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FXのダマシとは?回避方法や発生原因・メカニズム、見分け方、典型例を紹介

FXではインジケーターなどを利用したテクニカル分析や、ファンダメンタルズ分析などから、今後の相場の動きを予測します。
しかしそれらの予測を裏切り、逆方向に向かってしまうことも少なくありません。
これを「ダマシ」と言い、FXを続けて行く上で、避けて通れない問題です。

特にレンジブレイクやトレンド転換を狙ったエントリーポイントでダマシが発生すると、短時間で大きな損失を出すことにもつながります。
ダマシを完全に回避するのは不可能ですが、あらかじめ発生することを想定し、対策を立てて置くのも必要です。

そこでこの記事では、ダマシが起きる原因やメカニズム、見分け方や回避方法などをお伝えします。
また、出やすい時間帯や遭遇してしまったときの対処法なども紹介するので、ダマシ対策に役立ててください。


FXのダマシとは?

ダマシとは、チャート分析などで得られた結論とは異なる方向に相場が動いてしまうことです。
英語でも「fakeouts」と呼ぶように、「騙された!」「嘘だろう?」「そんなはずはない!」というような、意表をついた動きをします。
チャートのセオリーを裏切る動きですから、どんなに経験を積んだトレーダーでも、完全に回避するのは不可能です。

よく見られるダマシは、例えば下記のようなものです。
重要なラインをブレイクアウトしたのでエントリーしたが、そこから反転して再びラインの中に戻ってしまった、という結果になります。

一旦はセオリー通りに動いているのが厄介です。
「想定通りだ」と思ってエントリーしたのに、あっさり逆方向に反転しています。

エントリーした位置によっては大きな含み損を一気に抱える危険もあるでしょう。
ダマシはまさにトレーダーの大敵です。
しかも、あたかも詐欺に遭ったような気持ちになってしまうことから、精神的なダメージも残ります。
できる限り回避し、仮に遭遇した場合でも、被害を最小限に留めなくてはなりません。

ダマシの典型例・パターン

ダマシが起きやすいのは、レジスタンスラインやサポートラインの近くです。
これはラインのブレイクを使ったエントリーに対し、予測を裏切ることを意味します。

では実際に、ダマシにはどのような形があるのかを見ていきましょう。

  1. ラインのブレイク点で騙される

  2. インジケーターが騙される

  3. チャートの形状分析が騙される

ダマシのパターン①ラインのブレイク点で騙される

以下は、まさに典型的なダマシのパターンです。

  • レンジ相場で価格がレジスタンスラインラインを上抜けする

  • 上方向にブレイクアウトしたと判断してエントリー

  • しかし、そこから反転して下落し、ラインの中に戻ってしまう

同様に、サポートライン側で起きるパターンもあります。

  • レンジ相場で価格がサポートラインを割り込む

  • 下方向にブレイクアウトしたと判断してエントリー

  • しかし、そこから反転して上昇し、ラインの中に戻ってしまう

このような形になります。
角度が異なるだけで、トレンド中や三角持ち合いの相場でも、同じようなダマシは発生します。

下図は、下降トレンド中におけるダマシの例です。

ここを起点にしてトレンド転換にまで至っていることが分かります。
上昇トレンドでも、高値圏での動きには注意が必要です。

価格が伸びたからと言って追いかけるのは危険であり、トレンド中のエントリーは、押し目買いや戻り売りにしぼりましょう。

ダマシのパターン②インジケーターが騙される

ダマシは多くの人が注目するライン際で起きることが多いのですが、その他のテクニカル分析によるサインも、ダマシの対象となります。

例えば移動平均線では、ゴールデンクロスやデッドクロスが完成すると、トレンドの方向性が生まれると見なされるでしょう。
しかしその直後に、そうした期待を裏切ってしまうこともあります。

上図ではゴールデンクロスが生じた直後に下降に転じており、サインを信じて買い注文をした場合、損切りに追い込まれていたでしょう。

ダマシのパターン③チャートの形状分析が騙される

チャート分析では、ラインやインジケーターに加え、値動きの形状も利用されます。

例えば、価格がジグザクに動くことに注目するダウ理論では、価格の切り上げや切り下げが重視されます。
直近の安値や高値を更新したらそのまま価格が伸びると判断しますが、そこから反転してくるケースも見られるのです。

上図では高値を切り上げながらトレンドが進行しており、赤丸の部分でも直前の高値を更新しています。
しかし直後に下落に転じてしまいました。

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ダマシが発生する原因やメカニズム

こうしたダマシは、なぜ発生するのでしょうか?

ダマシはチャートを見ている多くのトレーダーの「こうなるはずだ」という予測を裏切り、時に大きな損失を与えます。
しかしそれは同時に、その反対で利益を得ている誰かがいるということです。

ダマシは自然発生的に起きることもありますが、人為的に引き起こされることもあります。
それは機関投資家などの大口トレーダーが、市場に大量の資金を投入することで起きるのです。

ここではダマシが生まれる背景を解説します。

  1. 大口トレーダーによる人為的なダマシ

  2. 自然発生的なダマシ

  3. 複数の売買サインがダマシにつながることもある

  4. 上位の時間足にダマされることもある

  5. 上位の時間足のラインや移動平均線を確認する

大口トレーダーによる人為的なダマシ

まず、分かりやすい例として、レンジブレイク付近での動きを見てみましょう。

過去に何回か、同じレジスタンスラインで価格が反発している場合です。
再び価格がラインに近づくと、今度はどのような動きをするか多くのトレーダーが注目します(①)。

そこで大口トレーダーが「買い」を入れて価格を吊り上げ、ブレイクアウトを誘導しました。
この場合、抜けた方向にエントリーするのがセオリーですから、一般のトレーダーも「買い」を入れます。
すると一瞬で価格が上昇し、さらに追従する買いも増えるでしょう。

それを確認した大口のトレーダーは、ポジションを解消して最初の利益を確定させます。
そして今度は、大量の売りを浴びせます(②)。

この売りによって価格は反転し、買いでポジションを建てた一般のトレーダーたちも「騙された!」とばかり、追従して売りに走ります。
すると価格の下落はさらに進んで、元のラインの方向に戻っていきます(③)。

ここで早めに利確や損切りをすれば、ダマシの影響は浅くて済むでしょう。
しかし再び価格が上がることを期待し、ポジションを持ち続ける人も多いはずです。
それでもいよいよラインを割り込んで行くと、その付近に設定されていた指値の損切りも巻き込み、売りが急増していきます。

結果、価格は大きく下落して行くと同時に、先ほど仕掛けた売りポジションを決済することで、大口トレーダーは大きな利益を手にするのです(④)。

このように、ブレイクアウトを見て買いに走った人が含み損を抱え、慌てて損切りすることで急激な価格変動を伴うダマシが発生します。

自然発生的なダマシ

ただ、全てのダマシが人為的というわけではありません。
むしろ小さなダマシは日々、頻繁に発生しています。

先ほどのようなライン際では、買いポジションを持っている人の一部は、価格が反発すると見て売り注文を出します。
あるいは、新規で逆張りエントリーする人もいるでしょう。

一方、少しでもブレイクアウトの徴候が見えれば、買い注文に出る人もいます。
売りポジションで含み損を抱えていれば、安全策を取って、早めに損切りするケースもあるでしょう。

このように、ライン際では常に買いと売りとの攻防が生まれる余地があります。
そこでブレイクさせる方向(この場合は買う側)が強いと、価格がラインを飛び出るのです。

通常は、ブレイクアウトの勢いに飛び乗る新規買いと、慌てて損切りに走る勢力が相まって価格が伸びます。
しかし売りの勢いが残っていると、伸びかけた価格の頭を抑えるように、逆張り注文が続きます。
それにより少しでも価格が戻ると、「このブレイクアウトはダマシだったのではないか?」という疑念が湧くでしょう。

実際に人為的なダマシがなくても、多くの人がダマシが仕掛けられたと疑うことで、結果的に同じような動きが発生するというわけです。

複数の売買サインがダマシにつながることもある

大きく見ればダマシではないが、自分から見たらダマシになっている、という現象もよくあります。

例えば、エントリーを決める際に各種のインジケーターを使う人は多いでしょう。
しかしサポートラインなどの指標と違い、インジケーターは種類ごとにサインの出方が違います。
それどころか、同じインジケーターでも設定数値によってチャートへの反応が変わるでしょう。
移動平均線などは、設定の異なるラインを複数表示させるのが前提になっているほどです。

その結果、自分のチャートでは「買い」のサインが出ていても、他の人のチャートでは「売り」サインが出ていることもあるでしょう。
自分が買った後に、多くの人のチャートで「売り」だと表示されたら、そこで大きく買われて価格が反転してしまいます。

上位の時間足にダマされることもある

注意が必要なのは、異なる時間足でのチャートです。
特に上位の時間足のチャートは、常に確認する習慣を付けておかねばなりません。

多くの場合、下位の時間足は最終的に上位の時間足に従った動きをします。
目先のチャートが下落に向かっていても、長い時間足が上昇傾向にあれば、やがて価格は上昇に転じる可能性が高いでしょう。
各種のラインや指標も同様です。

例えば目の前のラインを抜けて価格がブレイクアウトしても、上位の時間足ですぐ上に強力な水平線がある場合、価格がそこで跳ね返される可能性が高いでしょう。
大きな目線で見ればセオリー通りの動きですが、目の前のチャートしか見ていないと、上がると思った価格がダマシにあったように見えてしまいます。

ダマシを回避する方法

ダマシは予見するのが難しいので、確実な回避策も中々ないのが現実です。
しかし、どこでどのように起きるかはパターン化できるため、ダマシに遭う確率を下げることはできます。
ここではダマシを回避するために覚えておきたい方法を、様々な観点から紹介していきましょう。

  1. エントリーのタイミングを遅らせる

  2. トレンドと逆方向へはエントリーしない

  3. ダマシの少ない時間帯を狙う

  4. 様々な指標を使った見分け方

  5. 相関関係にある通貨をチェックする

  6. 一気に利益を狙わず、エントリーも小分けにする

  7. ダマシの多い通貨ペアは避ける

エントリーのタイミングを遅らせる

人為的にしろ自然発生にしろ、ダマシの被害を大きくするのは、損切りも巻き込みながら発生する急激な価格変動です。
つまり、この変動に巻き込まれないことが、ダマシを避けるための大原則となります。

そのため最も効果が高いのは、その時間帯は一切の取引注文を行わないということです。
関わらなければ利益を生まない代わりに、損失を出す危険もありません。

具体的には、価格がラインをブレイクアウトしたり、ラインで反発した直後に飛び乗らないということです。

特にブレイクアウトの直後は、価格が一気に伸びていくことが多いため、反射的に追いかけエントリーしてしまう可能性があるでしょう。
すると伸び切ったヒゲの先で約定し、次の瞬間からひたすら含み損が膨らんでいくという結果にもなりかねません。

ブレイクアウトしても多くの場合、価格は一度は反転して元のライン方向に戻ってきます。
そのままラインを抜けて戻ってしまえば、「ブレイクアウトはダマシだった」という結果となり、無事に回避できたことになるでしょう。

ダマシでなかった場合は、ライン付近で反転し、ブレイクした方向に再び伸びていきます。エントリーは、それを確認してからでも遅くはありません。
トレンド相場の場合は、ここが「押し目買い」や「戻り売り」のチャンスです。

最低でも、ブレイクアウトした時間足が閉じるまでは待ちましょう。
急激なダマシの場合ヒゲだけ伸びて、時間足が閉じた時には元の値段以上に戻ってきてしまうこともあります。

トレンドと逆方向へはエントリーしない

即効性があり、しかも実行が極めて簡単なのが、トレンド方向を意識するということです。

ダマシが上下どちらの方向に起きるか、確率的に明確な違いはありません。
上昇トレンドであっても、下方向へのダマシが起きてしまうことがあります。

しかし例えば相場が上昇している場合、売りでエントリーしても、取れる利幅はあまり期待ができません。
しかもダマシに遭う可能性は、上方向に抜けた場合に比べて減るわけでもないのです。

危険性は変わらないのに、期待できる利益が少ないのなら、無理してエントリーする必要はないでしょう。

上図では下方向にダマシが発生していますが、トレンドは明らかに上昇傾向ですから、安易に乗らないようにしましょう。

その際、上位足も確認し、ともに同じトレンド状態になっていることを確認すると確実性が高まります。

ダマシの少ない時間帯を狙う

実はダマシには、発生しやすい時期や時間帯が存在します。
一言にすると、参加しているトレーダーが少ない反面、相場が適度に動いている時が危険です。

裏返しにすると、多くのトレーダーが参加し、相場が落ち着いている時を狙いましょう。
そのような状態の時は、ダマシに遭う確率が下がります。

これは特に、大口トレーダーによる人為的なダマシを避けるために有効です。
なぜなら市場での取引量が少ないほど、同じ資金でも与える影響が相対的に大きくなります。
それはつまり、参加しているトレーダーの数が少ない時です。

また、一定の値動きがあれば利益を獲得するチャンスが生まれますが、そもそも値動きが少ないと利益も得にくくなります。
資金を投入しても相場が動かなければ、ダマシの効果は出ないでしょう。
もとから動きのある中で、特定方向に誘導してこそ、ダマシをする意味があるのです。

このように大口トレーダーにしてみれば、どうせ仕掛けるならば参加者が少なく、相場に動きのある状態を選ぶでしょう。

相場への参加者が少なくなるのは、夏季休暇やクリスマスシーズンなどがあるでしょう。
相場に動きが出るのは、雇用統計などの重要な経済指標の発表前後が考えられます。
また東京時間よりも、欧州時間やニューヨーク時間の方が値動きが大きくなりがちです。
特にロンドン市場では投機筋が参入し、東京時間からの参加者に仕掛けを行う動きがあります。
こうした中では、ダマシへの注意が必要です。

一方、相場参加者が多いタイミングとなるのは、時間帯としては欧州や米国市場が開いた直後などが考えられます。
相場に動きがないのは、東京時間などがあるでしょう。
日本人の性格もあってか、価格が伸びると逆張りをして、価格を平均方向に戻す動きがよく見られます。
こうした中での取引であれば、ダマシに遭う確率を相対的に下げられるはずです。

様々な指標を使った見分け方

特定の指標に頼っているとダマシに遭う可能性が出てきてしまうと、先ほど説明しました。
ならば、あらかじめ自分でも複数の指標を使っておくことが、回避策になるでしょう。
特にブレイクアウトに関わるラインとインジケーターの組み合わせはおすすめです。

トレンド系のインジケーターで有名なのは、移動平均線・ボリンジャーバンド・一目均衡表などです。
オシレーター系のインジケータでは、RSI・MACD・ストキャスティクスなどがよく使われます。

上記はRSIを表示させたチャートです。
サポートラインを割り込んだ時、RSIでは買われすぎのラインに抵触しています。
つまり反転してくる可能性があるため、ひとまず静観しておく方が安全です。

また、複数のインジケーターで評価すると確実性が高まります。

例えば移動平均線で「売り」のサインが出ている時に、ボリンジャーバンドやRSIなどでは、どのようになっているかを見てみましょう。
エントリーを決めるための根拠は、多ければ多いほど確度が高まります。

相関関係にある通貨をチェックする

世界の経済は連動しているため、異なる通貨であっても似たような動きをすることがあります。

例えば、オーストラリアとニュージーランドは隣国で経済的にも関わりが深く、どちらも資源国であることも共通項です。
そのため通貨の動きも似通っており、豪ドルが上昇するとNZドルも上がりやすくなります。
つまり「AUD/JPY」と「NZD/JPY」などを比べることで、ダマシの回避に役立つのです。

実際に同じ時期のチャートを比べてみましょう。

上が豪ドル、下がNZドルです。
非常に似ていることが分かるでしょう。

「AUD/USD」がレンジブレイクした時、「NZD/USD」も同じような動きを見せていれば、そのブレイクの信用性は高まります。
しかし「NZD/USD」が逆方向に動いていたら、そのブレイクはダマシであるという可能性が出てくるでしょう。

豪ドルのチャートの冒頭を拡大したのが下図です。

赤丸部分でラインをブレイクしています。
しかし、このまま伸びていくのかダマシになるのか、この時点では明確に判断できません。

では、NZドルはどのようになっているでしょうか?
下図は同じ時期を拡大したものです。

赤丸は豪ドルチャートと全く同じ時間を指しています。

すでに上方向に離れて行っているため、豪ドルもNZドルに追従していくであろうと予測できるでしょう。

関係性の深い通貨としては、他にも経済圏が近い米ドル(USD)とカナダドル(CAD)、日本円(JPY)と香港ドル(HKD)などがあります。
またユーロ(EUR)と英ポンド(GBP)やスイスフラン(CHF)も相互に確認しておくと良いでしょう。

一気に利益を狙わず、エントリーも小分けにする

ダマシは時間的には、非常に短い時間で完結します。
そのためエントリーを遅らせることが対策になるのですが、そもそも短時間で一気に利益を狙うこと自体が、ダマシに遭いやすい原因です。

短期的な取引に偏らず、中長期の目線で取引するほど、ダマシに遭う可能性は減っていきます。
細かい値動きに一喜一憂していると、ダマシの動きにも引きずられてしまうでしょう。

また、一気にまとめてエントリーするのもリスキーです。
最初から何回かに分けてエントリーすれば、仮にその1回目や2回目でダマシに遭っても、残りの資金は保全できます。
逆に値動きに怪しい点がなく、ダマシではないと確認できれば、残りのエントリーを安心して行えるでしょう。

同じライン上での値動きを過去のチャートで確認する

チャートの値動きは、同じような場所で、同じように繰り返される傾向があります。
レジスタンスラインで価格が何回も反発するように、ダマシも過去に、似たような動きをしている可能性があるのです。

そうした場合、この先も同じようなダマシが再現される見込みは高いでしょう。
様々な原因でダマシが生まれやすい環境になっているのかもしれませんし、過去の成功に味をしめた大口トレーダーが、同じ手口を繰り返しているのかもしれません。

いずれにしても過去のチャートを分析することで、ダマシが出やすいかどうかを推測することは可能です。
そうした場所では、警戒を怠らないようにしてください。

上位の時間足のラインや移動平均線を確認する

ダマシの原因でも説明しましたが、エントリーのために見ている時間足のチャートでは意外な動きであっても、上位足で見れば納得できるケースも多いものです。
特に各種のライン取りは、短い時間足では把握できない部分があります。
長期的な視点で引いたラインは、常に参照するようにしておきましょう。

また見逃せないのが移動平均線です。
「どうしてここで反転するの?」という、下位の時間足のチャートでは何も指標のない所で、謎の動きを見せることがよくあります。
しかし上位足を見てみると、移動平均線にピタリと接触し、そこで綺麗に折り返していたというケースが多いのです。

ダマシの多い通貨ペアは避ける

大口トレーダーの動向として、市場に参加者が多いと資金に対する効果性が薄れるため、比較的ダマシが起きにくくなると説明しました。
これを通貨ペアで考えると、米ドル/日本円などは取引規模が極めて大きいため、一部の人間の思惑通りにはなりにくいと言えます。

逆に、取引量が小さな通貨ペアは、人為的なダマシのターゲットになってしまう危険があるでしょう。
そうした通貨ペアはもともと値動きが激しいことが多いため、ますます旨味が生まれてしまいます。

例えばトルコリラ(TRY)やメキシコペソ(MXN)は、高金利通貨として人気ですが、ダマシの仕掛けには注意が必要です。

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ダマシに遭ってしまったときの対処法

様々な回避方法を試してみても、残念ながらダマシに遭ってしまうことはあるでしょう。
そうした場合、いかに損失を最小限に留めるかが重要です。
ダマシに遭ったと気づいた時点で、最適な対応を取らねばなりません。

そこで最後に、ダマシに遭ったらどうしたら良いかをお伝えします。

  1. 適切に損切りをする

  2. ポジションの一部を決済していく

  3. ダマシを利用してエントリーする

適切に損切りをする

何はともあれ「ダマシだ!」と気づいた時点ですべきことは、損切りです

予想外の値動きに直面すると、思考が一瞬止まってしまうこともあるでしょう。
認めたくないという反発や焦り、損失を出したくないという思いから、損切りへの抵抗も生まれます。
また元の方向に戻るだろうという、根拠のない希望を抱き、ひたすら「戻れ、戻れ」と祈り続ける人もいるかもしれません。

その結果、損切りに踏み切れないまま、時間が経過してしまうことが多いのです。
そうではなく、ダマシに遭ったら躊躇しないで、すぐに損切りしてください。
一度勢いの付いた流れは簡単には戻ってきません。
損切りを先送りするほど、損失は大きく膨らんでいくでしょう。

ポイントは、ダマシにあった事実を認め、平常心を保って冷静に判断することです。
感情的になって根拠のない取引をしてしまうのは、損失の元です。
早めに損切りをして、次のチャンスに備えましょう。

ポジションの一部を決済していく

エントリーの際、分散させた方が良いのと同様に、ポジションの決済についても少しずつ進めていくという対処もあります。
これは、ダマシによる反発が小さく終わり、そこから再び価格が折り返していくことを想定したものです。

例えばポジションの半分を損切りで決済しておけば、その後の含み損が増えるペースを半分にできます。

そして再びブレイクアウトした方向に相場が戻れば、残りのポジションからは損失を出さずに済むわけです。

この場合、元からトレンドが強く、途中でダマシに遭っても大局は変わらないだろうという予測も欠かせません。
そうでないと迂闊に分割した結果、早期にまとめて一括決済しておいた方が良かった、という結果にもなりかねません。

ダマシを利用してエントリーする

不幸にもダマシに遭ったとしても、それを利用してチャンスに変えることも可能です。
特にダマシと関係するようなエントリーをしていない場合、直接的な損失は出ていません。
そのため上手くいけば、そこそこの利益を残すこともできるでしょう。

方法は、ダマシの切り返しに合わせて、同じ方向にエントリーするだけです。
特にヒゲが大きく伸びている場合、同じスピードで全戻しとなり、そのまま方向性が変わっていくこともよくあります。
その動きに合わせる形でエントリーすれば、成功する確率は十分あるでしょう。

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