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ウマ娘にハマって乗馬ライセンス5級を取った話
前回までのあらすじ
2021年秋、体験乗馬に行ってすっかり馬の可愛さの虜になってしまった。
体験乗馬は楽しかったが基本的には引馬(※インストラクターに綱を引いてもらう)なので、いつまでも体験乗馬を繰り返すというわけにもいかない(※どの乗馬クラブも基本的に体験乗馬はプロモーションを兼ねて安値で提供しているサービスという位置づけなので、「体験乗馬はおひとり様1回まで」というスタンスのようです。)…いったいどうしたものか…
そうだ、乗馬ライセンスを取ろう
乗馬ライセンスを取れば引馬ではなく能動的にコントロールできる、拍が付く、カードという形として残る、そして何より馬ともっと触れ合えるのではないか?…2022年1月、ついに乗馬ライセンスの取得を決断したのでした。
乗馬ライセンスの体系について
下図は社団法人全国乗馬倶楽部振興協会の乗馬技能認定の体系です。3級以上は馬上馬術、障害馬術、エンデュランスに分かれます。
馬上馬術…長方形の競技アリーナ内で行う演技の正確さや美しさを競う競技
障害馬術…競技アリーナに設置された様々な色や形の障害物を、決められた順番通りに飛越、走行する競技
エンデュランス…"馬のマラソン"とも言われる競技で、長距離を走る競技
基本的に乗馬クラブで取るライセンスというとブリティッシュですが、ウエスタンというのもあります。
ブリティッシュ…ヨーロッパ発祥とされる。オリンピック競技等で見るスタイルはこれ。手綱は両手で握る。軽速歩で立つ座るがある。(※今回の話ではここが重要)
ウエスタン…アメリカ発祥、もっというとカウボーイのスタイル。投げ縄を扱うために手綱は片手でまとめて持つ。立つ座るが無いとされる。
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今回はすべての入り口となる乗馬ライセンス5級を取ります。
乗馬ライセンス5級の合格基準(審査内容)
実技試験
実技試験では下記の項目を実施できれば合格です。
乗馬、下馬ができる…決められた順序通りに乗り降りします。余談ですがやっているうちに「乗馬、下馬は左側からなのは何故か?」「これは自転車やバイクと同じ…もしかして自転車やバイクのルールは乗馬からきている?」という疑問が生まれましたが、これについては別の回で書きたいと思います。
停止及び常歩で正しい姿勢がとれる…上半身がまっすぐ伸びていること、足が地面に並行できっちり鐙を踏めているか等、美しい姿勢が重要となります。
誘導馬について小区画の馬場で軽速歩ができる…馬に扶助(指示)を行い並足から軽速足に移行する、軽速歩の間は馬のリズムに合わせて鞍の上で立つ・座るができることが必要です。
内方開き手綱の操作ができる…手綱を使って曲がりたい方向に馬を誘導できるか
…車で例えれば、乗車・下車、シートポジションを合わせる、発進・加速・減速・停止、ハンドル操作といったところでしょうか。
筆記試験
筆記試験では下記の項目に関するペーパーテストで基準点以上だと合格です。
馬の品種…軽種、重種、中間種、在来種
馬の表情…耳の動きやしぐさから読み取れる喜怒哀楽等
馬の取扱い…後ろから近づいてはいけない等
乗馬姿勢…常歩(なみあし)、軽速足(けいはやあし)、速足(はやあし)、駈足(かけあし)、襲歩(しゅうほ)での馬の動きと乗馬姿勢
5級だと覚えるべき項目は限られるのでまず間違いなく合格できると思います。
短期レッスンに申し込もう
短期レッスンとは
基本的に乗馬ライセンスは乗馬クラブに入会してからレッスンを進めて取るものですが、5級は入会しなくても短期レッスンで取得することが可能です。期間はどのクラブでも3日が一般的なようです。費用は5万円前後が多いようですがキャンペーンによっては2~3万円で受けることができる場合もある用です。関東近辺の場合、短期レッスンで乗馬ライセンス5級が取れる乗馬クラブの例として下記が挙げられます。
短期レッスンが受けられる乗馬クラブ
下記のような例が挙げられます。
本記事執筆時点でホームページに案内が出ていないので挙げられませんでしたが、今回はクレイン神奈川に申し込みました。理由はフジキセキ役の松井恵理子さんが訪問してたからです。
目標まで3ターン「乗馬ライセンス5級を取得」スタート!
短期レッスン1日目
まずは乗馬クラブで受付と安全講習を行います。体験乗馬よりも長い時間、自分で馬をコントロールするので、説明はよく聞きましょう。続いて馬学講習(筆記試験対策講習)を行いました。
そしていよいよ騎乗です。体験乗馬に行ったので乗馬・下馬は一応できました。馬のおなかをポンとけって(扶助)発進、常歩をしばらく行った後、手綱を引いて停止を繰り返しました。
慣れてきたら今度は常歩から軽速歩に移行します。馬のリズムに合わせて馬上で立つ、座る、立つ、座るを繰り返すのですが…これが全然うまくいかない。
言葉で説明するよりも映像を見てもらった方が早いですが、軽速歩を行うためにはインナーマッスルが必要です。普段から鍛えていればよかったですが、コロナもあってなまった体では全くできませんでした…
短期レッスン2日目
前回に引き続き、ひたすら騎乗…ところが1日目の筋肉痛で立つ、座るの毎に主に内股の筋肉に激痛が走る、しかし一度走り出した馬はたったかたったか走っていく、その衝撃がまた内股に響く…一体俺はお金を出して何の仕打ちを受けているんだ…と思わなくもなかったですが、これも人馬一体の境地に一歩でも近づくためと思って頑張ってひたすら立つ、座るを繰り返しました。
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余談:夢の煌めき
練習を繰り返すうちにもう一つの問題が発生しました。馬のリズムに一致すれば、馬体が浮く力によって自然と自分の体も浮き上がり、「立つ」姿勢が完成します。逆に座るときは馬体が沈む周期と一致しているので自然と「座る」姿勢となります。ところが周期が一致しないと自分が座った瞬間に馬体は浮く、この結果、自分の体と馬体の間にキンタマ夢の煌めきが挟まれて激痛が走るということになります。そもそも筋肉痛の状態で思うように立つ座るができないところにつけて馬のやる気が上がってくると周期はどんどん早くなっていく、それに合わせて自分も集中力を切らさず立つ座るのリズムを繰り返さなければならない…こうして2日目は終了したのでした。
短期レッスン3日目
前回に引き続き、さらにひたすら騎乗します。2日目に集中力をできるだけ維持しながら立つ座るをやったおかげで、3日目には何とかそれらしい姿勢になってきました。正直、リズム感覚に自信がなかったので、1日目はちょっと絶望していたのですが、3日で何とか様になってよかったです。この日の最後は試験が待っているので、1秒たりとも無駄にしない気持ちで騎乗しました。
いざ、試験
3日目の最後のレッスンで実技の試験担当の方がいらっしゃって、軽速歩の様子を採点してくれました。その後、室内に移動して筆記試験を受けました。筆記試験は自身がありましたが、実技の方はちょっと自信がありませんでしたが…
育成目標達成!
かなり緊張して結果発表を待っていましたが、担当してくださったインストラクターが来るなり「合格だよ~」と言ってくれたので一気に気が楽になりました。「ちゃんとやってくれたからあえて黙ってみてたけど、短期レッスンでここまでまじめに立つ・座るする人なかなかいないよ。みんな『こんなにきついとは思わなかった』『入会はやっぱいいです…』ってなるんだよねぇ~」と仰っていました。まじめに取り組んでよかったです。
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ライセンスを受け取る
ライセンスは下記のような様式です。級が上がり、馬上馬術の他に障害馬術やエンデュランスを取るとマークが増えていきます。ライセンスがあると、例えば北海道のトレッキング等で自由度が高いコースが体験できるようです。君もライセンスを取ってライバルに差をつけろ!
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これで終わりのはずだったが
5級よりも先はどうなっているのか
冒頭で説明した通り、5級から先にはまだまだ様々な試練が待ち受けています。人馬一体の境地に至るためには、5級はまだスタートラインについたに過ぎないのです。
キミの愛バが!
うまぴょい伝説の歌詞を思い出してください。こうあります。
キミの愛バが!
ずきゅんどきゅん 走り出しー(ふっふー)
ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー
こんなーレースーはー はーじめてー(3 2 1 Fight!!)
作詞・作曲:本田晃弘
乗馬ライセンス5級では常歩と、精々数メートルの軽速歩を達成したにすぎません。しかしその先には車のギアが1速からトップギアまであるように、速歩、駈歩、襲歩が待っています。そして障害馬術では1メートルもある障害をジャンプします。
キミの愛バが「ずきゅんどきゅん」「走り出し」「ばきゅんぶきゅん」「かけてゆく」状態にするためには5級ではまだ何も足りません。
きっとその先へ…!
きっとその先へ到達するために、ついに乗馬クラブへの入会を決断したのであります…この話はまた次回…