ビズリーチの新CMに見る今後の人材紹介会社の方向性
皆さん、こんにちは。カタリストエージェントの勝田です。
つい先日の7月10日から転職サイトを運営するビズリーチが新しいTVCMの放送をスタートしました。詳細は下記をご覧ください。
注目すべき点は何と言っても第一生命ホールディングスの菊田社長だけがビズリーチのCMのトレードマークである人差し指を上に上げるポーズをしていないこと・・・・・・・
ではなく(それも気になりますが)、このCMによってビズリーチがこれまで以上に本気で企業と求職者を直接つなぐ「ダイレクトリクルーティング」に取り組んでいくというメッセージを世の中に発信したということです。
そうなると我々のようなビズリーチを利用している人材紹介会社は今後どうなっていくのでしょうか?今回はこの点について考察をしていきたいと思います。
今後、益々増えていくダイレクトリクルーティング
ビズリーチのサービスは2009年4月にスタート(注:株式会社ビズリーチは2007年の創業)をしていますが、当時企業と求職者が直接やりとりできるプラットフォームがなかった人材業界にハイクラス人材という人材のデータベースを構築し、それを企業に解放していくことで今でいう「ダイレクトリクルーティング」の市場を創り上げてきました。同時にその人材のデータベースを人材紹介会社のコンサルタント(=ヘッドハンター)にも解放していくことで急成長し、唯一無二の転職サイトになりました。
ビズリーチというと何となく人材紹介会社のヘッドハンターがメインで使っているというイメージがあるかもしれませんが、上記のように創業初期からダイレクトリクルーティングに取り組んでおり、実はビズリーチの売上を見ると実に69%が直接採用企業(=ダイレクトリクルーティング)からの売上となっています。つまり、ヘッドハンター経由の売上はわずか31%しかないのです。<2024年ビジョナル株式会社決算説明資料より> 詳細は下記pdfファイルを参照ください
また、この直接採用企業の割合は昨年度の66%から69%へと3ポイントも拡大をしているとのことです。そんな中での冒頭のTVCMです。これから益々ダイレクトリクルーティングが増えていくことはほぼ間違いないと思います。
大手求職者データベース事業者に翻弄される人材紹介会社
以前、私はビズリーチに限らず大手求職者データベース(DB)事業者に依存する今の人材紹介会社の現状を記事にまとめたことがございます。
そこでは今の人材紹介の業界構造が完全に求職者DB事業者に主導権を握られており、大きな仕様変更や機能変更があったとしてもそれに従わざるを得ない状況があることを述べさせていただきました。
そのような中でビズリーチのようなダイレクトリクルーティングに注力する企業が他にも出てくると(例えば、リクルートの「ダイレクトスカウト」などもその名の通り、昨年の大幅な仕様変更を経てより一層、ダイレクトリクルーティングの方向にシフトしています)益々、人材紹介会社にとっては苦しくなります。
以上を踏まえると今後の人材紹介会社は求職者データベースを「主導権が握られている構造」と「今後どんどん縮小していく(=実績がない人材紹介会社は契約終了となっていく)方向」の中で戦略を考えていかなければいけないと言えます。
今後の人材紹介会社の方向性
それでは今後の人材紹介会社の方向性はどうなっていくのでしょうか?
一つはこのような流れに飲み込まれ、事業が縮小または撤退をしていく方向ともう一つは求職者データベースに頼らない強みを築いていく方向の大きく二つの方向があるかと思います。
特に後者については以前のnoteの投稿でも取り上げており、「求職者の集客に強い人材紹介会社」が今後強いということを述べさせていただきました。
具体的には、「独自の集客手段」を持っている企業や「リファーラル」が多い企業などについて取り上げています。
ただ、これらについてはすぐには構築していくことは難しく、また長い時間をかけて信頼を得ていくことで初めて実現できることでもあります。弊社のように1人で事業を行っている会社や小規模の会社にとってはとてもハードルが高いのも事実です。
そう考えると現実的には(あるいは当面は)求職者DBについては一定程度利用していくことになるのではないかと思います。
弊社、カタリストエージェンエージェントとして
弊社カタリストエージェントとしても現状は求職者DBについては利用をしており、今年の成約を振り返ると約55%が求職者DB経由となります。この数字が高いのかどうかは分かりませんが、事実として半分以上は求職者DBに依存している形となります。
そのような中で、少しでも優位性を出していくために、弊社では独占求人(又はコンフィデンシャル求人)の獲得に力を入れております。
弊社は大変ありがたいことに取引先のほとんどの企業で社長などの決裁者と直接やり取りをさせていただいております。そのため、一般的に流通している求人(例えば採用管理システムに一斉に配信される求人)以外の弊社ならではの求人を多数取り扱っております。
このような案件は当然、求職者にとってもとても魅力的な求人が多く、求職者DBを使っても大変返信率が高かったりします。
結局は人材紹介会社の価値はこのような魅力的な求人をどれだけ保有しているか、ということになるのではないでしょうか?
引き続き弊社としてはこのような魅力的な案件獲得に注力をしていきたいと考えております。
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