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同業他社への転職で注意したいこと

前回の投稿は「異業界への転職で注意したいこと」というテーマでしたので今回は反対に「同業他社への転職で注意したいこと」について述べていきたいと思います。

まず最初に、同業他社への転職する場合のメリットとデメリットを見てみましょう。

同業他社へ転職するメリット

中途採用の場合、多くの企業で即戦力の人材が求められます。その為、当然どこの会社も同業他社で活躍している人は喉から手が出るほど欲しい人材であることが多いです。
このような企業側のニーズに対して同業界出身者は今までの経験や業界知識、スキルなどをそのまま活かせることが多く、入社後に比較的早期に即戦力として活躍できる可能性が高いというのが最大のメリットでしょう。

同業他社へ転職するデメリット

一方でデメリットは何でしょうか?
それはいくら同じような仕事をしているからといって同業他社でも前職と同じやり方や考え方が通じる訳ではないことです。この点はとても重要なので認識をしておくべきことでしょう。

私も人材業界でアデコ→リクルート→JACリクルートメントの3社に在籍をしておりましたが仕事に対する考え方や進め方、組織風土などは各社全く異なっていました。
この点を踏まえ、柔軟に自分の考え方や行動を変えていかないと同業他社への転職であってもうまくいかないことになると思います。

更には、前職でのやり方に固執したり、その良さをアピールし続けたりすると、新しい職場で歓迎されにくくなるという点にも気をつけましょう。

また、注意をしておきたいのはこのような組織風土の違いと同様に給与体系や評価制度も違うという点です。
「前職ではこれだけ売上たら◯◯円もらえたのに」みたいなことを言っても全く関係ないのです。

このあたりの給与体系や評価についても事前に調べたり、面接などで確認をしておくべきでしょう。

同業他社への転職で注意したいこと

ここからは本題である「同業他社への転職で注意したいこと」について述べていきます。
まず最初に注意をしなければならない点は「競業禁止義務」についてです。

これは同業他社への機密情報漏洩や自社の技術やノウハウの流出を防ぐため、同業への転職を含めた「競業行為」を制限するものです。
この場合の情報とは、調べればだれでも収集できる性質のものとは違い、会社内部の人間しか知り得ない、社外秘として取り扱われている企業独自の技術・データを指します。

具体的に言うと人材業界の会社の場合は、登録者や求職者などの個人情報や取引先企業の守秘義務に当たるような人事や組織などの情報、過去の成約者や取引条件などの取引実績などがこれらに該当します。

就業規則に退職後の「競業禁止義務」についての規定がある場合や入社時や退職時に企業側から「競業避止義務」に関する誓約書への署名を求められた場合は、要注意です。どのような行為がこれらに該当するのか、という点について十分認識をしておくことが大切です。

職業選択の自由はどこまで適用されるのか?

一方で憲法の基本的人権の一つとして「職業選択の自由」が保障されています。その観点でいけば、基本的には同業他社への転職も保障されています。先ほどの「競業禁止義務」や「競業避止義務」はどこまで効力があるのでしょうか?

私は法律の専門家ではないのであくまで今までの経験として述べさせていただくと「相当程度の損害を与えた」ということがポイントになると思います。
例えば前職企業の機密情報を使って転職先企業のビジネス拡大に貢献し、前職企業に不利益を生じさせるような場合などは前職企業からみると損害を受けたということで裁判に発展する可能性も出てきます。

但し、これも「相当程度」というのがポイントです。

例えばこのようなケースにおいて大量の個人情報を持ち出して前職に損害を与えたと言う場合はもちろん「相当程度の損害を与えた」ことに該当しますが、一個人の頭に入っている程度の数件の顧客情報を利用して取引を行なったなどの場合はよっぽどの特殊なケースを除けば訴えられるリスクは低いと思います。

また、当然ですがこのような「競業避止義務」の規定がない場合であっても同業他社への転職をする場合はこれらの点には十分に注意をしておくことが必要です。

結局は、転職後もどこかで人間関係は続いていく

以上見てきたようにコンプライアンス上における問題点は当然、十分認識をしておく必要はありますが本質的にもっと大事なことは同業他社への転職の場合、「転職後も結局はどこかで前職の人との人間関係は続いていく」ということです。

つまり、前職企業に対する配慮やある程度の尊敬の念を持って同業他社へ転職をしていかないと結局は転職先でもうまくいかないのです。

たまに前職の企業の悪口や会社の機密情報をベラベラと話す人がいますがこれはコンプライアンスの観点はもちろん、その人への「信頼」という観点からも大きな問題や懸念を生むということを認識をしておくことが大切です。

結局は、転職後もどこかで人間関係は続いていくのです。

 

この点を肝に銘じておけば取るべき行動は自ずと見えてくると思います。

今回見てきたように同業他社への転職は大きなメリットがある一方で非常にセンシティブな内容にも注意しないといけないことが多いです。
是非、同業他社への転職をする場合は今回の記事を参考にしてみて下さい。

弊社、カタリストエージェントでは同業他社への転職についても丁寧にアドバイスをさせて頂きます。
転職に関するご相談は是非、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。



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