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アナタ ─微かな強烈な─
『ここは、どこ?』
気付けば、知らない場所にいる。
ワタシは、どこにいるんだろう…
八角形の造りの建物。
高層のマンションのようなワンフロアが
1室になっている建物にいる。
真ん中の寝室には、テレビのようなものが
砂嵐になっている。
ベッドの上には誰かいる。
面白そうに8つのドアを開け閉てするワタシを
見ている。
何処を開けても逃げ場が無い。
仕方なくベッドへ歩く。
諦めのような、安堵のような、そんな心持ちで。
変わらぬ営みが済んだあと眠りに落ちる。
『ココハドコ?』
『助けて』そんな言葉は忘れた。
諦めて浴室に行くとまた、いるあのひと。
薄く笑いながら、じっと見るのをやめない。
『やめて。見ないで。お願い…。』
あのひとの視界から外れても、尚こちらを
面白そうに見ている。
『此処は何処なの?あなたは誰なの?』
─ねぇ、わからないの…─
それは、微かな強烈な感触を残し焼き付けられる。