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今回の投稿では転職活動における主導権の話をしたいと思います。転職活動に主導権があるのかとお思いの方もいらっしゃると思いますが、実は転職活動における主導権は以下の二つのケースで考えることができます。

  • 転職活動をする本人 vs 家族

  • 転職活動をする個人 vs 企業

今週の投稿としては、最初の本人 vs 家族のケースを取り上げます。

転職活動における様々なパターン

転職活動をする場合、活動をする本人は通常、ご家族ともよく話し合った上で転職活動をスタートするケースが一般的です。しかしこのようなケースではなく、例えば家族が知らないうちに会社を辞めていたというような事も実際におきることがあります。
(昔はこのようなケースは結構ありました)

ここでのポイントは家族間で転職活動について話し合っているレベルです。

1)転職活動をしていることを知らない
2)転職活動をしていることは知っているが詳細は本人に任せている
  (=受けている企業や条件などの詳細はよく分からない) 
3)転職活動をしているのは知っており受けている企業や条件も知っている

 

上記の 1)のケースは先ほども述べたように今はほとんど見られないので詳細を割愛しますが、注意をしないといけないのは2)のケースです。

転職活動の詳細をどこまで共有するべきか?

例えば転職活動をしている本人が「キャリアアップ」を目指しているとしましょう。その場合は年収や福利厚生などの条件よりも企業や仕事内容、身に付くスキル等の観点で活動をすることになります。
ところが、ご家族(例えば奥様、又はご主人というケースも当然あります)の方が実は、本来転職で実現して欲しいと思っていることがキャリアアップというよりは、「年収アップ」であったり、「ワークライフバランス」などの時間の共有などを重視しているとしたらどうなるでしょう?

つまり、ご本人の活動の軸である「キャリアアップ」とご家族の方が望んでいる「年収アップ」や「ワークライフバランス」という軸には、実は大きなギャップが生じてしまっているのです。

もし活動の詳細を深く話していないとこういった違いを認識しないまま、選考の最終段階に進んでしまい、最後の意思決定をする際にこのギャップが顕在化し、大どんでん返しが起きるという事が発生してしまうのです。

最終的にはご本人が当初の予定通り、キャリアアップを重視した企業を選ぶのか、ご家族の思いを重視して転職先を変更していくのか、これは取りも直さずどちらが主導権を握っているのか?という事なのです。
または単純に家族間(夫婦間)のパワーバランスの関係で必然的にどちらかの言い分が強いというケースもあります。

重要なのは転職後のゴールを共有すること

このような事が起きないように私は面談時に必ず求職者の方に「今回の転職活動についてご家族の方は何とおっしゃっていますか?」と確認をします。これは単なる転職活動をすることを了解しているのかという確認ではなく、転職後のゴールまで共有ができているかどうか、という点をチェックします。そして最終的に判断をする決定権者は誰なのか?という点を明確にしておきます。

一時期、大変失礼な言い方ですが業界で「嫁ブロック」という言葉が流行りました。これは転職活動をしている本人に決定権はなく、全ては奥様が判断するというケースを指している言葉です。例えば、転居を伴うケースなどではこのケースはよく見られます。
実際にその仕事をする訳ではない奥様が転職の最終判断をするというのは考えてみればおかしな話なのですが実はこのようなケースは今でもよく見られる事例です。

ですからどういう理由で転職活動をしており、何を実現する事でそれが叶えられるのか、その点についてあなた(=転職活動をする本人)とご家族はどういう認識をしているのかという点をしっかりと整理をしてあげる事が必要になってくるのです。そのために我々、転職エージェントが存在しているとも言えると思います。

転職は人生を左右しかねない一大イベントです。だからこそ単純にスキルや年収条件のアップだけて転職をするのではなく、その後の生活やご家族とのライフスタイルを含めた転職後の未来がしっかりと描かれていないと転職に成功したとは言えないと思います。
だからこそ、しっかりとご家族と転職後のゴールについて納得するまで話しあってこそ、その後の人生がより豊かになっていくのだと思います。

 

改めて、我々転職エージェントはそのような重大な場面に立ち会っているという責任感を持って業務に取り組んでいく事が必要だと感じます。私も日々この点を意識して求職者の方に接していきたいと思います。

次回は転職の主導権についての第2回目として、転職活動をする個人 vs 企業について取り上げたいと思います。

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