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心地の良い1時間

 オンラインのふまねっと教室に参加するため新聞紙でネットを作る。新聞を取っていないので、新聞紙はプロジェクト実習の先生から頂いた。新聞紙には久しぶりに触れる。
 ほかの印刷物とは少し違う、インクと紙の匂い。ネットの作り方をYouTubeで確認する。新聞紙12枚を、細長くたたんで組み立て、ネットの形にする。動画ではホチキスを使っていたが、私はガムテープで新聞紙を固定した。
 
 新聞紙をたたむ最中、文章を読み込んでしまう。本棚を片付けるときについ本を読んでしまう癖はここでも表れてしまうようだ
 ネットは、二つの田の形を作り、それを二つ組み合わせて完成させる。1つのマスは、約35センチ四方の大きさ。一人暮らしのこの部屋にはかなり大きい。

 6月14日、午前9時オンラインふまねっと教室が始まる。指導は、尚和里子さんだ。参加者は私を入れて15名ほど。Zoomに参加すると、最初からカメラオンで皆さんが挨拶をしている。
 「あかりちゃんおはよう。」初めての参加にもかかわらず、参加者の方にいきなり挨拶をしていただいてドキドキする。おそらく何度も参加していてすでに知り合いという方が多そうだが、この教室では、初めましてでもすぐに仲間に入れてもらえる雰囲気がある。
 尚和さんが中心となって参加者たちは他愛もない会話でコミュニケーションを取っている。少しして、参加者がある程度集まるまでその時間は続く。

 教室が始まって、まずは自己紹介だ。最初は、二人で参加している方々で、ふまねっとのTシャツを着ているようだ。何度も参加している方々なのだろう。
 住んでいる市町村名と名前(ニックネーム)と、何か一言という流れで二人目、三人目と尚和さんの進行で次々に進んでいく。
 この日は、札幌市の他に赤平市、また北海道外からの参加者もいらっしゃる。
 自己紹介はカメラをオンにしている方のみ行う。今回は数名カメラオフで参加している方もいたため、その方々は尚和さんがお名前を紹介するだけ。

 本日のオンラインふまねっと教室は、中級クラスだ。
 「間違えても気にしない気にしないで楽しんで参加していただきたいと思います。」と、尚和さん。事前の注意事項で体調や服装、ふまねっとを行う環境など確認を行う。
 そして次にストレッチをする。ストレッチは動画を用いて行われる。足踏み、足のストレッチ、上半身のストレッチを音楽に合わせてゆっくりと行う。ストレッチの動作の中には毎回呼吸を整えるタイミングがある。
 そして、最後に深呼吸。ストレッチは全部で10分程度。すでに体はぽかぽかしている。

 ストレッチの後はステップの時間だ。口での説明と実際にネットを用いてやって見せる説明の後、実際に参加者がステップを体験する流れ。それぞれのステップには重点目標がある。
 最初のステップはネットの片側4マスを使って前に進んでいくステップ。ゆったりとした音楽のなかで、カウント一つにつき一歩のリズムで人マスに左足、右足、次のマスに左足、右足というように進む。
 このステップの重点目標はネットを踏まないということだ。一歩一歩、ゆっくりと進む。参加者がステップをしている途中に、尚和さんは参加者を常に励ますように発言している。

 次に、最初のステップに合わせて手拍子を合わせるステップを行う。説明方法は先程と同じだ。
 1歩目と2歩目に手拍子を2回づつ、3歩目と4歩目に手拍子を1回づつ。ネットを3往復する。「~さん上手です。」「~さんリズムに乗っていていいですね。」と尚和さんは声掛けを行っている。ステップが終わったら重点目標の振り返りを行う。
 画面越しではあるが、仲間とともに運動をしている気分は心地よい。

 次のステップは、3拍子のリズムだ。左のマスに左足で一歩、右のマスに右左と2歩と進み、これを繰り返す。
 このステップの重点目標は、このステップをしっかり覚えるということ。2往復行った後、先程同様手拍子を付ける。3拍子の1と3の時に手拍子をする。これは、少し難しいステップのようで、繰り返し失敗しても気にしないでとの声掛けが。
 ステップが終わったらまた、重点目標の振り返りがある。それぞれの参加者の振り返りを確認することができる。

 今度は歌を歌いながらのステップ。カエルの歌に合わせて右のマスに右足、左足、その場で足踏み右足、左足、斜め左のマスに左足、右足、その場で足踏み左足、右足というようにジグザグに進んでいく。次の手拍子は4カウントの3と4で打つ。今回のステップの重点目標は手拍子を間違えないということ。このステップが本日最後だそう。
 ステップ中に画面を見てみると、参加者の方が手を振りながらリズムにのってステップをしていることが分かる。中には、口を動かして歌いながらステップをしているのがはっきりとわかる方もいらっしゃる。
 そしてまた最後に振り返りをする。励まし合いながら振り返り、コミュニケーションをとっていく。

 最後に感想を発表する。「すごくできました。」「課題が見つかりました。」「最初は寒かったけどあったかくなってきて窓を開けながらやった。」など皆さん様々な感想があるようだ。
 皆さんがとても笑顔で感想をおっしゃっているのがとても印象的。
 ふと時計を見るともう少しで10時になるところ。あっという間の1時間だ。朝に1時間、コミュニケーションを取りながら心地よく体を動かし、終わったら「良い1日を」と言い合う。
 体の健康だけでなく、心まで元気になれる一時間。

 本当に良い1日になりそう。

(遠藤あかり)

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