エンジニアチーム爆伸びの成功の鍵は「人の心をワシづかむ」リーダーにあり!
カジ―FY2023年間MVP受賞 Platform Engineering Div. 有澤信治(ありさわ しんじ)さん。有澤さん・CHRO白坂・組織人事チーム小酒の3人で対談を実施しました。対談で浮き彫りとなったのは、人をよく見て「心をわしづかんでゆく」、有澤さんが持つ技でした。
有澤信治さん:官公庁むけの自社パッケージの開発・保守を2年、SESを1年経験後、個人事業主として14年間活動。2022年11月CaSyに入社。2023年度の目玉プロジェクト3つを牽引、エンジニアチームのエンゲージメントサーベイスコア*の劇的向上を牽引し、FY2023Q4MVP・年間MVPを受賞。
意志あるリアクティブで、メンバーの心をわしづかむ
小酒:改めて、FY2023Q3そして年間MVP受賞おめでとうございます!!今回の受賞理由の1つにもあった、有澤さん入社後の「エンジニアチームのエンゲージメントスコア」の爆上がり。ここから、まずは振り返っていきたいです!
入社直後の2022年12月は、49.7「BB」だったのが、入社後には上昇し、Q2以降「AAA」となり、スコア上昇を続けていますね!
このサーベイ結果、そしてエンジニアメンバーからあがる声からも、メンバーが会社の戦略を理解し、意欲高く、そして気持ちよく仕事ができているということがわかります。もっと言うと、自分たちのチームだけでなく、有澤さんのことが大好き!ということも伝わってきます。
ご自身では「良いエンジニアチームづくり」ができている、という実感はありましたか?
有澤:「チームづくり」も、自分が「リーダーポジション」というつもりも正直なかったです。僕の感覚としては、新しいメンバーが多数のエンジニアDiv.で、みんなより数か月先に入社した「少しだけ先輩」。そんな心持ちで、一緒にプロジェクトを進めていました。
白坂:有澤さんはプロジェクトを引っ張っていってくれる存在でしたが、ナチュラルに「チームの雰囲気を良くし、メンバー個々の強みを引き出す」マネジメントをしてくださっていたと思います。自分ではそれが「マネジメント」だとは思ってないみたいですが^^有澤さんの上長である、エンジニアリングDiv.CEOの池田は、「彼は一人ひとりをとてもよく見ている。面倒見が良く、皆、彼と一緒に仕事をする中で大きく成長したと思う。」と評価していました。
年間MVP受賞者の「ナレッジ」を全社に還元するために、年間MVPの技を発表してくださいましたね。あのときに、有澤さんが普段、自然にやっていることに感動しました。それは、有澤さんが「メンバーが自分主語で動けるようサポート」をしていたこと。これは、心理学で言う「ナラティブアプローチ」です。人が抱えている課題や問題を、その人の中で扱うことをせず、その人の外に出して一緒に考える、一緒に解決するというアプローチを通して、それを叶えていました。
有澤:僕も指摘されるまで自分では気づかなかったですが、振り返ってみればそうでした。確かにいつも、「君の問題だから、自分で解決してね」とはしていません。問題は大抵、個人の中で閉じてしまうから「問題」として在り続ける。だから、一旦その人の外に出してあげて、その人の問題から、「その問題解決に取り組む人」にしてあげる。これだけで全然、違うんですよね。そのあとに、「これ、やります!」と自分で進んでいけるというか。
白坂:かける言葉もピカイチです。「なんで自分はできんかったんだろう…」とメンバーが思っていても、「成長したからこそ悩むポイントやね」などと声掛けくださり、解決までの前向きなストーリーに変えてくださっていますよね。カジ―では、メンバーが全国にいるので、コミュニケーションはSlackとZoomが基本。Slack上で、エンジニアメンバー以外に対しても有澤さんがこうして声掛けをしているのを、よく目にします。
小酒:Slakのメッセージを見て、第三者である私も「ふふっ」と笑ってしまうことがあります。絶妙な返しというか。
白坂:それも、有澤さんが持つ「技」の1つだと思います。実は有澤さん、伝えるべきことはスッと伝えているのですが、「ド正論」ではなく、小粋で前向きなギャグで周囲に笑顔を生み出しながら伝えるべきことを伝えているんですよね。正論であればあるほど、相手が受け取りやすくしているというか。
有澤:どんなレイヤーであれ、開発進捗がどうであれ、みんながんばっているんですよね。「存在を肯定する」「頑張ってくれていることに感謝する」。これ、本当に大事なことです。「いいよいいよー」という姿勢から始めます。その人のことを頼りにして、「あ、俺頼りにされてるんだ!」を嬉しい気持ちで感じてもらう。みんながいてくれるから、ものづくりができる。メンバーあっての組織です。
白坂:有澤さんは本当に「人をよく見ている」。メンバーの特性や強み、心情。それらを見たうえで彼が前提に置いているのは、「メンバーに期待する」ということ。その期待が業務アサインメントや言葉かけに発露し、メンバーがモチベーション高く仕事ができているんだと思います。有澤さんの行動・リアクションは、マネジメント視点で見ても全てに意志があるんです。素晴らしいことです。
経営陣も唸らせる、仕事人としての腕で組織のメンバーをわしづかむ
白坂:「PMとして、仕事人として、抜群」と池田も大絶賛でした。
まず、有澤さんはより高い視座で企画に携わってくれています。カジ―では企画から実装まで、エンジニアも一気通貫して携わるのが一般的。「技術を目的として、であればこちらが良い」「お客様やキャストさん(家事代行スタッフ)からすると、こちらのやり方では?」と提案します。
有澤:「エンジニアリングはビジネスの言葉で語られるべき」と、思っているので自分の中ではあたりまえでした。
Biz.側から「ここをこうしてほしい」っていう具体的な開発依頼が来ていたとして。ただその「こうしてほしい」は手段なんで、目的があるんですよね。それを捉えておくと、前提が変わって変更が必要になったときに、「そうだね」となるし。「こっちから変えた方がいいですね」とも言える。変化に強くなるんですよね。
小酒:メンバーに対しても、その視点を持つことを求めますか?
有澤:「1つ上の目的を捉えてほしい」とは思っています。でもそのまま「目的を考えて」とは言いません。例えば、まずメンバーから質問を受けた時、それに答えようとする前に「現在の、メンバーの視点や視座」を考えます。
「この子はどのレイヤーでこの仕事を捉えてるんだろう?」
「どの視点でこの開発しているんだろう?」という視座。
その上で、メンバー1人1人に対してアプローチの仕方を変えています。
見ている1つ上の目的を共有します。目的を1つずつ上げていくと会社全体の戦略に繋がるわけで。自分が全体のどの部分を何のために開発しているのかが、そういう大きな括りの中で把握できるようになる。そうすると開発が楽しくなるし、「だったらこの方がいいな」も生まれると思うんですよね。
小酒:「メンバーの視座」をよく見ているからこそ、今回の表彰にもあった「一人ひとりの特性を活かすこと」ができているんですね。
白坂:そう、そしてリスクマネジメントも本当に上手いです。池田は「着手前はバタついていたプロジェクトも、開発においてはトラブルが顕在化しない。有澤さんが常に、レアケースも含めて障害発生リスクを早期に検知して影響を最小化する対応体制を構築していたからで、本当に素晴らしい」と言っていました。
システムをつくっているという視座ではなく、事業価値をつくっているという視座から、開発に関わる有澤さんだからこその動きなんだと思います。
「人」を知っている。エンドユーザーをもわしづかむ企画
白坂:一旦、ペンディングになった企画があるのですが、そこにも有澤さんのすごさが凝縮されていました。キャストさんに向けた企画です。有澤さんはキャストさんのお気持ちをイメージしてそのUXに技巧を凝らす動きをしていました。
キャストさんは、寒い日も、暑い日も日々サービスに入ってくださっている。ですが、直行直帰でサービスに入るため、孤独を感じやすいですし、毎日の頑張りを誰かに共有するのは難しい。そんなキャストさんがサービス後に受け取るメッセージ機能。そのメッセージの、スマホ画面への表出の仕方を懸命に模索していました。
ただ「ポン」っと表示されるだけではない。キャストさんがどうしたら「今週も私、頑張った」「また次のサービスも前向きに頑張ろう!」と思ってくださるか、活力を得られるか。「メッセージの表出の仕方で、本部のメッセージを伝えたい」そんな有澤さんの気持ちが伝わる動きでした。
それだけで劇的なサービス数増加につながるわけではありませんが、それでも有澤さんがエンドユーザーが使う状況・その時の心情も深く深く考えている。そして企画段階から深く関わり、積極的にBiz.サイドに絡みにいくからこそ、それがエンドユーザーを掴んでいく。
わしづかむのは、大きく成したいから。
小酒:個人事業主で長く活躍されてきた有澤さんが、カジ―でこんなにもチームづくりや、組織の中での振る舞いに心を砕くのはどうしてでしょうか?
有澤:カジーが行っている「家事代行事業」には、社会変革のパワーがあると僕は考えています。日本のあたりまえにメスを入れ込むような。エンジニアとして若い頃から、社会にとってインパクトのあるものを作りたいと思っていました。でもその後、個人事業主でさまざまなプロジェクトを14年間経験して、一部を担っていても、エンジニアとして持っていたあの夢は叶わないと思ったんです。だから、もう一度会社という組織に戻った。
もちろん、組織の中では1人で動くより制約はある。だけど、仲間と、チームで行くからこそ、ものづくりを通して日本の歴史の転換点にもなる事業に携われる。大きく成す、その瞬間を仲間と見てみたい、と思っています。
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