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静止…そして

幾度も頭上で鳴り響く雷鳴と空を渡る稲光
誰のものかは知らないけれど
驚きひとつしない自分に驚く

ヒトの姿をした……がいる。
降りしきる雨に湖面を覗きこむと、
そこにはヒトの形をした……の…が見えた。
ヒトの形に隠すように混ぜ込まれている
季節外れの蓮の花に隠された秘密を。
何が起きたのかは分かったものの
すぐに受け入れることは出来ず
その場から逃げ出していた
本当は出てはいけなかったことも知っていた
全てをなぎ倒す勢いで流れてゆく
止めようとしてくれている存在が
多くあった…
分かってはいても…
……が言った言葉が微かに響くが
止まらなかった
最後に……が止めてくれた。
静止したあと、隠れる場所を探して
探して探した…
あぁ、ここだ
ひとつの社を見つける。
社の中の者が出てきて声をかけてくる。
「こちらでゆっくりするといい。」
そう言った。
息を整えようとするが、なかなか収まらず
時折湧き上がる感情を抑えられないまま
呻く。
社の中の者が振り向き様に言う。
「落ち着いたら中へ入るといい」
礼ひとつ言うことも出来ない
暫くここで隠れていようか…

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