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リターンムーブとは?種類や発生する理由(心理)、トレード手法を解説

FXのテクニカル分析の1つに「リターンムーブ」があります。
リターンムーブとは、レジサポラインをブレイクした後に、新たにトレンドを形成することです。

リターンムーブの分析には、難しいテクニカル指標は必要ありません。
水平線やトレンドラインだけで簡単に分析できます。
トレンド転換の分析が素早くできるので、FXで大きな利益を狙うことも可能です。

ただ、リターンムーブはなぜ発生するのか、トレードにどのように活かせば良いのか分からない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、リターンムーブの種類や発生する理由(心理)、ロールリバーサルとの違い、トレード手法を解説します。
どんなトレード手法とも相性が良いので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。


リターンムーブとは

リターンムーブとは、レジサポラインを抜けた後に、新たにトレンドを形成することです。
簡単に説明すると、以下のとおりです。

  • レジスタンスラインを上に抜けて、そのラインが次はサポートラインとして機能する

  • サポートラインを下に抜けて、そのラインが次はレジスタンスラインとして機能する

これらをリターンムーブと呼びます。
リターンムーブを頭に入れてトレードすると、トレンド発生の予測や反発タイミングが分析しやすくなります。

ロールリバーサルとリターンムーブの違い

リターンムーブと同じような意味で「ロールリバーサル」という言葉もあります。
実は、ロールリバーサルとリターンムーブに大きな違いはありません。

ロールリバーサルとは「役割転換」という意味の言葉です。
どちらもレジスタンスライン・サポートラインをブレイクした後に、再び価格が戻ろうとする動きをすることを指します。

考え方は同じなので、一緒という認識でも問題ありません。

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リターンムーブの種類

ここでは、リターンムーブの種類をご紹介します。

  1. 水平線(高値・安値)

  2. トレンドライン

  3. 移動平均線

基本的な考え方は同じですが、使用する指標が異なります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

水平線(高値・安値)

最も一般的な形は、水平線を使ったリターンムーブです。
水平線を使ったリターンムーブは、まずチャートに水平線を引きます。

レジスタンスラインを上に抜けたら、サポートラインに転換します。
一方、サポートラインを下に抜けたら、レジスタンスラインに転換します。

ラインが転換した後、もう一度そのラインまで戻ってきたタイミングが狙い目です。

トレンドライン

続いては、トレンドラインを使ったリターンムーブです。
トレンドラインとは、トレンドに沿った斜めのラインです。

水平線と同様、チャートにトレンドラインを引きます。

上昇トレンドラインを下に抜けたら、レジスタンスラインに転換します。
一方、下降のトレンドラインを上に抜けたら、サポートラインに転換します。

ラインが転換した後、もう一度そのラインまで戻ってきたらタイミングが狙い目です。

移動平均線

最後は、移動平均線を使ったリターンムーブです。
基本的な考え方は、水平線とトレンドラインを使った方法と同じです。

一般的に、移動平均線よりも価格が上を推移していたら「上昇トレンド」、下を推移していたら「下降トレンド」と判断します。
例えば、移動平均線よりも上を推移しており、価格が下落して移動平均線で反発したら、そのポイントを「リターンムーブ」と呼びます。

それでは実際にチャートで確認していきましょう。
以下は、100日移動平均線(SMA)を引いたUSD/JPYチャートです。

上記チャートを見ても分かるように、移動平均線付近で反発をしている場面がたくさんあります。
リターンムーブでは、この移動平均線にタッチして反発したタイミングが狙い目です。

リターンムーブが発生する理由

リターンムーブの概要や種類は理解できたものの、なんでリターンムーブが発生するのか疑問に思っている人もいるでしょう。
ここでは、リターンムーブが発生する理由をご紹介します。

  1. 含み損を抱えたトレーダーが損切りする

  2. トレンド転換を狙って新規ポジションを狙う

  3. 2つが重なるためリターンムーブが発生する

リターンムーブの発生には「投資家心理」が大きく影響していきます。
順番に詳しく見ていきましょう。

含み損を抱えたトレーダーが損切りする

リターンムーブが起こりやすい価格では、含み損を抱えたトレーダーが損切りを行いやすいです。
以下のチャートをご覧ください。

水平ラインをブレイクする前(赤枠時)に、売りポジションを持っていたら、ブレイク後(青枠時)にどんな心理になるでしょうか?
人それぞれで考え方は異なりますが、多くのトレーダーは、水平ラインを上にブレイクした時点で、さらに価格が上がると思って損切りしたくなるはずです。

売りポジションを持っているトレーダーは、決済買いをするので、相場がさらに上がりやすくなります。

トレンド転換を狙って新規ポジションを狙う

トレンド転換を狙って新規ポジションを注文する人もいます。

FXで大きな利益を狙うためには、取引量(ロット数)を増やすか、値幅を取る必要があります。
取引量を増やせるのは、資金に余裕がある一部の人だけなので、多くの人は値幅をできるだけ取る努力をするでしょう。

リターンムーブはトレンドが転換するタイミングなので、狙っているトレーダーも多いです。
意識されているラインにタッチしたタイミングが、最も出来高が増える瞬間でもあります。

上記チャートの場合、一度レジスタンスラインを下にブレイクして、再びラインまで戻ってきたタイミングで新規ポジション(買い)を狙います。

2つが重なるためリターンムーブが発生する

「含み損を抱えたトレーダーの損切り」と「トレンド転換を狙った新規ポジション」の2つが重なることで、大きな反発を狙うことができます。

すでにポジションを持っている人の損切りによる「買い」と、上昇トレンドへの転換を狙って新規で注文する「買い」が重なることで、大きく上昇する可能性が高いからです。
もしも、サポートラインによるリターンムーブなら、「売り」注文が重なるので、大きく下落する可能性が高いと言えます。

「買い」と「売り」が拮抗する場面では、方向性が定まらず上下動を繰り返します。
一方、リターンムーブのように投資家の心理が一致している場合は、一方向に大きなトレンドを作る可能性が高いです。

短期間で大きな値幅を取るなら、リターンムーブのようなトレンドが転換するタイミングを狙うのがおすすめです。

リターンムーブを利用したトレード手法

ここでは、リターンムーブを利用したトレード手法をご紹介します。
今回紹介するのは、以下3種類のトレード手法です。

  1. 水平線を使ったリターンムーブ手法

  2. ブレイクアウトも絡めたナンピン手法

  3. 移動平均線を使ったリターンムーブ手法

一言に「リターンムーブ」といっても手法は様々です。
手法には向き・不向きがあるので、自分に合ったトレード手法を見つけていきましょう。

水平線を使ったリターンムーブ手法

まずは水平線を使ったリターンムーブ手法をご紹介します。
トレード手法は非常に簡単です。

レジスタンスラインを上に抜けた後、一度下落して、再びライン付近で上に反発が確認できたときに「買いエントリー」を行います。

反対に、サポートラインを下に抜けた後、一度上昇して、再びライン付近で下に反発が確認できたときに「売りエントリー」を行います。

スキャルピングはもちろん、デイトレードやスイングトレードにも対応できる万能なトレード手法です。
特にラインをブレイクするまでのレンジ期間が長ければ長いほど、指値注文が溜まりやすいので、大きな値幅を狙える可能性が高いです。

ブレイクアウトも絡めたナンピン手法

リターンムーブは大きな利益が期待できるトレード手法ですが、1日に何回もチャンスがあるわけではありません。
そこでおすすめなのが、ブレイクアウトも絡めたナンピン手法です。

リターンムーブは1度ブレイクした後、再びラインまで戻ってきたタイミングを狙います。
しかし1度ブレイクした後、ラインまで戻らず、そのまま大きなトレンドを形成する場面もたくさんあります。

たしかにリターンムーブだけを狙っても利益を出せる可能性は高いですが、機会損失を出してしまう可能性もあるのです。
そこで、1度ブレイクしたときに低めのロットでエントリーを行い、リターンムーブが確認できたタイミングで、少し大きなロットでナンピンを行います。

そうすることで、機会損失を出すことなく、期待値の高いポイントでエントリーできます。
ただし、ナンピンを行うので、ロットの管理は必要です。

通常の取引量(ロット数)でナンピンを行うと、リスクが高くなります。
そのため、1回の取引量を分割して、30%をブレイクアウト時、70%をリターンムーブの時に分けるなどの工夫は必要です。

FXのトレード手法に正解はないので、色々な方法を試しながら自分に合ったものを見つけていきましょう。

移動平均線を使ったリターンムーブ手法

最後に、移動平均線を使ったリターンムーブ手法をご紹介します。
基本的なトレード手法は水平線と同じです。

移動平均線よりも価格が上を推移し、下落して移動平均線上で反発が確認できたら「買い」エントリーを行います。

移動平均線よりも価格が下を推移し、上昇して移動平均線上で反発が確認できたら「売り」エントリーを行います。

決済のタイミングは、移動平均線をブレイクしたときです。
買いポジションの決済は、価格が移動平均線を下にブレイクしたとき、売りポジションの決済は、価格が移動平均線を上にブレイクしたときになります。

エントリーポイントはもちろん、決済ポイントも単純なので、FX初心者でも再現しやすい手法です。

また、移動平均線は自由に期間を変更することができます。
100日移動平均線というのは、最も一般的な期間です。
スイングトレードで長い期間取引したいなら「200日移動平均線」、スキャルピングやデイトレードのように短い期間取引したいなら「20日・50日」のように、自由度が高いです。

期間を変更してもトレード手法は変わらないので、1つの手法で取引の幅を広げることができます。
自分のトレードスタイルに合わせて、移動平均の期間を変更しながら使用してみてください。

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