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作り話 季節巡り~弐
その者の言葉に返す。
「そうはいかぬのもヒトの道
貴方様にも道がありましょう
存在する者全てに道があるのと同じ事…」
するとその者は笑いながら言う
「難しく考え過ぎだ、もっと楽に生きたら良い
しかし、何だかお前は変わっているな」
返す言葉に詰まっているとその者は続ける
「だが、それはヒトの一生は短いのだからこそかもしれないな」
その言葉に、
「ヒトではない貴方様とヒトであるわたしは
住まう世界を違えております。しかし、
こうして話すことができ、嬉しく思います。
本日は巫女舞を致します。
よろしければお目汚しに見ていって下さいませ」
それを聞いたその者は、頷きまた遠くを見る。
その者に頭を下げ、社殿から用向き先へ向かう。
その道すがらにある家の屋根をふと見る。
すると奇妙な面相の四つ足がいるのを見る。
目を逸らすも遅く目が合ってしまう。
助けて!と叫ぶか否か…
すると目の前に白い大きな狼が走り来ると
次の瞬間、奇妙なモノは消え去った。
白い大きな狼がくるりと去っていくのが
目に映る。
言葉を出そうとすると
「呼ばれたからな、仕方ないだろう」
大きな白い狼は振り向きながらそう言うと
姿を消してどこかへ行ってしまった。
「あの白い狼は…」
𑁍܀続く…𑁍܀