FXの順張り・逆張りとは?どっちの手法が勝率高い?おすすめインジケーターとトレードのコツを解説
FXトレードには大きく分けて、順張りと逆張りの2つの方法があります。
順張りは相場の流れに沿って売買し、逆張りは相場の流れと反対方向に売買するのが違いです。
これらは取引における基本中の基本ですから、それぞれの特徴やトレード手法を理解しておかねばなりません。
的確な売買のタイミングを逃すと、大きな損失を出してしまうことになります。
この記事では順張りと逆張りのメリットやデメリット、エントリー方法などをお伝えするので、参考にしてください。
またタイミングを見極めるために役立つインジケーターや、押さえておくべき注意点も紹介いたします。
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FXの順張りとは
順張りとは、価格が伸びる方向に合わせて売買する取引方法です。
つまり相場が上昇傾向ならば「買い」、下落傾向ならば「売り」を仕掛けることになります。
言わば、流れに乗ったエントリーであり、素直な方法と言えるでしょう。
そのためFXにおいては基本中の基本となる手法であり、これを使いこなすことが出来なければ、長期に渡って勝ち続けることは困難です。
「トレンド相場」で有効
順張りは相場が特定の方向に伸びていく時、つまりトレンド相場であればあるほど、有効となります。
上がるにしても下がるにしても、流れが完全に出来ていれば、方向を合わせて売買をするだけで利益が生じるからです。
一方、明確な方向性がなく、一定の幅の中で往復するような値動きをするレンジ相場は得意ではありません。
流れを追いかけようとしても、すぐに値動きの方向が変わってしまうからです。
もちろんトレンド相場であっても、買った直後に向きが変わってしまう、つまりトレンド転換が起きてしまう危険はあります。
逆に、トレンドの初期にポジションを立てられれば、末永く利益を伸ばして行けるでしょう。
つまり、トレンド状態の見極めが重要になるということです。
順張りのメリット・デメリット
正攻法である順張りはメリットの多い手法ですが、デメリットもあるので、しっかり理解しておきましょう。
■メリット①成功しやすい
最大のメリットは、失敗して損失を出す確率が低いということでしょう。
取引を成功させるためには、的確なエントリーをして、含み益があるうちに決済させなくてはなりません。
流れに乗る順張りの場合、少しくらいエントリーポイントがズレても、最終的には価格が伸びていくため含み益を出しやすくなります。
また、時間経過とともに含み益も増えて行く傾向となるので、決済ポイントも一定の幅を得られるでしょう。
そのためトレードを成功のうちに終わらせやすいのです。
■メリット②取引で慌てずに済む
成功しやすい背景とも共通しますが、順張りでは時間に余裕を持ったトレードが出来ます。
そのため、追い込まれて慌ててしまう可能性が抑えられることもメリットです。
FXでは冷静さを失ってその場の感情に任せた取引を行うと、高確率で失敗します。
どこまでも落ち着いた頭でいることが必要なので、時間がない中で慌ててしまうのは非常に危険なのです。
その点、順張りなら、エントリーでも決済でもある程度の緩さが許容されます。
その結果、いつでも落ち付いた頭で取引できるので、感情的になって大損害を出してしまう危険を避けられるでしょう。
■メリット③損切りポイントを発見しやすい
もちろん、どんな達人でも百戦百勝は有りえません。
決済と同時に必要となるのが、どこで損切りするかの見極めです。
このポイントがズレてしまうと、無用な損失を出したり、逆に早めに損切りにかかって後の利益をみすみす逃すことにもなりかねません。
しかし順張りにおける損切りポイントは、多くの場合、明快に決められます。
それは直近の安値や高値をブレイクするラインです。
トレンド相場は多くの場合、N字型のジグザクで伸びて行くため、その形状から損切りポイントを見つけやすくなります。
初心者ほど苦手とする損切りですが、順張りの基本を理解しておけば、悩む回数が大きく減るでしょう。
■デメリット①「だまし」に弱い
では次に、順張りのデメリットについても見ていきましょう。
まず上げられるのは、「だまし」に遭いやすいということです。
だましとは、セオリーの反対に相場が動いてしまう動きを指します。
どんな手法にも付きまとう問題で、順張りもその例外ではありません。
ただ正確には、だましに遭いやすいということだけではなく、発生するポイントを予想しにくいのです。
そのため事前の対処が難しくなってしまうのが難点です。
これは、トレンド相場ではどこでトレンドが反転するか、事前に判断するのが難しいことが原因です。
トレンドに乗った途端に反転してしまった、という結果になるのも珍しくありません。
何も大きな潮目の変化ではなくとも、トレンド中に一時的な逆行が生まれることはよくあります。
また要人発言などで、突如、相場が反転してしまう可能性もあるでしょう。
トレンド相場は一定の期間を使って伸びていくため、その途中で起きる動きに翻弄される可能性も避けられません。
■デメリット②エントリーの機会が限られる
一旦、トレンドが始まってしまえば良いのですが、実際の相場はその7割がレンジ相場であるとも言われています。
つまりエントリーのチャンスは、残り3割の中にしかありません。
全体の7割に当たる時間は「待ち」となるので、エントリーの機会はないということです。
また3割とは言っても、トレンドの終盤になるほど取れる利益は減って行き、最後はトレンド転換の余波で利益が飛ぶかもしれません。
そうなると、現実的にエントリーを狙えるのは全体のわずか1割か2割しかない、という結果にもなるわけです。
チャートを見ている時間の8割〜9割は「待ち」となるのは、それ相応の精神力や集中力を要するでしょう。
■デメリット③利益確定のポイントが難しい
エントリーの時点で損切りポイントが分かりやすいのはメリットでしたが、セットで重要な利益確定については、見極めの難易度が高いのもデメリットです。
結果から言えば、トレンド転換する直前(トレンドの終了時)が最も望ましい利益確定のポイントでしょう。
しかし、そもそもどこでトレンドが終わるか分からないので、世の中の多くのトレーダーが苦労しているのです。
含み益が出た状態でポジションを閉じれば、どこで決済しても勝ちは勝ちですが、トレンドが続けば「早すぎた」と後悔するでしょう。
かと言って決済を遅らせた結果トレンドが反転し、含み益が減っていく中でポジションを閉じたら、「遅すぎた」という後悔になります。
このように、決して失敗したわけではないのに、勝った気になりにくい可能性もあるのが順張りの宿命です。
初心者には順張りが最強!
ある程度のデメリットはありますが、それでも、弱点を上回るメリットがあるのが順張りです。
特に初心者の場合は、まずこの順張りを徹底的に磨き、勝ちグセを付けることをおすすめします。
相場の向きに合わせて売買するため感覚的に分かりやすく、損切りポイントで迷うことも少ないからです。
また一度含み益が出ると、トレンドが大きく変わるまでは安定して含み益をキープできるので、メンタル面でも有利になります。
FXの逆張りとは
逆張りは、順張りとは逆に、価格が伸びる流れに逆らって売買する取引方法です。
つまり相場が上昇傾向であれば「売り」、下落傾向ならば「買い」となります。
そのため流れに乗る順張りよりも難易度は高く、うかつにやると裏目に出て失敗する可能性も高くなります。
まずは順張りで取引の基礎を鍛えてから、逆張りのマスターに進むと良いでしょう。
「レンジ相場」に有効
逆張りは、一定の枠内で価格が往復するレンジ相場で主に使われます。
トレンド内で使うことも可能ですが、強い方向性を持っている相場に逆らって行くのは、時に非常に危険な行為です。
レンジ相場では、価格の方向性が頻繁に切り替わります。
そのため大きな流れを重視する順張りより、逆張りの方が有効な手段となるのです。
具体的には、価格の方向性が切り替わるであろうポイントを見極めます。
レンジ相場の中の上端で売りを仕掛け、下端で買いを行えば、その往復で利益が取れていくという方法です。
逆張りのメリット・デメリット
正攻法の順張りに比べ、逆張りは使用上の注意点の多い手法です。
その分、大きなメリットもあるので、上手く使いこなしていきましょう。
■メリット①エントリーの機会が多い
先ほど、相場の7割はレンジ相場であるという話をしましたが、逆張りはそのレンジ相場で効果を発揮します。
つまり、トレンドを待つ必要のある順張りに比べ、逆張りの方がトレードチャンスに恵まれるということです。
しかもレンジ相場では価格の方向性の切り替えが頻繁にあるため、エントリーに向いた条件も短い間隔で訪れます。
いつ来るか分からない機会を待って、ただチャートを見続ける時間が短くて済むので、特に時間のない副業トレーダーにはうってつけでしょう。
■メリット②利益確定のポイントも見つけやすい
逆張りの特徴の1つに、エントリーと決済が1セットで考えられる、という点があります。
レンジの上端と下端が、それぞれエントリーポイントにもなるし、決済ポイントにもなるからです。
エントリーの時点で、どこで利益を確定させれば良いかが明確なため、いたずらに悩む必要がありません。
また順張りのように、決済の後で「もっと良い利益確定ポイントがあったのに…」という心残りを持つことも少ないでしょう。
計画的にエントリーし、計画的に決済するからです。
■メリット③「だまし」への対処が可能
「だまし」自体は、どんな手法でも完全に避けることはできないため、「だまし」に遭いにくいとまでは言えません。
しかしレンジ相場の逆張りにおいては、その発生は予想しやすく、だましが起きたかどうかの判断も明快です。
レンジ相場での価格の反転は、上下のレンジ端で発生します。
そこで反発すれば良し、反発しないで抜けてしまったらレンジ相場の終了です。
だましが起きるのは、このレンジ端の部分に限られます。
一旦はレンジ端で反発したのに、直後に再び方向を換えてレンジの外に抜けてしまった。
一旦はレンジを抜けて外に出たのに、直後に再び方向を換えてレンジの中に戻ってきた。
というのが、だましです。
そのような現象が起きるかどうか?に注目し、実際に起きたら、だましが起きたと判断できます。
そのため、だましが起きたのか起きていないのか検討しているうちに、状況がどんどん悪くなっていくことを避けられます。
■メリット④短期的な収益が可能
トレンドの終端まで利益を伸ばして行くのが順張りの醍醐味ですが、反面、利益を確定させるまでに時間がかかる可能性があります。
それに対し、小刻みにエントリーと決済を繰り返すことの多い逆張りは、より手早く利益を確定させることが可能です。
レンジの幅にもよりますが、1回当たりの利益では順張りよりも小さいかもしれません。
しかし回数を重ねることで、最終的に得られる利益は決して見劣りしないものになるでしょう。
とくに狙い目なのは、経済指標や要人発言などで短期に大きく相場が動いた時です。
そうした外部的な理由で起きた波乱は、そこからトレンドが起きることもありますが、一時的な動きで収まることもよくあります。
また、相場が大きく変動した際、勢い余って必要以上に大きな値動きが起きてしまう「オーバーシュート」も狙い目です。
そうした値動きがあった時、そこからの戻りを狙った逆張りが成功すれば、ごく短期間に大きな収益を得られるでしょう。
■デメリット①大きく外すこともある
逆張りにおけるデメリットは、基本的に順張りでのメリットをひっくり返したものになります。
その筆頭は、安定感については、順張りには及ばないであろうということです。
相場の流れに逆らってエントリーするわけですから、敢え無く返り討ちに遭ってしまう可能性も少なくありません。
勿論、それまでの値動きを見て、高確率で反発するポイントを見極めているのは前提です。
しかし、そうした反復性もいつかは終わる時が来るでしょう。
そうした場合、それまで抑え付けられていた勢いが解放されたように、強い勢いのトレンドが生じることもよくあります。
当然、それは立てたポジションと逆方向になりますから、一瞬で大きな含み損を抱える危険もあるわけです。
そのようなリスクについては、そこで本当に反発するかという検証とともに、しっかり損切りを掛けておくことで対処をします。
■デメリット②損切りポイントが見極めにくい
しかしここで問題となるのが、レンジ相場の場合、損切りポイントをどこに置いたら良いかが見極めにくい所です。
トレンド相場の場合は、それまでの値動きの中にヒントがあり、損切りポイントが根拠を持って設定できます。
しかしレンジ相場が終わると、そこから新しい動きが始まるため、レンジ内での値動きからは損切りポイントが見いだせません。
それ以外の多くの情報から探っていくことになるので、初心者には難易度が上がってしまいます。
■デメリット③時間的な余裕がない
このように、レンジの端に集中して多くの判断や行動が求められることから、時間的なプレッシャーを感じることも多いでしょう。
レンジ内を価格が動いていく過程では、それを見ているだけでも良いでしょう。
しかしレンジの端に価格が来た途端、それを見ていた多くのトレーダーに緊張が走り、反発するかブレイクするかの攻防戦が始まるのです。
それに巻き込まれて冷静な判断力を失ってしまうのが、最大のリスクとも言えるでしょう。
順張りとは違い、エントリーも決済も、極めて小さなピンポイントを見極めて行わなくてはなりません。
一瞬の判断の遅れが損失に繋がるため、何より経験を積み、感情をコントロールできるようになることが必要です。
初心者は逆張りでは勝てない?
順張りの方が初心者に向いているのは確かです。
では、初心者は逆張りに手を出すべきではないのか?と言えば、そんなことはありません。
流石に、順張りと逆張りの違いを十分に理解していない状態では困りますが、基本を押さえれば無闇に怖がる必要はないでしょう。
むしろ順張りばかりやっていると、取引パターンが固定化してしまい、柔軟な対応が出来なくなってしまいます。
それよりは、早めに逆張りの方法を覚えて、勝ちグセを付けた方が良いでしょう。
順張りと逆張りとでは、相場に対してエントリーや決済を行う方向が真逆になるので、感覚も大きく変わります。
また、利用するインジケーターや指標も変わってくるので、同じノウハウが通用しません。
例えば逆張りでは相場が逆方向に行ってしまった場合の損切りが必須ですが、初心者の場合、損切りを避けたい意識が強くなりがちです。
トレンドに乗っていると、一時的に含み損が出ても最後はトレンドの伸びで解決され、「損切りの必要がなかった」結果もあり得ます。
一方、逆張りでは損切りしないと損失が一方的に増えていくので、嫌でも損切りしないわけにはいきません。
しかし相場で長期的に勝って行くには、どのような場面においても的確に損切りをしていく必要があります。
そうしないと、いずれ大きな損失を出す羽目になるからです。
基本を押さえれば、技術的な面で初心者が逆張りで勝てないことはありません。
ただし反発ポイントを見極めた上で、そこでエントリーできる勇気と、損切りを避けずに淡々と処理する冷静さが求められます。
順張り・逆張りにおすすめのMT4/MT5インジケーター
順張りや逆張りで、エントリーや決済のタイミングを見極めるためには、インジケーターを使うのが有効です。
ここではテクニカル分析を行う上で欠かせないインジケーターをいくつか紹介します。
移動平均線
RSI
ボリンジャーバンド
ZigZag
取引の判断に根拠を持たせるために、活用するようにしてください。
テクニカル分析①移動平均線
何を置いても必須となるのは移動平均線でしょう。
移動平均線はトレンドの発生や方向を分かりやすく可視化してくれます。
異なる期間のラインが同じ方向に揃っていればトレンドは力強いと判断でき、交差が生じるとトレンド転換の可能性が高まります。
ラインが方向性を失って絡みだしたらレンジ相場に陥っているということです。
また価格には移動平均線から遠ざかるほど、ラインの方向に戻ってくるという性質があるので、逆張りの判断にも使えます。
テクニカル分析②RSI
RSIは主にレンジ相場を対象にして、相場の買われ過ぎや売られ過ぎを数値化してくれるインジケーターです。
数値が80%を超えると買われ過ぎ、20%を割り込むと売られ過ぎで、いずれも反転のサインとなるので逆張りの判断に使えます。
特にレンジの上下端で、強い根拠になってくれるでしょう。
実際に多くのトレーダーがこのRSIを判断材料にしており、同じ指標を見ることで、相場への反映性も高まります。
テクニカル分析③ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、幅が可変する複数のライン(バンド)で構成され、将来の値動きの範囲を可視化してくれるインジケーターです。
値動きの少ないレンジ相場ではバンド幅は小さく収まり、それぞれが抵抗線として機能します。
そのため、バンドの縁を狙って逆張りを仕掛けることが可能です。
しかしトレンド状態が発生すると、一気にバンドが拡大し、相場の変化を教えてくれます。
そのタイミングで順張りを仕掛けると、トレンドの起点を捉えることも出来るため、応用範囲の広い指標と言えるでしょう。
テクニカル分析④ZigZag
チャート分析では、値動きを元に各種のラインを引くことが重要です。
ZigZagはチャートの動きをシンプルなラインで示してくれるため、環境把握が簡単になります。
トレンド転換の状況や、押し目買いや戻り売りの機会を見つけやすくなるでしょう。
高値と安値が象徴的に分かるため、損切りや利益確定の判断するのにも役立ちます。
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順張り・逆張りのトレード手法
では、実際のどのような場面で、どのようにエントリーや決済をしたら良いかを見ていきましょう。
順張りの基本的なトレード手法
大まかに言えば、トレンドに乗って利益を膨らませよう、というのが順張りの基本的な考え方です。
ただし実際の価格の値動きは必ずしも直線的ではないため、何も考えずにやっても上手くいくとは限りません。
的確なタイミングを測ることが必要です。
■順張りのタイミング①トレンドの起点や終点
エントリーのベストとなるタイミングは、トレンドが発生した起点です。
ここでポジションを立てられれば、後はトレンドが終わるまで高みの見物ができるでしょう。
同じく、トレンドの終点を見極めて決済すれば、最大利益が確保できます。
つまり如何にしてトレンドの動きを捉えるかにかかっているのです。
ただ実際にトレンドの起点や終点を見極めるのは簡単なことではありません。
ポイントとしては、1つのトレンドが終わると次のトレンドが始まることが多いので、その転換を狙う方法があります。
トレンドの転換場面は、それまで持っていたポジションの決済ポイントであると同時に、新しいポジションを立てる機会にもなるのです。
■順張りのタイミング②押し目買いと戻り売り
トレンドも一直線に進むことはあまりなく、その途中では一時的な逆行がよく生じます。
その機会を活かしてエントリーするのが、押し目買いや戻り売りです。
トレンドの起点を見つけることは簡単ではありませんが、途中で生じる逆行であれば、捉えやすくなります。
逆行が終わり、再びトレンドに戻った時がチャンスです。
上昇トレンドの途中で起きた、一時的な下落を活用するのが押し目買い。
下降トレンドの途中で、少し戻して価格が上がった所を活用するのが戻り売りです。
順張りのタイミング③ブレイクアウト
ブレイクアウトとは、水平線やトレンドラインなど、チャートに引かれたラインを価格が超えて大きく離れていくことです。
通常、トレンドの起点をリアルタイムで把握するのは大変です。
しかしブレイクアウトは、あらかじめ確認できるラインを超えた時点で補足できます。
そのため、起点でエントリーすることも可能なのです。
特に、レンジ相場を勢い良くブレイクアウトした時はチャンスになります。
そこで相場の潮目が変わり、新たなトレンドが始まることも多いからです。
逆張りの基本的なトレード手法
逆張りでは、あらかじめ反発すると見込んだ地点で価格を待ち構え、そこに達した時点で迎え撃つようにエントリーするのが基本です。
そのため価格ラインが十分読める場合は指値を置いて、予約売買することもよくあります。
決済についても同様で、向かい側で反発する地点が読める場合は、そこで機械的にポジションを閉じることになります。
この反発ポイントをいかに正確に読めるかどうかが、逆張りの勝率を大きく左右する要素です。
■逆張りのタイミング①サポレジラインを活用する
反発ポイントを示す代表的な指標が、サポートラインとレジスタンスです。
これらをまとめてサポレジラインとも呼びますが、多くの場合、逆張りにおいてはまずこの2本のラインをチャートに引くことが攻略の第一歩となります。
サポレジラインは相場がレンジ状態になった時、値動きの上下端を結んだものです。
下側のラインがサポートライン、上側のラインがレジスタンスラインとなり、それぞれ価格の動きを跳ね返す壁のように振る舞います。
いずれかのラインがブレイクされた時点でレンジ相場も終了しますが、逆に言うとレンジが続く限り、サポレジラインを使った逆張りが通用し続けるということです。
サポレジラインは必ずしも平行になっているとは限りません。
よく見られるのは、斜めに移動していく形や、徐々に幅が狭くなる三角形の持ち合いです。
いずれのケースでも、それぞれのライン際で逆張り手法が取れます。
ただ折り返す回数が増えるとラインをブレイクする可能性も上がっていくので、終盤になったら取引を控えた方が安全です。
■逆張りのタイミング②短期的に大きな値動きがあった時
メリットのパートでも紹介しましたが、要人発言などで大きな値動きが起きた場合も逆張りのチャンスです。
価格の変動が大きければ大きいほど、その揺り戻しも大きなものになる可能性があります。
そもそも、移動平均線から大きく外れた価格は、元の方向に戻ろうとするものです。
価格が上下いずれかに伸び切った頃を見計らってエントリーし、元値付近で決済すれば、臨時ボーナスのような利益が獲得できるでしょう。
ただし、値動きが進む中で逆張りすると大失敗します。
エントリーした価格を一気に突破して、逆方向に進んでしまうからです。
それでは逆張りでもなんでもなく、ただの裏目でしょう。
見極めの方法としては、ローソク足にひときわ長いヒゲが出るのを待つというものがあります。
長いヒゲはそれまでの強い方向性に対し、抵抗勢力がさらに強い力で押し戻したことを示しているので、そこで反転する可能性が高いのです。
また、実際に反転を確認してからエントリーすると確実でしょう。
厳密には純粋な逆張りではなく順張り要素も入ってきますが、反転を叩くようにエントリーするという意味では、大局的に見て逆張り手法と言えます。
■逆張りのタイミング③買われ過ぎや売られ過ぎの時
逆張りは基本的にはチャートの値動きから反発点を探りますが、そうした目に見える部分以外で判断する方法もあります。
それはインジケーターの指標を参考にするというものです。
主にレンジ相場で効果を発揮しますが、インジケーターの中でもオシレーター系のツールは、相場の買われ過ぎや売られ過ぎを数値化してくれます。
買われ過ぎている場合、価格が上がっていても間もなく売られて下落に転じる可能性が高まります。
逆に売られ過ぎの場合は、価格が不当に下がっているので、そこから上昇していく確率が高まるのです。
特に大きな値動きが伴った場合、移動平均線の方向に戻る動きを先んじて押さえれば、大きな利幅が期待できます。
順張り・逆張りトレードそれぞれの注意点
ここまでの説明で、順張りや逆張りに関する基本的な知識は一通りご紹介できました。
ただ実際に取引に臨むと、中々思ったような成果を出せないことも多いものです。
そこでここでは、順張りや逆張りでの取引をする際に必要な注意点をいくつかお伝えしておきます。
共通の注意点①根拠を持って取引する
共通の注意点②損切りラインを決めておく
共通の注意点③複数の時間足を確認する
順張りの注意点・高値掴みや安値掴みをしない
逆張りの注意点・ナンピンは禁物
共通の注意点①根拠を持って取引する
順張りにしても逆張りにしても、取引する時には必ず何らかの根拠を元に決定しましょう。
分かりやすく言うと、「チャートを眺めて何となく値ごろ感で決める」ようなことは、してはいけません。
感覚で取引してしまうと、負けた場合でもその原因が特定できないことも問題です。
「何となくここから上がって行きそう」「何となくここで反転しそう」などではなく、各種インジケーターの指標やチャートに引いたラインなど、明確な根拠を持って取引するようにしてください。
共通の注意点②損切りラインを決めておく
相場はいつでも自分が予想した通りに動くものではありません。
予想が外れた場合に備え、いつでも必ず損切り設定をしておくことは、必須中の必須です。
ここでもエントリーと同じく、何となく決めるのではなく、可能な限り根拠を持って損切りラインを決めましょう。
チャート的に明確なラインが取れない場合でも、想定できる利幅や準備している資金に応じて損失額を算出するなど、何らかの根拠を持ってください。
事前に損切りラインを明確にしておかないと、いざ含み損が発生した時、ズルズルと損切りを引き伸ばして傷を大きくしてしまう危険があります。
共通の注意点③複数の時間足を確認する
実際にエントリーのタイミングを決める時間足だけでなく、他の時間足のチャートも確認しましょう。
特に上位に当たるチャートは必ず見るようにしてください。
短い時間足ではトレンドに見えても、長い時間足ではレンジになっているかもしれません。
逆に、短い時間足ではレンジの動きをしていても、長い時間足では大きなトレンドが生じていることもあるでしょう。
そうした状況が分からないままでは、順張りすべき所で逆張りしたり、逆張りすべき所で順張りしてしまうことに繋がります。
短い時間足での挙動は、いずれ長い時間足での動きと同じ方向に揃う可能性が高いため、目の前だけを見て判断するのは危険です。
順張りの注意点・高値掴みや安値掴みをしない
安い所で買い、高い所で売るのが、FX取引の基本です。
逆張りの場合、常にそうした場面でエントリーすることになるので問題はありません。
しかし順張りの場合、トレンドの動きを待ってからエントリーするので、タイミングが遅れると値段が動いてしまうことがあります。
その結果、高くなった所で買うことになったり、下がった所で売ってしまうことになったりするかもしれません。
一度そうしたポジションを持ってしまうと、その後、長期間に渡って含み損を抱えてしまう恐れもあります。
逆張りの注意点・ナンピンは禁物
ナンピンとは、ポジションを追加していくことで、取得平均単価を下げる手法です。
例えば買いポジションを立てた状態で価格が下がると、含み損が生じますが、そこで買いを追加すると全体の単価は下がります。
その後、価格が回復すると、より早い時点で含み損が解消されることになります。
トレンド相場で一時的な逆行が起きているなら、こうした手段も有効です。
しかし逆張りの場合、危険性が格段に上がります。
例えば、レンジの下端で買いポジションを立てたが、価格が反転せずにラインを割ってしまった場合を考えましょう。
価格は、そのまま下がっていく可能性が高くなります。
にも関わらず、安くなったからと買いを追加すれば、そこからさらに損失が広がるでしょう。
順張り・逆張りに関するよくある質問
最後に、順張りや逆張りに関する疑問や質問をいくつかまとめてみました。
順張りと逆張り、勝率が高いのはどっち?
初心者の場合、どちらの方がより確実に勝てるかは気になる所でしょう。
ただ両者は手法に過ぎないので、絶対的にどちらかが優位ということはありません。
順張りが得意な人は順張りの方が勝ちやすく、逆張りが得意な人は逆張りの方が有効です。
勝率に関して言えば、利確のタイミングが早く、小さな利幅で収めた方が勝ちで終わる可能性が高いでしょう。
その意味では、早期に決済まで行うことが多い逆張りの方が有利です。
またレンジ相場を狙う逆張りの方がトレード機会が多いので、順張りよりも有利な条件を選べる可能性も高まります。
反面、1度の成功で大きな利益を取れるのは、トレンドに乗った順張りです。
どちらが優位ということではなく、双方を使い分けることが長期的な利益になるでしょう。
日本人は逆張りトレーダーが多い?
順張りが好きか、逆張りが好きかは、その人の性格によって変わるでしょう。
しかし国レベルで見た時、日本人には逆張りトレーダーが多いという話があります。
それに対して海外では、順張りを好む人が多いと言われています。
これは決して根拠のない話ではなく、実際に市場でもその傾向が再現されているのです。
FX市場は24時間、世界のどこかで開いていますが、各国の市場にはそれぞれ開設時間があります。
東京市場が開いている時間帯では、取引の中心となる日本人が逆張り好きなため、価格が大きく動きません。
動こうとすると、逆張りでそれを抑えにかかるからです。
一方、ニューヨークやロンドン市場では、値動きが激しくなりトレンドが生まれやすくなります。
価格に動きが生じると、その流れに乗って順張りする人が多いので、価格が伸びて行くのです。
このことから、順張りするなら東京時間以外が良く、東京時間はレンジ狙いの逆張りトレードが向いているというのも定石となっています。
逆張りのみは危険?
逆張り好きが多いと推察できる日本人ですが、好きだからと言って逆張りだけに偏った取引をするのは危険です。
特に、価格が落ちて来た所を狙い、逆張りして買いポジションを立てたくなってしまう人は注意が必要です。
「安いものを買うのが好き」という買い物感覚は、FXに取り組む上で有利には働きません。
しかし下がった価格がどこで止まるかは、実際には誰にも分かりません。
だからこそ、明確な根拠を持って反発点を確信しなければならないのです。
一方、急激に上昇した所で逆張りを狙い、そこで売りを仕掛けるのは怖さを覚える人が多いでしょう。
どちらも逆張りには変わりがないのに、受ける印象が変わってしまうのです。
その結果、安く買ったはいいが、そのまま続落して損失を出してしまう結果に陥ります。
レンジ内での下落ならともかく、底の見えない急激な下落に対しては、最大限の警戒を払わなくてはなりません。
そもそも相場には「落ちてるナイフは掴むな」という格言があります。
これは下落相場とはナイフが落ちてくるようなもので、うかつに掴もうとすると大怪我をしてしまうぞ、という意味です。
手を出すのは、ナイフが床に落ちて動きを止めてからにしましょう。
いずれにしても、十分な実力を付けないまま、逆張りのみで相場に立ち向かうのは感心できません。
順張りと逆張りをバランス良く、使えるようにしてください。
スキャルピングに向いているのは?
逆張り同様、スキャルピングが好きな方も多いのではないでしょうか?
短時間で結果を出すスキャルピングには、同じく決済までの期間が短い、逆張りの方が向いている気がするかもしれません。
しかしスキャルピングはごく近未来の値動きを見極める手法に過ぎないので、状況に応じて、順張りでも成果を出すことは可能です。
ただトレンド相場よりもレンジ相場の方が、値動きがない分、スキャルピングに頼った取引が優位となります。
そしてそのレンジ相場では逆張りが有効となるため、実際に向き合う相場状況から、結果的にスキャルピングを逆張りで行う回数が増えるという関係性は出るでしょう。
また先ほどの市場別の特性から、東京時間において、特にその傾向が顕著になることも考えられます。
そのような環境に応じて、スキャルピングの手法を使い分けるようにすると良いでしょう。