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作り話 ~季節巡り~拾弐

「ヒトはもうよいと、諦めはつかないか。」

あの者は、そう尋ねる。

「何故でございますか。」

尋ね返すと、あの者は笑い混じりに言う。

「ヒトは学ばぬ…幾度となく争いを繰り返し
、何度も同じ結末を見る。感じ、考えはするが
それが何故有るのかを思わぬ。」

「はい、確かにヒトは、貴方様の仰るように、考えることを止め、分からぬものには、名を付け諦める。他者と優劣をつけたがる故に愚かとも思われるものに貴方様にはみえて居られるのでしょう。しかし、ヒトではない貴方様に無礼を承知で申し上げます。貴方様は、人間の何をご存知なのでしょうか。」

そう言うと、あの者は驚いた顔をしている。

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「人間が…!お前など…」

と、言いかけた言葉を飲み込んだ様だった。

「私は、貴方様のご存知の通りの………です。どこにも………ただ……………様に…。
しかし、そう生きたいと願ったのです。縛られるものなど要らぬのです。
"人間が何を言うか"と仰るでしょう。しかし、
見て、聴き、考え、ヒトに備わるもの全てで感じて生きることは自然なこと。それが、私の人間というものの生き方にございます。ですが、貴方様には、私の如き人間風情が生意気を申しました。」

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あの者は、こちらをじっと見て言う。

「ヒトならば、感じ、考え、楽しめばいい。
…お前は喰えないやつだ。」

そんな優しさを隠した言葉に、絞りだすように答える。

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           𑁍܀続く𑁍܀

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