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汐満つ…。そして。
あの時のような空を見て目を塞いだ。
でも…塞ぎきれず指の間から見える
その色を。
悲しみと怒りが消えない色を。
昔から、知りたいことは自分で追う。
そして、見つけては…。
私の中には、確信を持てないことは
疑う癖がある。
だけどふと、懐かしい朝焼けを見た時に
震えなくなっていた自分の中の
震えた何かが、呟く。
『確信を持てなくても、信じてみてもいい。
それは、誰にも否定出来はしないから。
こうして、呟く声は誰にも否定は
出来ない。』
ニヤリとしたように聴こえたそれは
この心に深く響く。
蒼く蒼い水面にひと粒の雫を落とす。
波紋は広がり鞣されるように馴染んで
和ごしていく。
『ただ、在るだけで良かった』
この気持ちに嘘はなく、
同時に中にある激しい感情を
蒼い水面にひと粒落とすと
激情も消えてゆく。
繰り返すうちに次第に大きく振れなくなる心に
驚きと同時に合点のゆく感覚が満ちる。
そして、同時に温かさも齎してくれている。
この相剋するモノらに、目を向けようと
しなかった。何故か…。
…壊してしまいそうだった。それが理由。
この激情を懐けるようになるまで、
触れたくなかった。
しかし…、
『この相反するモノは、この自分の中にある。
怖くない。』
誰か、何か、ではない。
これは自身の、話。そして、自身の、言葉。
少しは、信じてみてもいい。
この、自身を。