして1つ前の「SAR」から求められます。

  • 上昇時
    = (1つ前のSAR)+(AF)×(直近のEP – 1つ前のSAR)

  • 下降時
    = (1つ前のSAR)-(AF)×(1つ前のSAR – 直近のEP)

EPはトレンド中の最高値や最安値、AFはそれらの更新回数 × 0.02でした。

計算式を見ると、常にAFが掛け算されていくのが分かります。
その結果、価格が直近の高値や安値を超えなくても、新しいSARは常に同じ方向に伸びていくのが特徴です。
また高値や安値が更新されるとAFの数値は大きくなるため、SARの勢いは次第に加速します。

しかし価格の方は、いつしか伸びが収まるでしょう。
その結果、SARはトレンドの終盤でローソク足に追い付きます。
そして、そこでSARの位置がリセットされるのです。

パラボリックの見方・使い方

パラボリックの動きの特徴が分かった所で、実際の使い方を説明しましょう。
大まかには、下記のような内容がパラボリックの見方のポイントです。

  • SARは相場の上昇時はローソク足の下に表示され、下降時にはローソク足の上に表示される。

  • SARがローソク足と交差するとトレンド転換のサインとなり、上下の表示位置が切り変わる。

  • SAR同士の距離や角度からもトレンドの状態が確認できる。

また、パラボリックの大きなメリットは下記の3つとなります。

  1. トレンドの向きを判断できる

  2. トレンドの勢いを判断できる

  3. トレンドの転換を判断できる

それぞれ、詳しく見ていきましょう

トレンドの向きを判断できる

パラボリックの特徴は、ひと目でトレンドの方向が判断できることです。
上昇時はローソク足の下にSARが表示され、下降時は上に表示されるため、誰が見ても判断が迷いません。

表示される位置がローソク足の下から上に切り替わったら上昇トレンドの終わり、その逆なら下降トレンドの終わりです。
そこで保有しているポジションがあれば決済し、逆向きのポジションを新規で立てる「ドテン」をしましょう。

ドテンの成功が続いて行くと、収益は一方的に膨らんでいきます。
このような連続収益を可能にするのが、パラボリックの最大の活用法でしょう。

ただし、トレンドが続く相場以外では通用しません。
レンジ状態ではない事の見極めが必要です。

トレンドの勢いを判断できる

トレンドの方向性に加え、勢いや強弱を把握しやすいのも、パラボリックの特徴でしょう。

カギになるのは、SAR同士の間隔です。
パラボリックではトレンドが強くなるほど、SARの間隔が大きくなるように設定されています。

隣り合うSARの間隔が広ければトレンドの勢いは強く、小さい場合は信用度が下がると判断できるのです。
間隔が広がったらトレンドに乗り、狭くなったら手仕舞いを考える、といった使い方もできるでしょう。

トレンドの転換を判断できる

3つ目のメリットは、先ほども紹介しましたが、トレンドの転換が判断しやすいということです。
パラボリックではトレンドが転換すると、SARの位置がローソク足の反対側に移行します。
そのため、誰の目にも転換点が明らかです。

もう少し注意すると、その際にSARがローソク足と交差していることが分かります。
正式な確定はローソク足が閉じるのを待つ必要がありますが、長い陽線や陰線になりそうな場合など、早めに意識することでポジションの整理に活かせるでしょう。

上昇時には、ローソク足がSARを上から下に抜けて行ったら「売りのサイン」です。
下降トレンドなら、ローソク足が下から上に抜けた時が「買いのサイン」となります。

そのままローソク足が閉じると、SARの位置は一気に転換します。
上昇トレンドで下にあったはずのSARがいきなり上に飛び、気がついたら下降サインになっていた、なんてことにならないようにしましょう。

パラボリックのMT4/MT5表示・設定方法

では実際に、MT4/MT5のチャートにパラボリックを表示させる方法を見ていきましょう。
パラボリックのインジケーターはMT4/MT5、ともに初期状態で搭載されているので、新規にダウンロードをする必要はありません。
また、操作はMT4/MT5とも、共通です。

パラボリックを表示させる

メニューバーの「挿入」から、「インディケータ」>「トレンド」に進み、「Parabolic SAR」を選択します。

「ナビゲーターウィンドウ」からも選択が可能です。

選択するとパラボリックの設定ウィンドウが開きますが、基本的に初期状態で問題ありませんので、そのままで「OK」をクリックしましょう。

するとチャート画面の下にサブウインドウが出現し、パラボリックが表示されます。

設定値について

パラボリックでは、AF(加速因子)とEP(最大値)の2つの設定を変えることができます。

AFの初期値は「0.02」で、高値や安値が更新される毎に加算される値です。
基本的に、この数値を変える必要はありませんが、より強い反応が欲しい場合は数字を上げるようにしてください。

EPは、加算されていくAFの最大値で、初期設定は「0.2」です。
こちらも基本的にはそのままで問題ありません。

一般的なデイトレードやスイングトレードをする場合、これらの数値が最適解になるでしょう。
スキャルピングなどの短期売買では、もう少し機敏な反応が欲しくなるかもしれません。
また、売買で使うチャートの時間足や組み合わせる指標によっても、多少の調整をした方が良いケースが考えられます。
実際の取引を行う前に、数値を上げ下げして確認すると良いでしょう。


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パラボリックを用いたトレード手法

パラボリックは単体でも十分に効果が期待できるインジケーターですが、ここまで書いて来たようなクセもあります。
実際の取引ではいくつかの注意も必要です。
そこでここでは、パラボリックを用いたトレード手法について、より詳しく説明します。

  1. 基本的な使い方

  2. 複数の時間足で表示させる

  3. 複数のパラメーターで表示させる

基本的な使い方

まず、基本的な扱い方をしっかり押さえておきましょう。

エントリーするのは、トレンドが転換したタイミング、つまりSARの上下の位置が切り替わった時です。
それから価格とSARの位置状態が変わるまでは、立てたポジションを保持します。

例えば上昇トレンドであれば、SARは価格の下で支えるように推移します。
そこから上に抜けるまでは、決済しないということです。
下降トレンドであれば、SARが価格の上にある限り、トレンドが持続していると判断します。

ポジションを決済するのは、エントリーした時と反対側にSARの位置が飛んだ時です。
より細かく言えば、SARとローソク足が交差した瞬間になります。

そのままトレンドが転換したと判断できる場合は、決済と同時に反対方向にエントリー(ドテン)するのが、パラボリックの基本的な使い方です。

とは言え、ここで難しいのは、トレンドが本当に転換したかどうかの判断でしょう。
レンジ状態でエントリーすると、損失を出す結果に繋がります。

トレンド転換の信頼性を高めるには、他の指標を組み合わせることが有効です。
その前に、パラボリックだけで出来る方法を2つ、応用編としてご紹介しておきましょう。

応用編①・複数の時間足で表示させる

パラボリックだけで出来る1つ目の方法は、複数の時間足のパラボリックを表示させるというものです。

時間軸の異なるパラボリックを並べることで、MTF(マルチ・タイム・フレーム)と同じ効果を発揮できます。
本来のMTFは、複数の時間足のチャートを比較して環境分析を行う手法ですが、ここではそれを1つのチャートで実現しようというものです。

■基本的な考え方

具体的には、例えば15分足のチャートを参照して取引を行う場合、そこに1時間足や4時間足のパラボリックを表示させます。
それらが価格に対して同じ方向(上下の位置)になっていれば、強いトレンドが生じていると判断できるでしょう。
不揃いになっているようなら、トレンドとして弱まっているか、レンジ状態になっている可能性が高まります。

■エントリーするポイント

実際にチャートで見てみましょう。

①の時点で、3つのSARが同じ方向となりました。
ここでエントリーを行います。

その後、②の地点で15分足のパラボリックが反転しました。
通常はここでポジションを決済し、反対側に「ドテン」しますが、この方法では異なる判断基準を採用します。
それは、上位の時間足を見て決めるということです。
3本のうち1本が反転しただけでは、決済を保留します。

これにより、トレンド中での決済が先延ばしされ、より大きな利幅を取れるようになります。
後から見れば②の前後は絶好の「押し目買い」のチャンスになっていることが分かるでしょう。
必ずしも決済すべき場所ではなかったと言えます。

トレンドの起点に乗れなかった場合、このようなトレンド中の一時的な逆行を活かしてエントリーするのがセオリーです。
一度崩れた複数のSARの方向が再び揃った時が、追加エントリーのチャンスとなります。

■決済とドテンするポイント

そこからしばらく経過し、1時間足が反転した③が、このトレンドにおける決済ポイントです。

「ドテン」にも先ほどと同じ基準(3つが揃う)を適用させましょう。
ここでは行わず、次のエントリーの機会は、④で再び3つのSARの向きが揃った時です。

ドテンを放棄することで、1回のトレードでの勝ち幅の期待値は下がりますが、代わりに勝率を高められます。

それでもレンジ相場でエントリーするリスクは完全に排除できません。
実際にエントリーするかどうかの判断には、後ほど紹介するような、他の指標を組み合わせるのがおすすめです。

■複数の時間足を表示できるインジケーター

MT4/MT5に標準で搭載されているパラボリックは、そのチャートの時間足以外のSARを表示させる機能がありません。

MT4の場合、下記からマルチタイム対応のインジケーターを入手できます。
https://forex-station.com/app.php/attach/file/3372395

MT4のIndicatorsフォルダに入れて再起動し、メニューバーの「挿入」もしくは、ナビゲーターウィンドウから選択しましょう。

プロパティの「パラメーターの入力」の最上部にある「Time frame」で、表示させる時間足のSARを設定できます。

まとめて複数のSARは設定できないので、表示させる数だけチャートに呼び出してください。
なおアラート機能が初期設定では効いていますが、不要であれば切っておいた方がうるさくありません。

また、MT5の場合は公式ライブラリから、マルチタイム対応のインジケーターをダウンロードできます。

メニューバーの「表示」から「ツールボックス」を呼び出し、「ライブラリ」タブから「Parabolic_HTF」を探して、ダウンロードしましょう。
設定画面で、表示させる時間足のパラボリックを選択できます。

応用編②・複数のパラメーターで表示させる

次にお伝えするのは、異なるパラメータのパラボリックを1つのチャートに表示させる方法です。

異なる時間足を使う方法では、長い時間足の動きに左右されることがあります。
チャートの時間足を変える度に、上位の時間足のパラボリックを設定するのも手間でしょう。

しかしこちらの方法では、時間足を切り替えても再設定をする必要がなく、いつでも売買の判断ができるのがメリットです。

表示は、加速因子の設定を変えたパラボリックを3つ用意します。
それぞれ、メニューバーからインジケーターを呼び出し、個々に設定しましょう。

数値は例えば、「0.02」「0.04」「0.08」のように割り当ててください。
すると、ちょうど期間を変えた移動平均線のように、3つのSARがチャートに表示されます。

判断方法は、先ほどと同様です。

3つのSARの向きと上下の配置が揃ったら、確度の高いトレンドが生じたと判断してエントリーし、揃いが崩れたら決済します。
トレンド中の小さな逆行を拾わないよう、1つだけ逆方向に出た場合は無視しましょう。
上図では、赤丸がエントリーポイントとなり、ドテンも決まっています。

だましを避けるには

「パラボリックが使えない」という声は、その多くがだましに遭った人でしょう。
ここでは、パラボリックでよく陥る、だましの回避策について解説します。

  1. レンジ相場の「往復ビンタ」には要注意

  2. 1個の点で判断しない

  3. 複数の時間足で見る

  4. パラメーターを調整する

レンジ相場の「往復ビンタ」には要注意

パラボリックにおけるだましの多くが、レンジ相場での売買です。

トレンド相場を対象にしているインジケーターは、いずれもレンジ相場を苦手としています。
パラボリックはその中でも、最もレンジ相場に向いていないタイプと言えるでしょう。
その原因は、そもそも開発の意図に「ドテン」があることです。

トレンド転換が一定周期で発生していれば、ドテン売買を続けることで、トントン拍子に収益が積み上がります。
しかしレンジ相場では、サインの発生と実際の価格のテンポがずれることで、タイミングが逆転してしまうのです。

すると、買えば下がり、売れば上がるという状態に陥ります。
これは俗に「往復ビンタ」と言われるもので、高値で買って安値で売るという悪循環です。

上図では、青の矢印が負けトレード、赤の矢印が勝ちトレードとなっています。
微益もありますが、トータルでは大きく負けてしまいました。

こうなるとパニックに陥り、冷静な判断ができなくなってしまうこともあるでしょう。
しかも、パラボリックは頻繁にサインを出し続けます。
レンジ相場でそれに従ってしまうと、「往復ビンタ」を何回も食らうことにもなりかねません。

回避策①1個の点で判断しない

だまし回避の最もシンプルな対策は、1個のSARで、すぐにトレンドが転換したと判断しないことです。

SARが1個や2個の場合、一時的に逆行しているだけの可能性があります。
それは押し目買いや戻り売りのチャンスではあっても、決済に相応しいタイミングではありません。

例えばSARが3個揃うまでは、トレンド転換として判断しない、という方法が考えられます。

回避策②複数の時間足で見る

先ほど、時間足の異なるパラボリックを複数並べて判断する手法をお伝えしましたが、言うまでもなく相場の環境認識は重要です。
特に上位の時間足を見て大きな流れを掴むことは、必要不可欠と言えるでしょう。

パラボリックを活用する上でも、複数の時間足のチャートを見て流れを確認すると、短期的な動向に左右されない相場観が養われます。
売買のタイミングを決める時間足のチャート以外にも、複数の時間足を見てください。

注目すべきは、上位足でレンジ相場になっていないかどうかです。
相場の7割はレンジ相場であるとも言われています。
チャートの構造は入れ子のようになっているので、下位足ではトレンドが発生しているように見えても、上位足ではレンジに陥っていることもよくあります。
その双方を見ながら総合的に判断すると、「往復ビンタ」を食らう確率を減らせるでしょう。

パラメーターを調整する

パラボリックはプロパティの設定画面で、AF(加速因数)と、EP(極大値)の数値を変更できます。
これらを調整することでも、一定のだましの抑制効果が望めますが、逆にだましを増やすこともあるので注意が必要です。

影響が大きいのはAFの方で、初期値である0.02より小さな数字にすると感度が下がり、それだけだましの発生を減らせます。
その代わり、SARが切り替わるタイミングが遅れるのが難点です。

パラボリックSARと組み合わせたいテクニカル指標

パラボリックはトレンド系のテクニカル指標なので、一般的にはオシレーター系のテクニカル指標と相性が良いとされています。
この事は、開発者であるJ.W.ワイルダーも言及しているので、間違いないでしょう。

しかしエントリーポイントの特定など、パラボリック単独では苦手な分野を補完するには、トレンド系のテクニカル指標も無視できません。
ここではパラボリックと組み合わせたいテクニカル指標をいくつかご紹介します。

  1. 移動平均線

  2. MACD

  3. DMIのADX

移動平均線

代表的なインジケーターである移動平均線は、組み合わせる相手として信頼できる指標です。
手法は様々ありますが、ここでは2つの組み合わせ方をお伝えしましょう。

■ゴールデンクロス・デッドクロスを組み合わせる

移動平均線で頼りになるのは、やはりゴールデンクロスやデッドクロスでしょう。
いずれも指標としては遅めの出現となりますが、パラボリックも遅効性のインジケーターなので、タイミング的な相性は悪くありません。

期間の異なる移動平均線を3本ほど表示させましょう。
パラボリックが買いサインの時にゴールデンクロスが生じたら、買いでエントリーします。
パラボリックが売りサインの時に、移動平均線がデッドクロスしたら、売りでエントリーです。

また、上位足で3本の移動平均線がパーフェクトオーダーの状態になっていたら、強いトレンドが発生していると判断できます。
一時的な逆行が生まれたら、押し目買いや戻り売りのチャンスです。

上図の場合、移動平均線はもみ合っており、明らかにレンジ状態に陥っています。
しかし右端になってデッドクロスが完成し、SARと方向性が一致した所が格好のエントリーポイントになっています。

■200移動平均線を組み合わせる

大きなトレンドの持続を判断するため、世界中の多くのトレーダーが指標に使っているのが、200平均線です。
移動平均線の数字は計算に使う過去のローソク足の本数ですから、日足であれば、過去200日分の平均値を示す数字となります。

価格が200移動平均線の上にあれば、大局的には上昇基調、下にあれば下降基調です。
そこで、上昇基調にいる間は買いだけを行い、下降基調の場合は売りのみを行うという手法が考えられます。

もちろん、ライン際の接触から反転する動きを狙う手もあるでしょう。
上図の場合も、移動平均線がレジスタンスとして機能しており、格好の戻り売りポイントとなっています。
この方法は見るべきラインが1本しかなく、解釈も価格との位置関係のみとなるので、非常にシンプルに活用できます。

MACD

MACDは移動平均線を発展させたもので、移動平均線と同じく、ゴールデンクロスやデッドクロスが指標になります。

MACDとシグナル線がゴールデンクロスした時に、パラボリックに買いサインが出ていれば、エントリーチャンスです。
デッドクロスした時にパラボリックに売りサインが出ている場合も同様です。
2本のラインが交差する角度が大きいほど、トレンド転換の信頼性も高まります。

逆にエントリーを避けた方が良いのは、互いの方向性が逆になっている場合です。

上図の左側が、そうした状態になっています。
また中央部分はMACDの傾きが非常に小さくなっており、方向性が無くなっていると解釈できるので、ここもエントリーに向きません。

右側になると、MACDとSARがともに大きく動き、方向性も合っているのでエントリーのチャンスです。

DMIのADX

パラボリックがレンジ相場に弱いことは、考案者であるJ.W.ワイルダーも著書で言及しています。
そこで対策として示されているのが、同じく彼が開発したインジケーターのDMIで表示される、ADXという指標を使うことです。

ADXはトレンドの強さを数値化したもので、値動きの方向とは関係なく、数値が上昇していればトレンド状態にあると判断します。
数値が低い場合はレンジ相場となるので、パラボリックを重視するかどうかの判断に使えるというわけです。

具体的にはADXが25を超えている状態で、パラボリックに売買のサインが出たら、それを信じてエントリーするという使い方になります。
信頼度を高めるのであれば、判断する数値をより高い状態、例えば40などに上げておくと良いでしょう。

上図の場合、サブウィンドウのDMIにガイドラインを2本引いています。
上が40、下が25です。
40を超えたら相場に動きが出たと解釈し、25を下回るまでは勢いが続くとした場合、中央のレンジ部分を避けられます。

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